194 / 514
疾風の場合4
しおりを挟む
「おっおい」
着替えが終わり、湖箔に声をかけると、一旦立ち上がったが、次の瞬間ふらっとし、机に手をついた。
慌てて支え、もう一度、椅子に座らせた。
「自分で歩けなそうか?」
「んっ、ちょっとふらついただけだから大丈夫」
いやっ、大丈夫じゃないだろ。
顔色が悪いし、汗もかき始めている。
「ちょっとごめん」
背中と太ももの下に手を入れ、素早く抱き上げた。
!!
・・・思っていたより軽い。
「「「「「(!!何だと!!)」」」」」
「えっ、ちょっ、自分で歩くよ」
「「「「「(ほんのり頬染め、カワユス)」」」」」
「遠慮するな」
「遠慮とかじゃなくて、恥ずかしいって」
だろうな。
お姫様だっこだし。
「大丈夫、誰も気にしないって」
「「「「「(上手い事やりやがって!!)」」」」」
「橘!保健委員だから俺が連れてくよ」
「「「「「(OH~勇者が現れた)」」」」」
「いや、いい、このまま俺と森羅で付き添うから、体育の先生に伝えといて、遅れるかもって」
「いやいや、そんな訳にはいかないよ。俺の仕事だから」
「「「「「(お前、いつからそんな真面目君になった)」」」」」
「じゃあ、他の奴に伝言頼んで、付いて来ればいい。早く横にさせてやりたいから、先に行ってる」
「え~、本村、悪い。先生に言っといて」
「俺、歩きたい(ボソッ)」
「何?早く連れてって欲しいって?よし、分かった。任せろ」
「ハァ~。言ってない」
身体が熱い。
「森羅、急ぐぞ」
「ああ」
・・・
「チッ、保健室、閉まってるな」
張り紙に、ご用命のある方は、職員室までと書いてある。
「学会かよ・・ちょっと職員室行って、先生を捕まえてくる。ここで待ってて」
一応、保健委員が(勝手にだが)付いてきて、正解だったようだ。
「頼む」
「疾風、一回おろして、重いだろ?」
「いや、大丈夫」
「疾風、俺が少しの間、代わる」
「・・・・・・じゃあ」
珍しい。
森羅から、何かしようとか、何かしたいとか、初めて・・だよな?
森羅が差し出した腕の上に、湖箔を移すと、大事そうに抱え込んだ。
?!
「ねぇ、そろそろ俺の意見、聴いてくれない」
湖箔が往生際悪く、ぶつぶつ言ってるが、とりあえず聞き流した。
着替えが終わり、湖箔に声をかけると、一旦立ち上がったが、次の瞬間ふらっとし、机に手をついた。
慌てて支え、もう一度、椅子に座らせた。
「自分で歩けなそうか?」
「んっ、ちょっとふらついただけだから大丈夫」
いやっ、大丈夫じゃないだろ。
顔色が悪いし、汗もかき始めている。
「ちょっとごめん」
背中と太ももの下に手を入れ、素早く抱き上げた。
!!
・・・思っていたより軽い。
「「「「「(!!何だと!!)」」」」」
「えっ、ちょっ、自分で歩くよ」
「「「「「(ほんのり頬染め、カワユス)」」」」」
「遠慮するな」
「遠慮とかじゃなくて、恥ずかしいって」
だろうな。
お姫様だっこだし。
「大丈夫、誰も気にしないって」
「「「「「(上手い事やりやがって!!)」」」」」
「橘!保健委員だから俺が連れてくよ」
「「「「「(OH~勇者が現れた)」」」」」
「いや、いい、このまま俺と森羅で付き添うから、体育の先生に伝えといて、遅れるかもって」
「いやいや、そんな訳にはいかないよ。俺の仕事だから」
「「「「「(お前、いつからそんな真面目君になった)」」」」」
「じゃあ、他の奴に伝言頼んで、付いて来ればいい。早く横にさせてやりたいから、先に行ってる」
「え~、本村、悪い。先生に言っといて」
「俺、歩きたい(ボソッ)」
「何?早く連れてって欲しいって?よし、分かった。任せろ」
「ハァ~。言ってない」
身体が熱い。
「森羅、急ぐぞ」
「ああ」
・・・
「チッ、保健室、閉まってるな」
張り紙に、ご用命のある方は、職員室までと書いてある。
「学会かよ・・ちょっと職員室行って、先生を捕まえてくる。ここで待ってて」
一応、保健委員が(勝手にだが)付いてきて、正解だったようだ。
「頼む」
「疾風、一回おろして、重いだろ?」
「いや、大丈夫」
「疾風、俺が少しの間、代わる」
「・・・・・・じゃあ」
珍しい。
森羅から、何かしようとか、何かしたいとか、初めて・・だよな?
森羅が差し出した腕の上に、湖箔を移すと、大事そうに抱え込んだ。
?!
「ねぇ、そろそろ俺の意見、聴いてくれない」
湖箔が往生際悪く、ぶつぶつ言ってるが、とりあえず聞き流した。
0
お気に入りに追加
338
あなたにおすすめの小説
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
からっぽを満たせ
ゆきうさぎ
BL
両親を失ってから、叔父に引き取られていた柳要は、邪魔者として虐げられていた。
そんな要は大学に入るタイミングを機に叔父の家から出て一人暮らしを始めることで虐げられる日々から逃れることに成功する。
しかし、長く叔父一族から非人間的扱いを受けていたことで感情や感覚が鈍り、ただただ、生きるだけの日々を送る要……。
そんな時、バイト先のオーナーの友人、風間幸久に出会いーー
おねしょ癖のせいで恋人のお泊まりを避け続けて不信感持たれて喧嘩しちゃう話
こじらせた処女
BL
網谷凛(あみやりん)には付き合って半年の恋人がいるにもかかわらず、一度もお泊まりをしたことがない。それは彼自身の悩み、おねしょをしてしまうことだった。
ある日の会社帰り、急な大雨で網谷の乗る電車が止まり、帰れなくなってしまう。どうしようかと悩んでいたところに、彼氏である市川由希(いちかわゆき)に鉢合わせる。泊まって行くことを強く勧められてしまい…?
淫乱エリートは今日も男たちに愛される
おさかな
BL
【全編エロあり】通勤電車でも社内でも取引先でも、いつでもアナル受け入れ準備万端!爽やか系イケメンエリートは男達へのご奉仕も優秀です!
+++
完結済み DLsiteにておまけつき電子版販売中
普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。
かーにゅ
BL
「君は死にました」
「…はい?」
「死にました。テンプレのトラックばーんで死にました」
「…てんぷれ」
「てことで転生させます」
「どこも『てことで』じゃないと思います。…誰ですか」
BLは軽い…と思います。というかあんまりわかんないので年齢制限のどこまで攻めるか…。
【R18】奴隷に堕ちた騎士
蒼い月
BL
気持ちはR25くらい。妖精族の騎士の美青年が①野盗に捕らえられて調教され②闇オークションにかけられて輪姦され③落札したご主人様に毎日めちゃくちゃに犯され④奴隷品評会で他の奴隷たちの特殊プレイを尻目に乱交し⑤縁あって一緒に自由の身になった両性具有の奴隷少年とよしよし百合セックスをしながらそっと暮らす話。9割は愛のないスケベですが、1割は救済用ラブ。サブヒロインは主人公とくっ付くまで大分可哀想な感じなので、地雷の気配を感じた方は読み飛ばしてください。
※主人公は9割突っ込まれてアンアン言わされる側ですが、終盤1割は突っ込む側なので、攻守逆転が苦手な方はご注意ください。
誤字報告は近況ボードにお願いします。無理やり何となくハピエンですが、不幸な方が抜けたり萌えたりする方は3章くらいまでをおススメします。
※無事に完結しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる