63 / 242
63
しおりを挟む
リョウのテントを移動し、夕食を摂ったが、リョウの両脇はナイルとニジェールがガッチリと固めていた。
「少し、話し、いいか?」
「はい」
俺が真剣な顔をしているからか、ニジェールがすっと横にずれてくれた。
リョウに飲み物を渡しながら、隣に座り、目を見ると、何を言われるか察したのか、目が次第に潤んで・・・
あ~、言いたくねぇ。
「境界線の、話ですか?」
俺が言い淀んで、なかなか切り出せずにいると、リョウから聞いてきた。
「すーは~。・・・そうだ。まだ、見つけられていない。すまない」
「いえ、謝らないで下さい。境界線が消えたのは、誰のせいでもないですし、目に見えないものを捜せというのも、無茶な話だと思います。それなのに、隊員の皆さんは、真剣に捜してくれて・・・申し訳ないという気持ちと、感謝しかありません。すみません。ありがとうございます」
「境界線については、もともと調べようと思っていたから、申し訳ないと思う必要はないな。でも、頑張りに対して、ありがとうと言われるのは、嬉しいものだな。ありがとう」
クスッ
涙を浮かべながらも、笑ってくれた。
「ちなみに、頬に口付けて、感謝の意を表してもいいぞ」
「捜しに行ったのは、総隊長じゃないからしなくていい」
「リョウ、そこは危ないから、こっちに」
失礼じゃないか?
クスクスッ
「笑わせる為に冗談を言ってくれたんですよね?だから、危なくないと思います」
いや、冗談じゃないのだが・・・
「もちろんだ」
と言っておこう。
「「(本気でしたよね)」」
「(いや、俺は紳士だからな)」
「「(紳士?)」」
「(何か文句でも?)」
「「(いいえ、何も)」」
「リョウ、明日の昼までここにいて、霧が発生するか確認をする。出れば、救出に向かう。出なければ、いったん第3が待機してる場所に戻る。それでいいか」
「はい、お願いします」
眉がヘニョンと垂れてしまった。
そんな悲しそうな顔をしないで欲しい。
「もし待機場所に戻っても、それでお仕舞いじゃない。第4と魔術師と合流し情報交換をした後、調査の為に、またここに戻ってくる。だから心配するな」
「はい」
頭をそっと撫でようとして、そっと手を下ろした。
先に撫でている奴がいたからな。
ナイルめ~
そこは、俺が慰めるところだろ!!
「少し、話し、いいか?」
「はい」
俺が真剣な顔をしているからか、ニジェールがすっと横にずれてくれた。
リョウに飲み物を渡しながら、隣に座り、目を見ると、何を言われるか察したのか、目が次第に潤んで・・・
あ~、言いたくねぇ。
「境界線の、話ですか?」
俺が言い淀んで、なかなか切り出せずにいると、リョウから聞いてきた。
「すーは~。・・・そうだ。まだ、見つけられていない。すまない」
「いえ、謝らないで下さい。境界線が消えたのは、誰のせいでもないですし、目に見えないものを捜せというのも、無茶な話だと思います。それなのに、隊員の皆さんは、真剣に捜してくれて・・・申し訳ないという気持ちと、感謝しかありません。すみません。ありがとうございます」
「境界線については、もともと調べようと思っていたから、申し訳ないと思う必要はないな。でも、頑張りに対して、ありがとうと言われるのは、嬉しいものだな。ありがとう」
クスッ
涙を浮かべながらも、笑ってくれた。
「ちなみに、頬に口付けて、感謝の意を表してもいいぞ」
「捜しに行ったのは、総隊長じゃないからしなくていい」
「リョウ、そこは危ないから、こっちに」
失礼じゃないか?
クスクスッ
「笑わせる為に冗談を言ってくれたんですよね?だから、危なくないと思います」
いや、冗談じゃないのだが・・・
「もちろんだ」
と言っておこう。
「「(本気でしたよね)」」
「(いや、俺は紳士だからな)」
「「(紳士?)」」
「(何か文句でも?)」
「「(いいえ、何も)」」
「リョウ、明日の昼までここにいて、霧が発生するか確認をする。出れば、救出に向かう。出なければ、いったん第3が待機してる場所に戻る。それでいいか」
「はい、お願いします」
眉がヘニョンと垂れてしまった。
そんな悲しそうな顔をしないで欲しい。
「もし待機場所に戻っても、それでお仕舞いじゃない。第4と魔術師と合流し情報交換をした後、調査の為に、またここに戻ってくる。だから心配するな」
「はい」
頭をそっと撫でようとして、そっと手を下ろした。
先に撫でている奴がいたからな。
ナイルめ~
そこは、俺が慰めるところだろ!!
0
お気に入りに追加
129
あなたにおすすめの小説
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
おじさんが異世界転移してしまった。
明かりの元
ファンタジー
ひょんな事からゲーム異世界に転移してしまったおじさん、はたして、無事に帰還できるのだろうか?
モンスターが蔓延る異世界で、様々な出会いと別れを経験し、おじさんはまた一つ、歳を重ねる。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
悠久の機甲歩兵
竹氏
ファンタジー
文明が崩壊してから800年。文化や技術がリセットされた世界に、その理由を知っている人間は居なくなっていた。 彼はその世界で目覚めた。綻びだらけの太古の文明の記憶と機甲歩兵マキナを操る技術を持って。 文明が崩壊し変わり果てた世界で彼は生きる。今は放浪者として。
※現在毎日更新中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる