シャム猫

大器晩成らしい

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ジョエルの場合55

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「ジョエル、大好き」

「俺は、愛してるよ。湖箔は?」

「///もちろん、ぁ、愛してるよ」

可愛すぎ。

恥じらいながらも、頑張って言ってくれるところが、堪らない。


勉強しているのを邪魔しちゃいけないって、解かってはいるのだけど、傍にいると、ついつい構って欲しくなる。

湖箔が、ここにいる事を、確認してしまう。

この幸せは、夢じゃないよな?

髪をチョイチョイって弄ると、こっちを見て微笑み、休憩の度、膝の上に乗って抱きついてくる。

俺が見てる幻じゃないよな?

ちゃんと感触があるし。


湖箔を初めて見た時、こんな関係になるなんて、予想すらしていなかった。

早々に湖箔への恋心を自覚し、手に入れたいと欲し、合宿での恋人ごっこで、距離を縮め、病気の看病で、関係を深め、そして、俺は、湖箔を手にした。

それこそ、3ヵ年計画じゃないが、卒業までにはどうにかしたいと思っていた。

湖箔の恋愛対象が、女性か男性かすら判っていない状況で、自分に好意を向けてもらい、恋愛対象として見て貰うにはどうしたらいいのか、じっくり、対策を練ろうと考えていた。

それなのに、美和先生という、強力なライバルの存在を認識し、そんな悠長な事は言ってられないと気付かされた。

あの時は、かなり焦ったのを、覚えている。

美和先生の方が、優位に立っているように感じたからな。


・・・こうやって、振り返ってみると、ラッキーだよな?

天が俺に味方したとしか、言いようがない。

誰が看病をするのかってなった時、決める為に行ったジャンケンにしても、まさか、全勝できるとは思わなかったのだから。

本当に良かった。


お昼は、シチューを作って、二人で食べた。

食器洗いは、湖箔が。

もちろん、後ろから抱き付いて、ちょっかいをかけるのは忘れない。


「終わった?(・・・今15時20分か。17時の10分前には部屋にいないとだから、約1時間だな)」

「うん、今日はお仕舞い。片付けてくるね」

そう言って、参考書をまとめて持ち上げたから、横から半分取り上げ、一緒に付いて行った。






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