シャム猫

大器晩成らしい

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「うっ・・つぅ・・・ん?ここどこだ?・・・知らない天井だ」

テンプレ言ってる場合じゃないな。

確か・・保健室で桃のゼリーを食べさせてもらって、お薬飲んで・・・

眠ったか?

その後の記憶がない。

俺の部屋じゃないし・・・

えっ、まじ、誰の部屋?

全然見覚えが無い。

モノトーンで纏められていて、お洒落だなおい。

体を起こし、ふとサイドテーブルの上に目が行った。

あれっ?このグランドピアノの置物。

そっと持ち上げて、裏を見ると曲名のシールが貼られている。

俺のとおそろいのオルゴールだ。

じゃあ、ジョエルの部屋か?

ぐるっと周囲を見回すと、背後の壁に、体験学習で作ったコルクボードがかけられていた。

この部屋の中で、ミスマッチ・・・

写真はまだ何も貼られてなかったけど、プッシュピンが刺してあって、そこに、俺があげた、かわうそのストラップが引っ掛けてあった。

ピンポンピンポン♪

ジョエルの部屋で正解。

う~ん、でも、何でここにいるんだろ?

喉渇いたな・・水でも貰って来るか

ベッドから下りて、立ち上がろうとして、またくらっとして、ベッドに逆戻り。

ボフッ

ふかふか、でもって、良い香り・・・

何の柔軟剤、使ってるのかな?

カチャ

スンスン匂いを嗅いでると、ドアノブを回す音がしたから、そっちを見ると、ジョエルが、ペットボトルと食堂のトレーを持って部屋へ入ってきた。

「具合はどう?少しは良くなってる?」

そう訊きながら、手に持っているものを、ベッドの上に置き、その隣に腰掛けた。

そして、俺の方へと手を伸ばし、頬や首筋に触れてきた。

「っんっ・・」

ジョエルの手が、ひんやりとしていて、心地よくて、少し声が出てしまったのが、恥ずかしくて、

「ジョエルの手、冷たくて、気持ちいいね」

だから、ちょっと言い訳?してみたら、

「そう?まだまだ、熱が高いからかな」

そう心配そうに言いながら、優しく頬を撫でられた。


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