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西畑澄江の場合

2【★★★】

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「お前さ、無防備すぎ」

 人気のない神社の裏。万が一誰かが来ても死角になりそうな太い幹の影に連れ込まれ、澄江は元晴からいわゆる壁ドンをされていた。

「無防備って……私何も……」

「可愛すぎんだ。もっとちゃんと自覚しろ」

 怒りを露にする元晴に、澄江は理不尽だと睨み付ける。しかし、おでこをくっ付け、ため息混じりに呟かれた元晴の言葉に耳を疑った。 

「可愛い……? 私が……?」

「他にいないだろ」

 驚く澄江を睨み、元晴はため息を吐く。

「こっちは気が気じゃないんだからな……」

「え……?」

 おもむろに重ねられた唇。言葉とは裏腹に優しく啄まれ、澄江は思わず元晴の甚平を掴んだ。
 元晴の片手は澄江の背を撫で腰を支え、もう一方の手は頬から首筋を撫でていく。そして浴衣の合わせをなぞりながら、少しだけ澄江の胸元がはだけた時だった。

「っ、お前っ……下着……っ」

「え……? あぁ……浴衣の時は着けないんだって、由奈ちゃんたちが……」

 浴衣の着方を教えてくれた親友二人を思い出す。妙にニヤニヤしながら、着崩れた時の直し方まで丁寧に教えてくれたのだ。

「元晴?」

 暗がりでもハッキリ分かるほど真っ赤になった彼に戸惑っていると、腰にあった手がお尻に下がってきた。

「あっ……」

「こっちも……?」

 耳元で囁かれ、思わず身体がビクンと震える。確かめるようにおを撫でる元晴の手が厭らしく思えて、澄江は唇を噛み締めた。
 澄江の吐息が荒くなり出したことを感じとり、元晴は生唾を飲み込む。そして浴衣の合わせを少しだけはだけさせ、露になった彼女の鎖骨に舌を這わせた。

「あっ……元晴っ……」

 浴衣の中に手を差し入れると、柔らかな膨らみの中心に硬くなり始めた蕾が触れた。元晴はそれを外気に触れさせ、舌先で優しく撫でると一気にしゃぶりついた。

「やぁ……っ」

 仰け反った澄江の背が木の幹に当たる。元晴は彼女の腰を支えながら、口内で胸の蕾を転がし、彼女の下腹部へと手を伸ばした。
 浴衣の合わせを割り、太ももに触れる。太ももの内側を優しく何度も撫でていると、指先に水気が当たった。

「澄江、濡れて……?」

「や……言わないでよ……」

 驚いて彼女の胸から顔を上げた元晴を、澄江はまともに見られなかった。両手で顔を覆いながら、乱れた浴衣の間からチラリと見え隠れする澄江の大事な部分に元晴は欲を掻き立てられる。

「やべ……お前、エロすぎ……」

 澄江の両手を掴み、唇を奪った元晴は、彼女の身体を木の幹に押し付ける。そして彼女の片足を抱えあげると、蕩けた入口に自身を擦り付けた。

「ぁ……」

「悪い……も、我慢できねぇ……」

 元晴の切羽詰まった表情。そしてヒクついた入口を探るように擦り付られる熱く雄々しい存在に、澄江の身体は切なく疼いた。

「澄江が、欲しい……」

 熱の籠った眼差しと吐き出すような元晴の声に、澄江は彼に抱き付きながら自ら腰を落としていた。

「あぁっ……」

「くぁ……澄江っ……」

 痛みが襲う中、それに勝る悦びに澄江のナカが元晴を締め付ける。二人は抱き合いながら、ゆっくりと深く繋がろうと腰を揺らす。

「んはっ、元晴っ……あっ」

「声、我慢しろっ」

「無理っ、あぁっ……やぁ……っ」

 涙を流し喘ぐ澄江の唇を奪い、元晴は彼女の奥を一気に貫いた。ビクビクと痙攣し、元晴の口内に喘声を放った澄江は甘い快感に支配される。
 腕の中で絶頂を迎えたらしい澄江に満足しながら、元晴は自身も達するため彼女の奥を突き上げる。そして果てる直前、澄江から離れると欲望を彼女の太ももへと撒き散らした。

「悪い……」

 荒い呼吸を繰り返しながら離れた元晴に、澄江は満足げに微笑む。

「一線、越えちゃったね?」

 ずっと幼馴染みで、やっと恋人の一歩は踏み出せてもその先に進むのは何となく怖かった。でも、だからといって進みたくないわけではなく、また一歩を踏み出す勇気が出せずにいたのだ。

「作戦、成功」

「お前……わざとか……」

 浴衣の裾を軽く持ち上げた澄江に、元晴は呆れたようにため息を吐く。しかしその表情は、すぐさま意地悪な笑みにとって変わった。

「そんなに、俺に襲われたかったのか?」

「ぁ……だって……」

 抱き締められ、蕩けた場所に指が這わされると澄江の身体は敏感に反応した。

「ずっと……恋人っぽくしたくても、やり方分かんなくて……不安で……あっ」

「俺はずっと、お前とこうなりたかった」

 ズブズブと挿入はいってくる指の感覚に、澄江は甘い声を上げる。ビクビクと震える彼女を支えながら、元晴はナカを確かめるように指を動かし始めた。

「ただの幼馴染みだった時から、無防備なお前を何度も頭の中で犯してたんだ。もう、止まれねぇからな。覚悟しろ」

「んぁ……うん、好きなだけ、して……ぁっ」

「……煽るな、バカ」

 余裕のない元晴の目に、澄江は思わず笑みを浮かべる。激しく互いを求め合いながら、澄江はこの作戦を伝授してくれた親友二人に感謝していた。
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