シャム猫

大器晩成らしい

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紫艶の場合3

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俺達3人は、美和に呼び出されて寮管室に来た。

用件は湖箔の事だという。

肝心の湖箔がいないが、聞いてしまっていいのだろうか?

森羅がそこを指摘すると、了承を得ていると返された。

「今度、部活の合宿があるだろ?俺は、それの相談を湖箔から受けた」

「合宿?何か問題あるか?」

「湖箔が今まで隠していた事に関係している。そして、今後も大多数には知られたくないと思っている。だが、合宿や校外学習、修学旅行に参加すると、それは、難しい。誰かのフォローがないとな」

俺達にそれを頼みたいという事か・・・

尚更、何で本人がいない?

「本人は、最初、他の誰にも秘密を知らせる気はなかった。合宿自体、参加しないで済む方法はないか、相談してきたからね。仮病が使えないかってね。でも、それは不可能だ。今後の事を踏まえてもね。それで、いろいろと考えた結果、湖箔が信頼できる奴に、協力を頼もうと提案した。でっ、それがお前達って事。湖箔は渋っていた。ここに来るまでに、そうなるだけの、そうしないと駄目だと思うだけの事があったのだと思う。教えて貰ったのは、その中の一部だとは思うが、それだけでも、納得ができるものだった。だから、自分から教えなかったからと言って責めないでやって欲しい。さっきも言ったが、俺も、偶々知ってしまっただけで、担任だから、信頼されたからって理由で、教えられた訳じゃない。湖箔は後から呼ぶ事なっている。どう切り出したらいいか、分からないようだったし、俺も誤解されないよう、ある程度、先に説明をしておいてやりたかった。それに、お前達に聞きたい事もあったしね。ここまで、いいか?」

「ああ」

他の二人も複雑そうな顔で頷いている。

俺達が信頼されているという事は、嬉しいが、正直、本人の意思で知らせて欲しかったと、ほんの少し、思わない事もない。

でも、そんなにまで知られたくない秘密とはなんなのだろう。

《実は女でした》とか?(笑)

いや、ありえそうでないな。

いくらなんでも、男子校に女子は入れないだろう。

伯父さんも許可しない。

よな?
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