シャム猫

大器晩成らしい

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通学に向かう方向じゃないからか、時間が早いからか、中は空いていた。

皆、座る事が出来たようで良かった。

ちょっと遠いから、立ちっ放しだと目的地に着く前に、疲れちゃうからね。

紫艶は、○×漁港近くの駅に着くまで、眠る事にしたみたい。

俺は時々、流れてゆく景色を見たり、スマホを弄って、時間つぶし。

紫艶・俺・ジョエルと座ったからか、いつもより多くの視線が集まっているのを感じる。

紫艶も、ジョエルもかっこいいからね。

俺には、男達から、いつも通りの熱のこもった気持ち悪い視線と、何故か女達からの、嫉妬まじりのキツイ視線が浴びせられている。

いつもより身の危険、増し増しな感じ。

紫艶から、離れません。

絶対に。

決意を新たに、目を合わせないよう、手元のスマホを操作した。


何事もなく、目的地に着くと思っていたけど、途中、勝手に写真を撮られていたのを、先輩達が気付いて、強制削除させていた。

「盗撮とはいい度胸じゃねぇ。俺もやった事ねぇのに、警察突き出すぞ ごらぁ」

「俺も欲しいのを我慢しているのに、本人の了承もなく手に入れてるんじゃないぞ おらぁ」

「男の写真をこっそり撮るなんて、ホモですか?ゲイですか?バイですか?何に使うつもりですか?」

でかい声で、微妙におかしい事を言っていた。

ありがとう、先輩達。

たぶん、悪気はないんですよね。

でも・・・知らない人の振りをしていいですか?

めっちゃ恥ずかしい。


それにしても、先輩が男の写真って言った時に、周りの人達が、俺の事 凝視してきたんだけど、何?

何か文句ある訳?

女装も、紛らわしい格好もしてないと思うんだけど(怒)
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