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 温かなクロードの首元に頬を寄せると、シャンプーの香りの奥にパンが焼けた時のような芳ばしい匂いがする。心地の良いシルバーグレーの毛並みに顔を埋めながらクロードの匂いを胸いっぱいに吸ったメイベルはほぅ、と息を吐いた。

 すると、唐突にグンと身体が浮上した。不安定さを覚えたメイベルは慌ててクロードにしがみつく。

「ク、クロードさん……?」
「嫌か?」
「い、嫌なわけでは……」

 目を白黒させるメイベルを抱き上げたクロードは、ベッドに腰掛ける。そのまま横抱きにされたメイベルは、膝の上へと乗せられた。反射的に降りようと身を捩ると、腰を強く引き寄せられてしまった。

「今、俺の匂いを吸っただろう? 俺も吸いたい」
「は、ぇ……??」

 横抱きにされたメイベルの胸元にクロードの鼻先が降りてくる。決して豊かとは言えない寂しい胸元に、彼は甘えるように擦り寄ってきた。

 驚きで涙はとうに引っ込んだものの、メイベルは突然の展開に混乱していた。その間にも、クロードはメイベルの胸元にグリグリと鼻先を押し付けてくる。彼が動く度に衣擦れが起こり、肌が刺激を受ける。次第に先端がプクリと存在を主張し始めてしまったのは、他でもない刺激を与えてくるのがクロードだからなのだろう。

「ん……っ」
「甘い匂いがするな」

 思わず吐息を漏らすと、クロードは呻り声を混じらせながら甘く囁く。胸元から首筋へと鼻先を滑らせ、メイベルの顎をペロリと舐めた。くすぐったさに顔を逸らすと、ガラ空きになった首筋にも舌を這わされる。ヌルリとした舌の感覚に背中がゾワゾワしてしまう。

「はぁ、っん」

 脇腹からゆっくりと這い上ってきた指先が、胸の付け根をソワソワとなぞる。脇から中心に向かって何度も撫でられ、くすぐったくて背中がどんどん反っていく。

「匂いが強くなってきた。気持ちいいか?」
「……っ」

 いつしか背中を彼に預け、胸を突き出す格好になっているメイベルの耳元でクロードげ囁く。同時に、硬く尖った頂を意地悪な指に摘み上げられ、メイベルは甘ったるい悲鳴を上げた。

「ひ、あっ……っ、やぁ……」
「ココ、好きだろ?」

 コリコリと優しく捏ねられて、見覚えのある甘い刺激にあの夜のことが思い出された。与えられた快感も同時に呼び覚まされたのか、身体が先を期待してどんどん敏感になっていくようだ。

「クロード、さ……」
「メイベル……」

 見上げた先で青い瞳と目が合った。どちらからともなく唇を合わせ、舌を絡ませ合う。
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