シャム猫

大器晩成らしい

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「そういえば、お昼はこれからか?」

「うん」

「市販のソースで悪いけど、パスタなら簡単にできるぞ」

「えっ、いいの?何味があるの?」

「カルボナーラ・ミートソース・ペペロンチーノ・辛子明太子ってとこかな」

「う~ん、じゃあ辛子明太子で」

「OK」

「なんで、こんなにソース、揃えてるの?」

「休みの朝とか、寝過ごして食堂で食べられない時なんか、あると便利だぞ。麺を茹でて、絡めるだけだしな」

「確かに、簡単そう。でも、今のところ、ちゃんと起きられてるんだよね。だから、食いっぱぐれ無し」

「まぁ、寝坊したら、来な。作ってやるよ。」

「ありがと。あまり無いとは思うけど、その時はお願いね」

お湯を沸かして紅茶とかを飲んだりする為の、ポットやカップ、ソーサーとかは置いてあるけど、さすがに、自炊する道具までは揃えていない。

食堂があるんだから、普通、そっちで食べるよね。

「おう」

大輝は、パスタを茹でる用の深さのある鍋に、水を張ってガスにかけ、沸騰すると、塩をいれ、パスタを軽く捻り、鍋に入れた。

鍋の中にパスタが綺麗に広がる。

手馴れてる。

しょっちゅう作っているとみた。

タイマーをセットし、時々、かき回しながら、フライパンや皿、フォークを用意していく。

麺が茹で上がると、ざるに上げ、オリーブオイルを回しいれ、熱したフライパンに移し、ソースを手早く、絡めていった。

皿に盛り付け、最後に刻み海苔を散らして完成。

「そっち持ってって」

「了解」

ローテーブルの方に皿を持って移動している間に、使った鍋やフライパンを洗っているみたいだ。

「先食べてていいぞ」

「ん~ん、待ってる。そんな時間かかんないでしょ?」


その後、大輝とパスタを食べながら、DVDを見、夕食間際まで、ゆったりと過ごした。


・・・あれだ、従兄弟のお兄ちゃんといる感じ、然程遠慮する事も無く、気軽に話せて、頼れる存在。

そんな風な感じ、只々、居心地のいい関係と場所ができ、嬉しかった。
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