シャム猫

大器晩成らしい

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大接戦。

紫艶はクッションを利用し、着実に球をポケットに沈めてきた。

「・・チッ」

手玉を撞き、7番に当て、クッションを利用して、8番をポケットに入れようとしていたようだけど、力加減をミスったみたい。

ポケット手前で、ピタッと停止。

「ラッキー。後ちょっとだったのに、残念だったね」

しかも、当てやすい位置に、7番がある。

紫艶に、場所を変わって貰い、手玉を7番と8番の直線上に置き、7番に当て、8番をポケットイン。

更に、7番も落とす。

「う~ん、この手玉の位置から9番をインさせるのは、難しいかも」

だとしたら、紫艶がポケットに入れにくい場所に9番をもっていくしかないよね・・・

手玉を撞き、9番をほんの僅かだけ、移動させる。

「はい、紫艶の番」

「うわ~、わざと嫌な位置にもってっただろ?」

「フフン、当然」

勝ちたいからね。

手玉の位置を調整し、ダメもとで撞くみたいだ。

ピピピッピピピッ

撞く瞬間、タイマーがなり、手がぶれたみたい。

手玉が、変な方に、転がっていって、

「うわ~、タイミング!!」

「はい、交~代~」

中途半端に終了。

「残念。決着が着かなかったね」

「思ったより時間が短いな」

「そうだね」

「紫艶と森羅、場所交換ね~」

「了~解~」


次は、森羅と対戦か。

「森羅はビリヤードした事ある?」

「いや、初めて」

「ん~じゃあ、ナインボールのルール説明と、キューで玉を撞く練習する?」

「いいか?」

「ん?もちろん。って言っても、ナインボールしか知らないんだけどね」

森羅に、ルールの説明をし、次にキューの持ち方と、チョークの使い方、使う意味を教えた。

「これ、チョークって言うんだけど、滑り止めね。キューの先端に塗るやつ。これ、塗らないと、滑って、上手く玉を撞けないから。塗り方は、チョークのへこみ部分の周りを使って塗って。マッチを擦って火をつける感じ。こんな感じに、チョークをスッスッって塗って」

「・・・こうか?」

「そう、そんな感じ。・・じゃあ、撞いてみようか」







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