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13 ※クロード目線
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熱を出したクラリアは、国境警備隊の宿舎に在住している医師の診察を受けることになった。一方、メイベルとクロードは共に事件の経緯について、警備隊からの事情聴取を受けるため、別室へと連れていかれる。警備隊の配慮で、二人同時に聴取が行われたがメイベルは気丈さを見せ、聴取自体はすんなりと終わった。
誘拐犯たちは帝国騎士団に引き渡されることになり、村への報告も同僚が向かってくれている。ひとまず事件は解決した。クロードたちは一晩、国境警備隊の宿舎の一角を借りることになり、クラリアの様子を見て村へ帰ることにしている。
「クロードさん、起きてます……?」
警備隊の好意でシャワーを借り、部屋に戻ってきてすぐ、遠慮がちなノックと共にメイベルの声がドアの向こうから聞こえた。すぐにドアを開けると、メイベルが立っていた。
「眠れないのか?」
隣り合わせの部屋を借りたので、クロードが戻ってきたことにすぐ気付いたのだろう。彼女もシャワーを浴びたのか、頬に赤みが戻っている。だが、廊下の空気はヒヤリと冷たい。クロードは一瞬迷ったが、風邪を引かせるわけにはいかない、とメイベルを部屋の中へ入れた。
とはいえ、あとは寝るだけだったこともあり、暖炉の火はまだ小さい。
「寒くないか? 薪を足すからもっとこっちに……」
「ごめんなさい……」
部屋の隅に積まれていた薪を掴もうとした手が止まる。蚊の鳴くような頼りない声に振り返ると、メイベルは服の裾をギュッと握り締めて俯いている。
クロードは掴んだ薪を無造作に暖炉に投げ入れ、メイベルの方へ歩み寄った。震える細い肩にそっと触れる。ピクリと跳ねたものの、メイベルは嫌がる様子はない。
「メイベル」
できるだけ優しく声をかける。だが、メイベルは返事をしようとしない。片膝を折り、下から覗き込めば見開かれた深い緑の瞳から、雫がポタリと落ちてきた。
「何故、謝る?」
「っ……だって、また、迷惑……」
「言ったろう? 迷惑なんて思ってない」
後から後から流れてくる涙を、クロードは根気よく拭ってやる。だが、結局我慢できなくなってメイベルを抱きしめた。震える背中をあやすように撫で摩り、首筋にそっと擦り寄るとメイベルが嗚咽を漏らし始めた。
誘拐犯たちは帝国騎士団に引き渡されることになり、村への報告も同僚が向かってくれている。ひとまず事件は解決した。クロードたちは一晩、国境警備隊の宿舎の一角を借りることになり、クラリアの様子を見て村へ帰ることにしている。
「クロードさん、起きてます……?」
警備隊の好意でシャワーを借り、部屋に戻ってきてすぐ、遠慮がちなノックと共にメイベルの声がドアの向こうから聞こえた。すぐにドアを開けると、メイベルが立っていた。
「眠れないのか?」
隣り合わせの部屋を借りたので、クロードが戻ってきたことにすぐ気付いたのだろう。彼女もシャワーを浴びたのか、頬に赤みが戻っている。だが、廊下の空気はヒヤリと冷たい。クロードは一瞬迷ったが、風邪を引かせるわけにはいかない、とメイベルを部屋の中へ入れた。
とはいえ、あとは寝るだけだったこともあり、暖炉の火はまだ小さい。
「寒くないか? 薪を足すからもっとこっちに……」
「ごめんなさい……」
部屋の隅に積まれていた薪を掴もうとした手が止まる。蚊の鳴くような頼りない声に振り返ると、メイベルは服の裾をギュッと握り締めて俯いている。
クロードは掴んだ薪を無造作に暖炉に投げ入れ、メイベルの方へ歩み寄った。震える細い肩にそっと触れる。ピクリと跳ねたものの、メイベルは嫌がる様子はない。
「メイベル」
できるだけ優しく声をかける。だが、メイベルは返事をしようとしない。片膝を折り、下から覗き込めば見開かれた深い緑の瞳から、雫がポタリと落ちてきた。
「何故、謝る?」
「っ……だって、また、迷惑……」
「言ったろう? 迷惑なんて思ってない」
後から後から流れてくる涙を、クロードは根気よく拭ってやる。だが、結局我慢できなくなってメイベルを抱きしめた。震える背中をあやすように撫で摩り、首筋にそっと擦り寄るとメイベルが嗚咽を漏らし始めた。
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