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リョウのテントを移動し、夕食を摂ったが、リョウの両脇はナイルとニジェールがガッチリと固めていた。

「少し、話し、いいか?」

「はい」

俺が真剣な顔をしているからか、ニジェールがすっと横にずれてくれた。

リョウに飲み物を渡しながら、隣に座り、目を見ると、何を言われるか察したのか、目が次第に潤んで・・・

あ~、言いたくねぇ。

「境界線の、話ですか?」

俺が言い淀んで、なかなか切り出せずにいると、リョウから聞いてきた。

「すーは~。・・・そうだ。まだ、見つけられていない。すまない」

「いえ、謝らないで下さい。境界線が消えたのは、誰のせいでもないですし、目に見えないものを捜せというのも、無茶な話だと思います。それなのに、隊員の皆さんは、真剣に捜してくれて・・・申し訳ないという気持ちと、感謝しかありません。すみません。ありがとうございます」

「境界線については、もともと調べようと思っていたから、申し訳ないと思う必要はないな。でも、頑張りに対して、ありがとうと言われるのは、嬉しいものだな。ありがとう」

クスッ

涙を浮かべながらも、笑ってくれた。

「ちなみに、頬に口付けて、感謝の意を表してもいいぞ」

「捜しに行ったのは、総隊長じゃないからしなくていい」

「リョウ、そこは危ないから、こっちに」

失礼じゃないか?

クスクスッ

「笑わせる為に冗談を言ってくれたんですよね?だから、危なくないと思います」

いや、冗談じゃないのだが・・・

「もちろんだ」

と言っておこう。

「「(本気でしたよね)」」

「(いや、俺は紳士だからな)」

「「(紳士?)」」

「(何か文句でも?)」

「「(いいえ、何も)」」


「リョウ、明日の昼までここにいて、霧が発生するか確認をする。出れば、救出に向かう。出なければ、いったん第3が待機してる場所に戻る。それでいいか」

「はい、お願いします」

眉がヘニョンと垂れてしまった。

そんな悲しそうな顔をしないで欲しい。

「もし待機場所に戻っても、それでお仕舞いじゃない。第4と魔術師と合流し情報交換をした後、調査の為に、またここに戻ってくる。だから心配するな」

「はい」

頭をそっと撫でようとして、そっと手を下ろした。

先に撫でている奴がいたからな。

ナイルめ~

そこは、俺が慰めるところだろ!!






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