11 / 514
教訓
しおりを挟む
すっと近づいて来た車の後部座席に、無理やりに近い形で、引き摺り込んだ。
ラルファーレンへ行く時に一緒に付いて来た涼が、助手席に乗り込むと同時に、車を集会場へと移動させた。
「・・・・・・」
ずっと黙って窓の外を見て、こっちを見やしない。
また、キスされたいのか?
勝手に解釈して、襲うぞ?
入り口の近くに車が止まると、車から涼が先に降り、外から俺の方の扉を開ける。
後部座席は、中から開かないようにしてある。
車が止まった途端、ドアを開けて逃げられている。
前前回の教訓からだ。
俺は、掴んだ腕を軽く引っ張って、車から降りるのを促がす。
とても嫌そうな顔を、隠しもせず、渋々降りてきた。
今日は、絶対に逃がさない。
今まで、隙をついては、幾度となく逃げられて来た。
この日の為に用意していた手錠を、部屋から持ってこさせ、俺の左手首と、彼の右手首を繋いだ。
鍵は涼に預け、一定の距離に近寄らせないようにした。
俺が持っていたら、すられる可能性があるからな。
これも経験済みだ。
甘えながら擦り寄ってきたと思ったら、いつの間にか、鍵をポケットから抜き取られ、機を見て鍵を外し、ちょこまかと上手く逃げられ、最後には2階の窓から飛び降り、器用に着地を決め、走り去られた。
俺の心は、傷ついた。
鼻の下を伸ばしたのが、敗因だ。
あんな方法で油断させられるとは。
そして、あの時の涼の大きな溜息と、冷ややかな眼といったら・・・
俺の方こそ、溜息を吐きたい気分だった。
この建物は今、全部の窓の鍵を3重ロックにしてある。
普通の施錠の他に、上下に錠をつけた。
直ぐには窓を開けられないようにな。
前回の教訓からだ。
同じ過ちは繰り返さない、絶対だ。
ラルファーレンへ行く時に一緒に付いて来た涼が、助手席に乗り込むと同時に、車を集会場へと移動させた。
「・・・・・・」
ずっと黙って窓の外を見て、こっちを見やしない。
また、キスされたいのか?
勝手に解釈して、襲うぞ?
入り口の近くに車が止まると、車から涼が先に降り、外から俺の方の扉を開ける。
後部座席は、中から開かないようにしてある。
車が止まった途端、ドアを開けて逃げられている。
前前回の教訓からだ。
俺は、掴んだ腕を軽く引っ張って、車から降りるのを促がす。
とても嫌そうな顔を、隠しもせず、渋々降りてきた。
今日は、絶対に逃がさない。
今まで、隙をついては、幾度となく逃げられて来た。
この日の為に用意していた手錠を、部屋から持ってこさせ、俺の左手首と、彼の右手首を繋いだ。
鍵は涼に預け、一定の距離に近寄らせないようにした。
俺が持っていたら、すられる可能性があるからな。
これも経験済みだ。
甘えながら擦り寄ってきたと思ったら、いつの間にか、鍵をポケットから抜き取られ、機を見て鍵を外し、ちょこまかと上手く逃げられ、最後には2階の窓から飛び降り、器用に着地を決め、走り去られた。
俺の心は、傷ついた。
鼻の下を伸ばしたのが、敗因だ。
あんな方法で油断させられるとは。
そして、あの時の涼の大きな溜息と、冷ややかな眼といったら・・・
俺の方こそ、溜息を吐きたい気分だった。
この建物は今、全部の窓の鍵を3重ロックにしてある。
普通の施錠の他に、上下に錠をつけた。
直ぐには窓を開けられないようにな。
前回の教訓からだ。
同じ過ちは繰り返さない、絶対だ。
1
お気に入りに追加
338
あなたにおすすめの小説
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
からっぽを満たせ
ゆきうさぎ
BL
両親を失ってから、叔父に引き取られていた柳要は、邪魔者として虐げられていた。
そんな要は大学に入るタイミングを機に叔父の家から出て一人暮らしを始めることで虐げられる日々から逃れることに成功する。
しかし、長く叔父一族から非人間的扱いを受けていたことで感情や感覚が鈍り、ただただ、生きるだけの日々を送る要……。
そんな時、バイト先のオーナーの友人、風間幸久に出会いーー
出戻り聖女はもう泣かない
たかせまこと
BL
西の森のとば口に住むジュタは、元聖女。
男だけど元聖女。
一人で静かに暮らしているジュタに、王宮からの使いが告げた。
「王が正室を迎えるので、言祝ぎをお願いしたい」
出戻りアンソロジー参加作品に加筆修正したものです。
ムーンライト・エブリスタにも掲載しています。
表紙絵:CK2さま
おねしょ癖のせいで恋人のお泊まりを避け続けて不信感持たれて喧嘩しちゃう話
こじらせた処女
BL
網谷凛(あみやりん)には付き合って半年の恋人がいるにもかかわらず、一度もお泊まりをしたことがない。それは彼自身の悩み、おねしょをしてしまうことだった。
ある日の会社帰り、急な大雨で網谷の乗る電車が止まり、帰れなくなってしまう。どうしようかと悩んでいたところに、彼氏である市川由希(いちかわゆき)に鉢合わせる。泊まって行くことを強く勧められてしまい…?
淫乱エリートは今日も男たちに愛される
おさかな
BL
【全編エロあり】通勤電車でも社内でも取引先でも、いつでもアナル受け入れ準備万端!爽やか系イケメンエリートは男達へのご奉仕も優秀です!
+++
完結済み DLsiteにておまけつき電子版販売中
【R18】奴隷に堕ちた騎士
蒼い月
BL
気持ちはR25くらい。妖精族の騎士の美青年が①野盗に捕らえられて調教され②闇オークションにかけられて輪姦され③落札したご主人様に毎日めちゃくちゃに犯され④奴隷品評会で他の奴隷たちの特殊プレイを尻目に乱交し⑤縁あって一緒に自由の身になった両性具有の奴隷少年とよしよし百合セックスをしながらそっと暮らす話。9割は愛のないスケベですが、1割は救済用ラブ。サブヒロインは主人公とくっ付くまで大分可哀想な感じなので、地雷の気配を感じた方は読み飛ばしてください。
※主人公は9割突っ込まれてアンアン言わされる側ですが、終盤1割は突っ込む側なので、攻守逆転が苦手な方はご注意ください。
誤字報告は近況ボードにお願いします。無理やり何となくハピエンですが、不幸な方が抜けたり萌えたりする方は3章くらいまでをおススメします。
※無事に完結しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる