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「侑李さ……っ」
「愛してる、奈月」
そっと耳元で囁かれ、一気に快感が高まったのが分かった。嬉しい言葉に自分もだと返したいのに、強く揺すられて口から溢れるのは甘ったるい喘ぎ声だけ。だから、言葉の代わりに彼の逞しい身体に抱き付いた。
「っ、奈月、もうっ!」
掠れた色気たっぷりの侑李の声にすら身体が反応してしまう。何度も頷き、奈月も限界だと伝えると、噛み付くようなキスをされた。途端に激しくなった抽出に、寝室にに響く肉のぶつかり合う音と濡れた音。そして互いの荒っぽい吐息と、奈月の喘ぎ声。
彼のモノがナカで質量を増したと思った次の瞬間、最奥を抉られ奈月は悲鳴を上げる。ピンと張り詰めた糸がプツンと切れて、一気に疲労感がやって来た。その間にゆるゆると腰を動かす侑李のモノがナカで脈打つのを感じ、幸福感に包まれた。
息を吐いた侑李が髪をかき上げる。その額に汗が浮かんでいるのを見て、奈月もまた汗だくなのにようやく気付いた。
「暑いね、奈月さん、大丈夫?」
奈月のおでこに触れ、汗を拭ってくれた侑李はそのまま離れていこうとする。それが寂しくて彼に抱き付くと、困った様に笑いながら抱き締め返してくれた。
「奈月さん?」
さっきは呼び捨てにしてくれたのに、と思いながら見上げると、唇にチュっとキスをされる。
「抜かないと」
「……もう少し」
離れ難くてわがままを言った。すると、喉を鳴らして笑った侑李は、奈月の身体を抱き上げて、少し身体の位置をずらしてまた横たわらせる。ずっと背中を付けていた場所から少しずれただけだけど、そこはひんやりとしていて、火照った身体にちょうど良かった。
「冷房だけ入れさせて」
ベッドサイドに置かれたリモコンに手を伸ばし、スイッチを入れた侑李はそのまま奈月の上に覆い被さってくる。汗でお互いベトベトだけど、それが気にならないくらい、抱き合っているだけで心地いい。
「んっ…あっ……」
心地良さに目を閉じていた奈月は、唐突に唇を合わせてきた侑李に驚く。目を開けると、彼はじっとこちらを見ていて、一気に恥ずかしさが込み上げた。
「あ……おっきく……?」
まだナカにいた彼のモノが、質量を取り戻していくのを感じて喘いでしまう。すると、キスの雨を降らせながら侑李は笑った。
「だから、抜かないと、と言ったのに」
「だって……ぁっ」
ズルリと抜かれた感覚に甘い声を出すと、避妊具の口を縛りゴミ箱に捨てた侑李は新しいパッケージを噛み切った。1回目もいつの間に着けていたのだろう。それくらい手際よく次の避妊具も取り付け、彼は覆い被さってくる。
「あなたと抱き合っていたら、また抱きたくなる。それに、抜いたら抜いたでそんな寂しそうに鳴かれたら、また満たしてあげないとね」
「うん……満たして……」
大きな背中に腕を回して抱き付く。すでに潤っている奈月の隙間を先端でかき混ぜた彼が、ゆっくりと隙間を埋めていくのが分かり、奈月は歓喜の声を上げた。
「愛してるよ、奈月。俺にはあなただけだ」
「っ、私も……侑李さ、だ、け……ああっ」
きちんと応えたいのに、最奥を穿たれて奈月の言葉はすぐに喘ぎ声にとって変わる。そのまま性急に求められて、身体は快感に支配されてしまう。そうしてまた、奈月は彼が与えてくれる愛に溺れるのだ。
「愛してる、奈月」
そっと耳元で囁かれ、一気に快感が高まったのが分かった。嬉しい言葉に自分もだと返したいのに、強く揺すられて口から溢れるのは甘ったるい喘ぎ声だけ。だから、言葉の代わりに彼の逞しい身体に抱き付いた。
「っ、奈月、もうっ!」
掠れた色気たっぷりの侑李の声にすら身体が反応してしまう。何度も頷き、奈月も限界だと伝えると、噛み付くようなキスをされた。途端に激しくなった抽出に、寝室にに響く肉のぶつかり合う音と濡れた音。そして互いの荒っぽい吐息と、奈月の喘ぎ声。
彼のモノがナカで質量を増したと思った次の瞬間、最奥を抉られ奈月は悲鳴を上げる。ピンと張り詰めた糸がプツンと切れて、一気に疲労感がやって来た。その間にゆるゆると腰を動かす侑李のモノがナカで脈打つのを感じ、幸福感に包まれた。
息を吐いた侑李が髪をかき上げる。その額に汗が浮かんでいるのを見て、奈月もまた汗だくなのにようやく気付いた。
「暑いね、奈月さん、大丈夫?」
奈月のおでこに触れ、汗を拭ってくれた侑李はそのまま離れていこうとする。それが寂しくて彼に抱き付くと、困った様に笑いながら抱き締め返してくれた。
「奈月さん?」
さっきは呼び捨てにしてくれたのに、と思いながら見上げると、唇にチュっとキスをされる。
「抜かないと」
「……もう少し」
離れ難くてわがままを言った。すると、喉を鳴らして笑った侑李は、奈月の身体を抱き上げて、少し身体の位置をずらしてまた横たわらせる。ずっと背中を付けていた場所から少しずれただけだけど、そこはひんやりとしていて、火照った身体にちょうど良かった。
「冷房だけ入れさせて」
ベッドサイドに置かれたリモコンに手を伸ばし、スイッチを入れた侑李はそのまま奈月の上に覆い被さってくる。汗でお互いベトベトだけど、それが気にならないくらい、抱き合っているだけで心地いい。
「んっ…あっ……」
心地良さに目を閉じていた奈月は、唐突に唇を合わせてきた侑李に驚く。目を開けると、彼はじっとこちらを見ていて、一気に恥ずかしさが込み上げた。
「あ……おっきく……?」
まだナカにいた彼のモノが、質量を取り戻していくのを感じて喘いでしまう。すると、キスの雨を降らせながら侑李は笑った。
「だから、抜かないと、と言ったのに」
「だって……ぁっ」
ズルリと抜かれた感覚に甘い声を出すと、避妊具の口を縛りゴミ箱に捨てた侑李は新しいパッケージを噛み切った。1回目もいつの間に着けていたのだろう。それくらい手際よく次の避妊具も取り付け、彼は覆い被さってくる。
「あなたと抱き合っていたら、また抱きたくなる。それに、抜いたら抜いたでそんな寂しそうに鳴かれたら、また満たしてあげないとね」
「うん……満たして……」
大きな背中に腕を回して抱き付く。すでに潤っている奈月の隙間を先端でかき混ぜた彼が、ゆっくりと隙間を埋めていくのが分かり、奈月は歓喜の声を上げた。
「愛してるよ、奈月。俺にはあなただけだ」
「っ、私も……侑李さ、だ、け……ああっ」
きちんと応えたいのに、最奥を穿たれて奈月の言葉はすぐに喘ぎ声にとって変わる。そのまま性急に求められて、身体は快感に支配されてしまう。そうしてまた、奈月は彼が与えてくれる愛に溺れるのだ。
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恋愛小説大賞のページでお見掛けし、お邪魔しております。
本日、1‐5まで拝読しました。
奈月さん、自分が好きなタイプの(見守りたくなる)方ですね……っ。
これから奈月さんがどんな風に過ごしてゆくのか、などなど。
気になる(見逃せない)部分がたくさんありますので、またお邪魔をさせていただきます。
感想ありがとうございます!
奈月を気に入っていただけて嬉しいです。
これからの彼女の行く末を、どうぞ温かく見守ってください(*´꒳`*)
楽しんでいただけるよう励んでまいりますので、今後ともよろしくお願い致します!