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「じゃあ、翼君達は、この世界の事、捕まってる場所、何で、僕達は、キャンプ場で殺されず、誘拐してまで生かされているのかとか、何一つ知らされていないって事であってる?」

「そういう事になる。・・・涼君は、それらの事を知ってるの?」

「僕は、山に逃げ込んだ後、ひたすら走って、いつの間にか、世界の境界線を越えて、サージハルト王国のオリュンポス山に、迷い込んでいたんだ。そこで、騎士達に獣達から救って貰ったんだけど、キャンプ場の人達も助けて貰おうと思って、元の世界に戻ろうとしたんだけど、境界線は消えていて、戻る事ができなくなっていたんだ」

「騎士?」

「そう、僕、彼らを初めて見た時、コスプレ外国人集団が、山中で戦ごっこでもしているのかと思ったんだよね。何か、あり得そうでしょ?国名とか聴いても、そういう設定なのかなって思っていたし。でも、持っていた剣が本物だったりで、コスプレじゃないなって」

「ねぇ、気になったんだけど、国名を聴いたって、言葉は通じるの?」

コクンッ

「何でだかは知らないけれど、普通に、日本語に聞こえる。それに、僕の言葉も、相手にちゃんと伝わってるよ。だから、翼君達が、そういう状態だとは、思いもしなかった」


「俺達を攫った獣、いるじゃん?知ってる事を教えて貰っていい?」

「もちろん、あの獣、ダークウルフって言うんだけど、攫ってきた君達を殺す事は、絶対にないから、そこだけは安心して。じゃあ、何故殺さないのか?それは、僕も含め、君達が、適合者だから。で、適合者っていうのは、同族同士でしか子が成せない中、多種族との間に、子を成せる。適合者が男だったら、性別も関係ない。相手を孕ませる事も、自分が孕む事もできる。適合者からは、花の様な、果物の様な甘い香りがするんだって。一人一人違うらしいよ。残念ながら、僕には判らないけどね」





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