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「もらっちゃいましたね」
「ですね……」
身長差があって、奈月の頭は侑李の胸元だ。彼女がどんな表情をしているか分からないのが少し怖いと思った。
「奈月さん」
中庭を通って披露宴会場へと入ろうとしていた侑李は、その中央付近で立ち止まる。先を歩いていた他の参列者の姿はすでにない。なので、この中庭に、今は侑李と奈月の二人だけ。
侑李に従い、立ち止まった彼女の目の前に移動して、顔を見る。キュッと唇を噛んで見つめてくる奈月は、今何を思っているのだろう。
「これ、もらってくれますか?」
奈月がハッと息を飲んだのが分かる。みるみるうちに潤んでいく彼女の瞳が綺麗だと思った。日本人らしい容姿の彼女の前に、自分でも日本人離れしていると思う容姿の侑李が片膝を突く。
「俺と、結婚して欲しい」
付き合って間もない、とか考えることは山ほどある。でも、結局最後に行き着くのは、結婚するなら彼女しかいないという事実。それは早かろうが、遅かろうが気持ちは変わらない。
「プロポーズ……?」
「そう、これは正式な」
プロポーズ紛いなことはしたけれど、きちんと言葉にしたかった。お互いの気持ちを確かめるために。
「はい、私も、侑李さんと結婚したい」
差し出したブーケを掴む侑李の手ごと、彼女の手がそっと包み込む。その瞬間、侑李は立ち上がり、彼女を抱きすくめる。後頭部に手を添えて、目を見つめると、瞬きした彼女の瞳から溢れた涙。それを唇を寄せて受け止め、瞼にキスをする。そしてまた見つめ合うと、どちらからともなく唇を重ねた。
「ですね……」
身長差があって、奈月の頭は侑李の胸元だ。彼女がどんな表情をしているか分からないのが少し怖いと思った。
「奈月さん」
中庭を通って披露宴会場へと入ろうとしていた侑李は、その中央付近で立ち止まる。先を歩いていた他の参列者の姿はすでにない。なので、この中庭に、今は侑李と奈月の二人だけ。
侑李に従い、立ち止まった彼女の目の前に移動して、顔を見る。キュッと唇を噛んで見つめてくる奈月は、今何を思っているのだろう。
「これ、もらってくれますか?」
奈月がハッと息を飲んだのが分かる。みるみるうちに潤んでいく彼女の瞳が綺麗だと思った。日本人らしい容姿の彼女の前に、自分でも日本人離れしていると思う容姿の侑李が片膝を突く。
「俺と、結婚して欲しい」
付き合って間もない、とか考えることは山ほどある。でも、結局最後に行き着くのは、結婚するなら彼女しかいないという事実。それは早かろうが、遅かろうが気持ちは変わらない。
「プロポーズ……?」
「そう、これは正式な」
プロポーズ紛いなことはしたけれど、きちんと言葉にしたかった。お互いの気持ちを確かめるために。
「はい、私も、侑李さんと結婚したい」
差し出したブーケを掴む侑李の手ごと、彼女の手がそっと包み込む。その瞬間、侑李は立ち上がり、彼女を抱きすくめる。後頭部に手を添えて、目を見つめると、瞬きした彼女の瞳から溢れた涙。それを唇を寄せて受け止め、瞼にキスをする。そしてまた見つめ合うと、どちらからともなく唇を重ねた。
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