シャム猫

２８

「山城　湖箔ね　映画観賞部へようこそ　俺はこの部の顧問で名前はジョエル　担当教科は数学　残念ながら１年は受け持ってないんだよね　まぁ気軽にジョエルって呼んでね」

見た目は完全英会話講師

なのに数学担当だって

何故に　英語じゃない?

それにしても　随分　顔もスタイルもいい

金茶髪　琥珀色の眼

外人モデルやった方が先生やってるより儲かりそうなんだけど

・・・うっ　羨ましくなんかないやぃ


「「明日から宜しくお願いします」」

紫艶と一緒に挨拶をしてから　皆で部室を後にした

「ねぇ　ジョエルって今まで部室にいた？」

「・・・いたよ」

「全然　気づかなかったよ」

「映画を上映してたから　薄暗くしてあったけど　後ろの方の端にいたの目立ってたぞ」

「よく　気付いたね」

「でかかったから　目がいった」

「皆　気付いてたんだ　凄いね」

「俺達ここに入らないから　全体的に見てたんだよ」

「紫艶は？」

「俺？俺は見た事ある映画だったから　どんな奴が居るんだろうと思って　周りを見てた」

「ふ～ん　俺全然見てない・・・まぁ　どっちみち　全員知らない人だけどね」

「明日　自己紹介ぐらいしてくれるだろ」

「スマホで録画しとくかな　一回じゃ　顔も名前も憶えられなそう」

「撮ったら　俺にも見せて」

「うん　いいよ」


ギリギリだったけど　部活が決まってよかった

何も用意しなくてもいいから　楽だよね

他の部みたいに　俺にずっと付きまとってこないし　いい部活に入れたかな

あっ　電子辞書くらいは持って行った方がいいか？


部室を出て　しばらく発ってから　映画観賞部で歓声が湧き起こっていたのを　湖箔は知らない