泉の聖

１６

「つんつん・・あっ、まだ生きてますよ」

おぅ、それはよかった。

でもさ～これっ、どう見ても人なんですけど？人は入って来ないんじゃ？そ・れ・に・人も保護動物に入るのか？

「そうなんですよ、おかしいんですよね、この泉初の珍事ですよ！！でもっ、まぁ、とりあえず結界内に入った負傷生物ですので、治療プリーズ」

いやっ、するよ、生きているのならするよ。

人だから治療しないとは言わないよ。

とりあえず手を持って、草むらから引きずり出す。

ちょっと大きいようだが、ぎり子供だ。

この子いいとこのぼんぼんじゃない？

めっちゃ高そうなブルジョアな服着てる。

久しぶりに白以外の色の服を見た♪

・・・なんて感動している場合じゃないな、ヒールをかけよう。

あっという間に傷口が塞がっていく。

お～凄い！！何度見ても感動するよ。

ビバ魔法


さて、治療は済んだ。

どうしよっか？

この子、面倒事の臭いしかしない。

だって、ばっさり、背中に斜めがけの傷だよ。

事件の臭いがします。

信頼している者の裏切りか。

何かから、例えば強盗とかから逃げている時に、追い掛けて来て切られたとか。

意識を取り戻したら、どうしよっかな？

理由を聞いて叩きだすか、聞かずに叩きだすか。