人外さんと恋をする〜狼さんは怖くない〜

鈴屋埜猫

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 騒がしい食事の時間が終わると、当直勤務だったクロードは仮眠を取る。だが、遊びたい盛りの子供たちは彼の周りに群がり、それを許さない。

「クロ兄、遊んで」
「ずるいぞっ、今日は男同士で遊ぼうぜっ」
「ずるいのはエドでしょ」
「エドの口癖だもんね、ずるいぞって」

 クロードを取り囲み、子供たちの言い合いが始まる。大人気のクロードは膝によじ登ってくる子供たちを落とさないようにするのに必死だ。

「ワガママいう子は、お昼ご飯のお肉が減るかもね」

 静かな、しかし凛とよく通るメイベルの声にそれまでクロードに群がっていた、主に男の子たちの動きがピタリと止まる。すごすごと退散した子供たちは、思い思いの場所で遊び始める。ちなみにミーネとクラリアは、食卓を勉強机にしてシスターが残したお手本を見ながら文字の練習中だ。

「今日、お肉なの?」

 食器を洗うメイベルに聞いて来たのは双子の姉だ。みんな気になるのだろう。そわそわと聞き耳を立てている。

「そうよ、宿の店長さんが下さったの。サンドイッチにしたから、クロードさんも食べてね」
「昼は戻るんだろう?」

 隣にきたクロードが洗った食器を取り、拭き始めた。メイベルは苦笑いを返す。

「それが、お店に欠員が出たみたいで厨房の仕込みも頼まれたんです。なので、パン屋さんのバイトが終わったらそのまま直行になるかと。申し訳ないんですけど、お昼の支度お願いしてもいいですか? そこの戸棚に入ってるけど、子供たちじゃ届かないから」
「それは構わないが……」
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