上 下
43 / 242

43

しおりを挟む
「リョウ、リョウ達を襲った連中の中に、二足歩行のダークウルフはいたか?」

「いえ、僕は、見てないです。霧も出ていたし、逃げるので精一杯で、いたかどうか、ちょっと、分かりません」

「そうか」

「ごめんなさい。僕が見た範囲では、いなかったとしか」

「いや、いいんだ。俺達は、ダークウルフの大群が山に入ったって情報を聞いた時点で、上位種が2~3頭、交ざってるのを視野に入れて行動してるから。ただ、上位種を相手にするのは、俺達でも、かなり梃子摺るし、厄介だから、遭遇しないに越したことはないってだけだ。だから、いなかったのなら、リョウの友達が無事でいる可能性が上がるなって思って」

「他のより、強いって事ですか?」

「そうだね。力も素早さも、そして知能も、四足歩行のダークウルフと比べると、上だね」

「あっ、噂をすればってやつだ」

「そうだな。混ざってるな」

・・・全然、聞こえないんですけど。

僕だけ聞こえないって、ボッチ感ハンパないなこれ。


「普通のやつは、かなり、減らせたようですね」

「だが、上位種以外にも、上手くかわしながら、徐々に近づいて来てるのがいるな」

えっ、マジ?

ここまで来ちゃう?

(ガルゥ)

ビクッツ!!

「大丈夫。近づいて来るっていっても、このテントまでは、絶対に、辿り着けないから。この周りは、騎士達が何重にも囲ってるって、言っただろ?隊長達もすぐそこで、守ってくれてるから安心して」

そんなこと言ったって、僕にも聞こえたんだもん。

微かだったけど。

そうだ!

僕も今の内に、武器を出しておこう。

右手にエアガン、左手に催涙スプレー、どうだ。

・・・いいかもしれない。

「(収納リスト、エアガン)」

ちゃんと手の上に出てきた。

まだ安全装置は、外さない方がいいよね?

唸り声が大きく聞こえてきたら、外そう。

「リョウ君、それ、何かな?」

「お兄ちゃんに持たされた武器です。ただ、僕は使った事がないので、威力がどのくらいあるのかは、ちょっと、分からないです。たぶん、倒すのは無理でも、撃退くらいは可能じゃないかと」

熊や猪に使えって言うくらいだもんね。

威力も改造して、上げてあるって言ってたし。

それと、催涙スプレーね。

これも、ポケットから出しておこう。

「リョウ君、それは?」

「これも、お兄ちゃんに持たされました。これは、催涙スプレーといって、目に入ると酷い痛みに見舞われ、涙が止まらなくなるそうです。自分に試したことはないので、どのくらい痛いのかは判りませんけど、ダークウルフに向かってスプレーしたら、大きく飛び退いてくれたので、逃げるのには役立ちました」

震えてるだけじゃダメだよね。

僕も頑張んなきゃ。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
 ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。  それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。  14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。 皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。 この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。 ※Hシーンは終盤しかありません。 ※この話は4部作で予定しています。 【私が欲しいのはこの皇子】 【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】 【放浪の花嫁】 本編は99話迄です。 番外編1話アリ。 ※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

処理中です...