異世界への迷い人？

２０９

ソファーに深く腰掛けて、目を瞑る。

魔力を出して～、薄～～く延ばして、ニジェールさんを思い浮かべる・・・

よしっ、こっちか。

魔力が引かれる方向が、一方向に固定されている。

この感じだと、僕みたいに、イスやソファーに腰を掛けてるとか、ベッドに入って寝てるって事だよね。

引かれるのを待つって、もどかしいよね？

引かれる方向が変わらないのなら、引かれるのを待つのではなく、積極的に、自分から延ばしてみたら、どうなるのかな？

ん～、・・・試してみるかな。

ニジェールさんの所に、魔力が届けば、感覚で分かるだろうから、通り過ぎるって事もないだろうしね。

・
・
・

よしっ、着いた。

自然に引っ張られるより、断然早く、着けたんじゃない？


次はっと、眠るんだよね。

さあ、寝るぞぉ。

・・・・・・・・・・意気込んだのはいいけど、眠れない。

今、１３時ちょっと過ぎ。

いや、半にはなったか？

普通に考えて、眠るには、早すぎだよね？

全然、眠れそうにない。

そりゃそうだよ、昨日まで寝たきり生活。

十分過ぎるほど、寝てるからね。

できれば、睡眠の魔法を、かけて貰いたい。

状態異常を無効化するから、無理だろうけど。

・・・・・・羊を数えてみる？

羊が１匹、羊が２匹・・・・・・・羊が５６２９匹、羊が５６３０匹、

駄目だこりゃ。

「すみません。ニジェールさんの所まで、魔力は届いたのですけど、全然眠れませんでした」

ユーコンさんに、正直に話した。

「残念ですが、仕方ないですね。明日、再チャレンジしましょう。今夜は、夜更かしして頂いて、ナイルで試しましょう」

「はい。（丁度いい。侍女さん達へのプレゼント作りでもして、時間を潰そう）・・・あっ、そうだ。あの、ナイルさんに、〝明日、１３時頃、夢を渡らせてもらいます〟って、伝えておいてもいいですか？」

「そうですね。その時間帯に、寝ていて貰いたいので、いいですよ」

「ありがとうございます。後で伝えておきます」

「今でもいいですよ？忘れない内にどうぞ」

「すみません。では、伝えてきます」