俺が好きなのはあなただけ〜恋愛初心者は極上男子の腕の中〜

鈴屋埜猫

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 次に奈月が目を覚ましたのは、空が白くなり出した頃。時間を確かめたかったけど、首元と腰に回された侑李の手でガッチリホールドされて身動きが取れない。少しだけ顔を動かしてみると、スヤスヤと寝息を立てる侑李の顔があって心臓が跳ねた。
 寝起きにイケメンの寝顔は心臓に悪い。だが、そこから目が離せなくなって、ついガン見してしまう。
 彫りの深い整った顔。長いまつ毛に縁取られた瞼は、今は閉じているがその下には綺麗なブルーの瞳がある。薄らと開き、吐息を吐く唇はピンク色だが、少し乾燥しているようだった。
 この唇が昨日、自分の唇に触れた。キスの感触が蘇り、恥ずかしくなって目の前の彼の胸元におでこを付ける。すると、頭上からクスッと笑い声が聞こえた。
 恐る恐る顔を上げると、いつの間に起きていたのか、ブルーの瞳が奈月を見ている。

「おはようございます」

「っ……おはよう、ございます」

 ビシリと音を立てて固まった奈月の頭を撫でた侑李は、嬉しそうに目を細める。

「よく眠れた?」

「はい……」

 頭を撫でられながら、奈月はゆっくり顔を伏せる。すると、侑李の唇がおでこに触れ、チュと軽く音を立ててキスされた。

「ひゃ……」

「じーっと見てたけど、俺の顔に何かついてた?」

 クスクス笑いながら言われて、奈月は自分の顔がどんどん熱くなるのを感じた。見惚れてた上に、昨日のキスを思い出していたなんて、恥ずかしくて言えるわけがない。

「奈月さん?」

「うー……」

 穴があったら入りたい。でも穴はないので、代わりに布団の中へ沈んでいった。中で丸まっていると、侑李が優しく声をかけてくる。

「ごめん、意地悪し過ぎたかな。出てきて、奈月さん」

 今、顔を見られるのはちょっと恥ずかしい。そう思っていると、布団ごと抱き締められる。

「ごめんね、あんまり可愛い顔して見つめてくるから」

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