俺が好きなのはあなただけ〜恋愛初心者は極上男子の腕の中〜

鈴屋埜猫

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「これ、やっ……」

「気持ち、よくない?」

 はっ、と息を吐いた彼が奈月を見る。その顔は気持ちよさそうだが、彼ももどかしさを感じているように思った。その色っぽい表情に身体が甘く疼く。

「もぅ、い、れて……っ、奥、がいいっ、あっ」

「っ……」

 奈月の言葉に彼が息を飲んだのが分かる。はしたないことを口走っている自覚はあるけど、快感を求める身体は、先を期待している。

「痛くて、いい、からぁ……っ」

「ああ、もう……その顔は反則だっ」

 膝に置かれていた手の温もりが消えた。支えを失って開いた足の間に、彼の身体が割り込んでくる。いつの間に用意したのか、四角いパッケージを咥え破った彼は、避妊具を自身に手早く付ける。
 倒れ込むように覆い被さってきた彼に、唇に噛み付くようなキスをされる。次いで、下腹部に感じたピリッとした痛み。

「ぁは……ああっ」

 口から漏れたのは歓喜の声。

「ぁあ……狭い、くっ」

 抱き締めてくれる腕の力が強くなり、耳元で呻いた彼の声が一段と色っぽくて、それだけで足先まで痺れる。指と舌でドロドロに蕩けさせられていたからか、質量のある彼を奈月のそこはどんどん飲み込んでいく。

「っ、奈月さん、痛くない?」

「だい、じょ、ぶ」

 喘ぎながら答えると、侑李が微笑む。押し広げてくる彼のモノは大きくて、圧迫感を感じる。痛いものは痛いけど、予想よりは我慢できそうだ。
 短く息を吐きながら痛みを逃そうとしていると、頭を撫でられ彼を見る。視線が交わり、フッと微笑んだ彼の顔がやけに色っぽくて、お腹がキュッとなりナカにいる彼を締め付けてしまった。

「ぅあ……不意打ち……ヤバいな」

「んっ……はっ」

 息を詰めた彼が、ゆっくり腰を押し付けてくる。徐々に征服されていく奈月の身体。彼のモノが最奥を突いた時、奈月の目尻から涙が溢れ出た。

「大丈夫?」

 荒い息を繰り返しながら、彼が涙を拭ってくれる。奈月もまた息を乱しながら、見上げた彼に微笑んで見せる。

「全部、は、いった?」

「挿ったよ」

「んっ……気持ち、い?」

「っ……この上なく」

 短い言葉の応酬。眉間に皺を寄せ、何かに耐えている様子の彼は色気全開で。破瓜の痛みは思ったほどではなくて、小さく息を吐くとキュッと締まったナカに彼の存在を強く感じる。

「また、締め付ける……っ」

「だって……っ」

 ナカを満たす彼が愛しい。でも、ナカでじっとされているとだんだん焦れてきて、腰が揺れる。

「腰まで揺らして。エッチだね」

「っ、ダメ……?」

 首筋に顔を埋め、肌を吸う彼の唇にも感じて甘い声を上げながら不安になる。ついさっきまで処女だったくせに、と言われている気がした。

「ダメなもんか。すっごく、イイ」

 はっ、と笑った侑李が腰を動かし始める。そうされると奥で燻っていた熱に再び火がついて、身体を反らせて喘いでしまう。

「ああっ……っ」

「厭らしくて、最高だっ」

 濡れた音とともに聞こえる肌が打つかる音。喘ぎ声ごと彼の唇に飲まれて、舌を絡めながら高まる快感を互いに追う。

「あっ、ゆぅ、りさん……もっ」

「俺も……っ」

 限界を伝えると、余裕のない顔で彼がさらに腰を速める。彼のモノが最奥を穿ったその瞬間、目の前が真っ白に弾けた。上も下も分からなくなって、ただビクビクと身体が震える。腰を掴み、緩く腰を振っていた侑李もやがて動きを止め、互いに抱き合ったまま荒い息を繰り返す。

「ぁ、ビクビク、してる……」

「分かる? 俺も、イったから……」

 ナカで脈打つ彼に、嬉しさが込み上げた。額に浮いた汗を拭いながら、微笑んだ侑李が啄むようなキスをしてくる。唇を割って入ってきた彼の舌が絡まり、離れると2人の唇を透明な糸が繋いでいた。
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