シャム猫

大器晩成らしい

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「ズボンが冷たい」

「靴の中、濡れてて気持ち悪い」

・・・でしょうね。

蕎麦屋の前で、皆が揃うのを待っている間、先輩達が騒がしい。

「良かったな、濡れなくて」

「本当にね。ありがとうね、二人共」

「どう致しまして」

「貸し一ね」

「了解」


全員が揃ってから、店の中に入る。

席に着くと部長に、注文を聞いて、数を数えてきてって名簿を渡された。

「何で、また俺?」

「おばちゃんや、俺に注文を聞かれるより、白雪に聞かれたほうが嬉しいから。なぁ皆?」

「「「「「その通り、異議なし」」」」」

異議あり、止めてくれ、店のおばちゃんの顔を見てくれ。


ハァ、部長命令だから、ごねても仕方ないか。

「注文何にしますか?番号で教えてください」

「俺5番の鴨そば」

「俺も」

「俺2番の海老天付きざるそば」

「俺は1番の掻き揚げ付きざるそばね」

「・・・森先輩と重永君は5番で、赤木先輩が2番、佐々木君が1番で宜しいですね」

「「「「宜しいで~す」」」」

全部のテーブルを回り、それぞれの番号毎に数を集計し、店のおばちゃんに数を伝えた。

「1番、掻き揚げ付きざるそばが出来ました。取りに来てください」

それぞれ頼んだ物が出来次第、自分で名簿にチェックを入れてから、持って行って貰った。

紫艶は、鴨そば。

ジョエルは、蕎麦が苦手との事で、季節の彩り天ぷら丼を頼み、俺は、海老天付きざるそばにした。

天ぷらが、揚げたてさくさくで、とてもおいしい。

紫艶が味見したいっていったから、一口分、箸で切って食べさせてあげた。

「この海老もおいしいな。これも食べてみるか?」

「うん、食べてみたい。一口頂戴」

「ほら」

「あ~ん、ムグムグ、ありがとう。これもおいしいね」

鴨肉初挑戦だったけど、思っていたよりやわらかく、脂がのってておいしかった。
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