シャム猫

大器晩成らしい

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「じゃあ、着替えてから、食堂に行くね」

「分かった。30分位したら、下におりる」

「うん」

部屋を出て、エレベーターが上がって来るのを待つ。

「さようなら」

「はい、さようなら」

扉が開き、見た事のある先生が降りてきたから、とりあえず会釈して挨拶だけ。

扉が閉まらないよう、押さえてくれていたジョエルが、わざとその先生に聞こえるよう、次の予定の話をしだした。

「じゃっ、次は水曜に。今日はありがとな」

「いいえ、こちらこそ。また明後日きます。失礼します」

他人行儀な会話に、内心笑いながらもお辞儀をして、エレベーターに乗り込み、1階のボタンと、閉めるボタンを押した。


1階に到着し、降りると、部活帰りのバスケ部とかち合った。

疾風とかと見学に行ったから、見た事はあるけど、あまり会話をしていないから、話しかけられると緊張する。

見回したけど、残念ながら、疾風はいないようだ。

これからかな?

1年だし、片付けとかあるだろうし・・・

「湖箔ちゃん。5階行ってたの?」

「はい」

「何?バイト?」

「はい」

「「「「「何っ!!どの先生に、買われたんだ?!」」」」」

「ちょっ、言い方!人聞きが悪いから止めて下さい。ちょっとした手伝いしかしてません。しかも、月水金に各30分だけの、短時間バイトです。」

「何か欲しい物でもあるの?」

「俺が買ってやろうか?物でもいいし、湖箔ちゃん自身でも可」

「「「「「(ふざけんな、俺も買いたいわ!湖箔ちゃんなら!!)」」」」」

「(買ってやろうって・・金持ちめ)特にこれっていう物は無いので結構です。ちなみに、おれ自身も不可です。」

「じゃあ、何の為にバイトしてるの?」

「そうですね・・・友達の誕生日プレゼントとか、今回みたいに、遠出した時のお土産を買ったりとか、そういうのは、親のお金じゃなくて、自分で稼いだお金でしたいからですかね。とりあえず、自由に使えるお金が欲しかったからって理由です」

「「「「「(偉い!)」」」」」

「そうか、頑張れ」

「はい、ありがとうございます」

話しが一段落ついた感じか?

なら、そろそろ着替えてこないと、ジョエルと食事の時間が合わなくなっちゃうかもしれない。

もう、行っていいかな?





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