シャム猫

大器晩成らしい

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皇紀の場合6

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「まだ、何の情報も上がらないのか?」

やはり、夏休みまで待つしかないのか?

あんな目立つ容姿なんだから、仲間に探させれば、そんなにかからずに見つかるだろうと高をくくっていたが、ここまで何の情報も得られないと、流石に焦りがでてくる。

近隣には、いない。

他県に出てしまったとしか考えられない。

まさか、海外じゃないよな?

「そう言えば、そっくりなのを見かけたっていうメール、来てませんでした?」

あ~、あったな、そんなの。

「確か・・・」

一応、消さないで残していた筈。

スマホをスクロールして、該当のメールを探す。

《○×海浜公園の方のオルゴール博物館で、湖箔君のそっくりさん発見!!色違いのたぶん女の子。名前は白雪でイケメン外人彼氏付き。写真入手不可。》

・・・これを読んだ時、湖箔である筈がないと思った。

彼氏付きの時点で、違うと判断した。

あれは、ノーマルだからな。

言ってて悲しくなるが、俺が無理やり拘束していたにすぎない。

従順に見せかけて、逃げる算段を整え、まんまと実行し、こうして成功させている。

身体から落とそうと、紳士的?とは言い難いとは思うが、丁寧に少しづつ慣れさせ、快感だけを覚え込ませようとした。

中毒のように、俺との行為を欲しがるようにしようと・・・

失敗した。

先に、全てを手に入れておけばよかった。

身体を小刻みに震わせ、目を潤ませているのを見て、全部を奪うのは、もう少し待った方が良いと、あの時、判断してしまった。


この白雪って娘が、万が一湖箔だった場合。

悔しすぎる。

イケメン外人彼氏付きって、何だ?

ふざけんなって言いたい。

おいしい所を掻っ攫われ、最悪な気分でしかない。


涼が、俺の手元を覗き込み、

「シャム猫のそっくりさんって・・・そうそういますかね?このメールを送って来た奴呼び出して、詳細を確認した方が良いのでは?」

・・・確かにな。

湖箔ほどの美人、見た事がなかった。

女の子の前にたぶんが付いて曖昧だし、現時点で、他に何の手がかりもないのだから、話を訊くだけでも、しておいてもいいかもな。






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