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「(リョウは起きたか?)」

「(いえ、まだ。でもそろそろ、起こしますか?)」

「(そうだな。1回に食べる量が少ないのだから、食事を抜くのは良くない)」

「(では、起こしたら行きますので、先行ってて下さい)」

「いやいやいや、今起こせばいいだろ?」

「・・・((寝起きの可愛い顔は、俺一人が堪能したい。総隊長には見せたくない))ぎりぎりまで、寝かせてやりたいので、食事が出来上がる頃に行きます」

「何だその間は、本音は違うだろ?透けて見えてるぞ?・・・よし解かった。今起こさなくていいから、そのまま連れて来い。命令だ!」

「・・・はい」

「ナイル、保護するつもりでいるのは、お前だけじゃない。独り占めは止めろ」

「・・・はい」

「そういう訳だから、俺に寄越せ♪」

「((そうくると思った))寝てる間に入れ変わっていたら驚くと思うので、起きてからにして下さい」

「寝起きの顔を、至近距離で見たいんだ!」

「またの機会にどうぞ((そんな機会、ないと思うけど))」

「クソッ、ずりぃぞ!」

「さぁ、さっさと行きましょう」



肉を焼く良い匂いが漂ってきた。

「リョウ、ご飯の時間だ。起きられるか?」

頭を撫でながら、声をかけた。

「んにゅ・・・」

・・・コクッ

俺の顔を見て、ボ~っとした後、コクッて・・・ヤバイな。

可愛すぎて、KISSしたくなる。

ちょっとだったらいいか?

「はい、ダメ~」

ニジェールの手が、俺とリョウの顔の間に差し込まれた。

あぶなっ、もう少しで、ニジェールの手にKISSするところだった。

「(ナイル、抜け駆けは、いけないよな?)リョウ、目元が赤い」

そう言ってニジェールは、濡れたタオルで、リョウの顔と手を、優しく拭いてやってる。

そういうお前も、ポイントを稼いでるじゃないか。

「(ナイル、そろそろ)」

リョウを抱きかかえようと、総隊長が、手を伸ばしてきた。

が、

「リョウ、自分で座れるか?」

コクッ

「そうか。じゃあ、ここにおいで」

ニジェールは、俺の手から、リョウを奪い取ると、俺との間にそっと下ろし、肉を切り分け始めた。

「リョウ、どうだ?もっと食べられそうか?」

「いいえ、ありがとうございます。このくらいで大丈夫です」

「そうか。じゃあ、食べよう」

「はい、いただきます」



「・・・(お前等、酷くないか?)」

総隊長は伸ばした手を、そっと下ろした。




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