シャム猫

大器晩成らしい

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スマホを預け、施設の使用方法の説明を受けた後、疾風と森羅と共に、自分達にあてがわれた部屋へと向かった。

部屋の中に入ると、左右に2段ベットが置かれていた。

湖「どこで寝る?」

森「どこでも。余った所でいい」

湖「俺は、上で寝てみたい」

疾「俺は下。底が抜けたら嫌だし」

「じゃあ決まりかな。俺、こっちね」

大きな荷物は端に置き、財布だけをポケットに押し込み、手荷物は、右側の上の段に投げ入れた。

疾風と森羅も、俺と同じ様に、大きな荷物は端に、それぞれ財布を手に、手荷物は、自分が眠る方のベッドの上に置いた。

疾風は左下、森羅は俺の下。

疾風曰く、〝しないとは思うけど、鼾とか歯軋りとかしていたら悪いから、一人の方にする〟だって。


荷物も置けたし、夜、寝る場所も決まり、俺達は、部屋に鍵をかけ、集合場所へと向かう事にした。


湖「自分達でカレー作るんだよね?二人は料理した事ある?」

森「家庭科の調理実習くらいしかない」

「「俺も」」

この班、大丈夫か?

森「レシピ通りにやれば、酷い事にはならないんじゃないか?」

「「たぶん」」

じゃが芋の芽をきちんと取って、しっかり火を通せば、とりあえず、食中毒にはならないとは思うけど、ご飯が心配。

飯盒炊爨なんてした事ないし・・・

疾「まっ、なるようになるだろ」


・・・結果、ご飯は少し硬めだったけど、カレーは上出来だったと思う。

火が通り易いように、野菜を小さくカットしたのが良かったのかも。

ちょっと、指も切っちゃったけど、浅かったから大した事は無い。

まぁ、大輝が大げさなくらい、慌てていたけどね。

口の中に入れてたら、すぐに血も止まったのに。


・-・-・-・-・

「いっつぅ・・」

疾「指切ったのか?」

「少し」

森「絆創膏もらってくる」

「ありがと。・・・・・・・ん・血ぃ止まったみたい」

「「「「「(エロい)」」」」」

「(俺のもしゃぶって欲しい)」

「(お前の汚いのなんか願い下げだろ)」

「「「「「(そうだそうだ!湖箔ちゃんが汚れる)」」」」」

「(隅々まで丁寧に洗ってるし)」

「「「「「(そういう問題じゃない)」」」」」

「(フッ、俺は、指だけで充分だぜ)」

「「「「「(俺も)」」」」」


バタバタバタ

大「湖箔、大丈夫か?!」

「ほんの少し切っちゃったけど、もう平気」

大「ちょっと見せてみろ」

救急箱を持ってきてくれていて、〝大丈夫〟って言ったけど、〝化膿したら大変だ〟って言って、わざわざ消毒してから、絆創膏を貼ってくれた。



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