シャム猫

大器晩成らしい

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大輝の場合25

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「(何、体育館裏にだって?)」

「(誰だよ、呼び出したの)」

「(勇者だ)」

「(よく風紀の目を潜り抜けたな?)」

「(1人じゃ無理だろ?)」

「(パーティを組んだんだな)」

「(見に行くか?)」

「(風紀がそこら中で検問してるようだぞ)」

「(どうするんだよ?カップルになったら)」

「「「「「相手を闇討ち」」」」」

「(まぁまぁ落ち着きたまえ、失敗に決まってるのだから)」

「(何でそう思うんだよ)」

「(俺の運命の相「「「「「ないな」」」」」)」


・・・随分騒がしいな

「五月蝿いぞ、何を騒いでる」

遅い食事を摂り、職員室に戻ろうと廊下にでると、そこら中で生徒が集まり、大騒ぎしていた。

手近な奴を捕まえ、理由を聞けば、

「湖箔ちゃんが体育館裏に向かったのを、何人も見たっていうんで、こんな感じに・・・」

はあ?

「1人でか?」

「いえ、いつものメンバーと」

1人じゃないなら、まだましか。

「呼び出したのは誰だ?」

「分からないらしいです。ただ、空手部1年が動いてるとしか」

「風紀はどうした」

「出し抜かれたとかじゃないですか?・・・俺に聞かれても」

「ああ、悪かったな。もう行っていい。騒ぐなよ?」

「はい、失礼します」


廊下を歩きながら、耳を澄ます。

「(俺の湖箔ちゃんに、手を出そうとは、許すまじ)」

「「「「「お前のじゃない」」」」」

「(体育館見張ってれば、誰が呼び出したか判るんじゃない?)」

「(馬~鹿。近寄れるわけないだろ?風紀と空手部1年が見張ってるってよ)」

「(て事は、空手部の誰かではある訳だ)」

「(そゆこと)」

「(お~い、誰か、空手部の知り合い、いない?)」

・・・湖箔の話題で持ち切りだな。

空手部ね・・・

告白が成功するとは思えないが、いい気分じゃないのは確かだ。




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