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「第3はここに残り、テントを見張れ。第4と魔術師が来たら、現状説明をし待機。第1と2は、これから直ぐに出る。リョウの足跡を辿る。回りに警戒しながら、先ずは、リョウと出会った場所まで、急ぐぞ」

「「「「「はい!」」」」」


足に強化魔法を施し、飛ぶように木々の間を駆け抜けていく。

もちろん僕は、そんなのに、ついて行ける訳がない。

「すみません、お世話になります」

できる限り自分の足で頑張ると言ったのに、即、頼る事に・・・

ニジェールさんの左腕に座り、首に抱きついた状態。

最初、右手で背中を支えてくれようとしたけど、自分で抱きつくから、支えなくても平気って言って断わった。

だって、右手をあけておかなきゃ、何かあったとき、剣が抜けないでしょ?

周りが守ってくれてるから大丈夫って言われたけど、一応ね。


安定感抜群の座り心地。

僕を抱えているというのに、他の人に遅れることなく走れるなんて、本当に、凄い。

流石、隊長になるだけはある。


ところで、なんで、ニジェールさんに抱っこされる事になったのかって話になるんだけど、それは、食事中の事。


僕は、自分で走る気満々だったんだ。

でも、

「リョウ。できる限り自分の足で、頑張ると言っていたが、昨日会った場所までだが、全速力で走って行く事にした。その方が時間短縮になっていいだろ?だが、リョウの足では、ついて来れないと思う。だからそこまでは、悪いが、抱き上げさせてくれ」

・・・コクンッ

置いていかれても困る。

助けて貰った地点から先は、僕の足跡を辿りながら進むから、進みがゆっくりになるという。

だから、その時は、自分の足でついて行くので、下ろして下さいって、お願いしておいた。

「宜しくお願いしま「「ちょっと待った!」」す?」

「総隊長はダメでしょ?指示を出さなければならないのですから。私が連れて行きます」

「いや、私が抱えて行きます」

「指示出しなんて、抱えててもできる。俺が連れて行く」

「・・・えっと~」

ここはあれか?

僕の為に争わないで!って言うところか?

「分かった、誰が抱えて行くか、リョウに選んで貰おう」

「えっ、僕?」

「「「俺が良いよな?」」」

メッチャ選び辛い。


・・・そうだ、くじを引いてもらおう。

羽根ペンを3本用意して貰って、その中の1本にだけリボンを結び、結んだ部分を手で握り、どれに付いてるか判らないようにしてから、1本ずつ引いてもらった。

「手を離します」

「あ~」

「よしっ」

「チッ」

「では、ニジェールさん、宜しくお願いします」

「ああ、宜しくな♪」

何か嬉しそう。

僕を抱えて走るの、大変じゃない?

なんで、皆、僕の事を抱えたがるんだろ?

不思議。




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