シャム猫

大器晩成らしい

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靴を履き替え、体育館の中に入ると、バスケットボールコートの1面を使って、バスケの試合をし、もう一面ではドリブルやパス、シュートの練習をしている人達がいた。

ユニフォームを着てる人がいないから、バスケ部かそうじゃないかは、見ただけではちょっと判らなかった。

「結構いるね」

「2週間近く部活が休みで、勉強三昧だったからな。皆、バスケが好きだから、やりたくて、うずうずしていたってとこ」

「ここにいるの、殆んどバスケ部?」

「あ~、バスケ部じゃないのも、ちらほらいるから、大丈夫。シュート練習、交ぜて貰おう」

ボールカゴの中から、ボールを2つ取り出し、片方を俺に渡しながら、ゴールの方を親指でくいっとした。

「先輩、俺達も交ぜて下さい」

疾風が、ゴール下に居た人達に声をかけると、こっちに視線が向いたから、疾風の横で、軽く会釈をした。

「すみません、お邪魔しても、いいですか?」

「「「「もちろん(疾風、グッジョブ!!)」」」」

「湖箔、どんな感じか、ちょっとシュートしてみて」

「えっ、うっうん。じゃあ、すみません」

疾風に言われ、先輩達に断わりを入れてから、ボードの白枠の手前の角を狙って投げてみた。

「あ~」

残念、リングに弾かれた。

「脇を締めた方がいいな」

「手首は返して持って」

「湖箔ちゃんは右利き?」

「はい」

「じゃあ、右手の掌はボールにべったり付けないで、こんな感じに、親指と人差し指でY字をつくるようにして、少し浮かせた方がいいよ」

「こうですか?」

「そう、そんな感じ。で、左手は添えるだけね」

「ひじと体はリングに向けて」

「脚は肩幅に開いて、つま先をゴールに向ける。右足を少し前に出して、ひざは軽く曲げ、お尻を落とす。・・そうそう、いいね。」

「手首を使って、スナップをかけて。で、かけた後の指先は、きちんとゴールに向けてね」

「利き手を前に出すように、シュートは打って」

「腕はしっかり伸ばしてね」

疾風が口を開く前に、先輩達が次々と助言をしてくれ、見本を見せながら、懇切丁寧に教えてくれた。

「先輩達、優しいね」

「ソウダネ(鼻の下を伸ばして、ここぞとばかりに、さり気無くボディタッチ、してるんだけどね)」








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