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1章

手加減

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龍馬「交流戦…ですか?」
理沙「そう!交流戦!」
龍馬「説明お願いします」
理沙「うちの高校はね例年各学年から最も優れた生徒を1人選出して交流戦をさせるんだよ」
理沙「2、3年は昨年の成績、新入生は選別会の成績が最も優秀な生徒が選ばれる」
理沙「交流戦は明後日の朝から始める」
理沙「勝負形式はリーグ戦」
理沙「学園長自ら回復してくれるから2戦とも万全の状態で闘うから調子が悪いとかいう言い訳が通用しないように出来てる」
龍馬「ほぉ~そこまでするってことは勝者はなんか貰えるんすか?」
理沙「別に?何も貰えないよ」
龍馬「え?」
理沙「ただ、各学年のNo.1同士で闘う訳だから交流戦で優勝すれば名目上この学校最強って事になるから皆頑張ってるんじゃない?」
龍馬「最強…」
理沙「やっぱり興味ある?まぁ元・世界最強からしたらこんな学校の最強の称号なんていらないだろうけどさ」
龍馬「この学校って世界の中でも結構トップクラスの魔法学校ですよね?」
理沙「まぁそうだね。じゃなきゃあんな大規模な選別会はやんないよ」

それを聞いた俺はニヤリと口を歪ませた

龍馬「そうですか、それだけ分かれば充分です。その交流戦でますわ」
理沙「え?ほんとに?」
龍馬「えぇ別に良いですよ」

最初の不安なんて消し飛んだ。正直早く交流戦がしたいと思う他気持ちの方が強い。明後日のことを考えるだけでニヤニヤが止まらない

理沙「もうちょっと渋られるかと思ったんだけどまぁ出てくれるなら良かったよ!」
理沙「それじゃ用事も終わったし私は帰ることにしようかな!」
龍馬「あっ会長対戦相手のデータって貰えないんですか?」
理沙「対戦相手はその時のお楽しみだよ!その方が盛り上がるでしょ?」
龍馬「まぁそうですね」

それじゃ!と言って会長帰っていった
俺はベッドに倒れて明後日の交流戦をどうしようか迷っていた

龍馬「勝てば学園最強…」

交流戦はとても楽しみだ、だが問題は

龍馬「魔法…使ってくるよなぁ」

そう、魔法だただでさえ嫌いなタイプの相手なのにそれに加えて名門校の生徒と来たもんだ。

龍馬「めんどくせぇ…」

めんどくさい…とてもめんどくさい。が、

龍馬「めんどくせぇけど…やるしかねぇな」

それから俺は明後日までの1日半全てをトレーニングにつぎ込んだ



交流戦当日

龍馬「いよいよ今日か…」

朝起きた俺はパパッと朝食を終えて歯を磨き軽く集中していると
突然部屋の扉が開いた

理沙「やーやー!お姉さんが迎えに来てあげたぞー!」

開けたのは会長らしくステージに連れてってくれるらしい
確かに今思えば俺対戦場所知らなかったな…

理沙「ここが君の控え室だよ龍馬君は最後の2戦連続でやってもらうからそのつもりで。相手の対戦は見せるわけにはいかないからここで暫く待っててね」
龍馬「了解です」
理沙「自分の番になったら呼ばれる筈だから、呼ばれたらそこの転送機に入ってね」

それじゃまたね!と言って会長は去っていった

暫くして俺の名前が呼ばれる、前の2人の闘いが予想より長く結構待ったがお陰で充分集中出来た

龍馬「さて、いきますか」

そう一言呟いた俺は転送機へ向かう

転送された場所は平らな円形の闘技場だった
周りを見れば観戦している生徒達、目の前にはおそらく3年生の生徒がこちらを睨んでいる

審判「これより!3年生代表藤宮響ふじみやひびきと新入生代表草薙龍馬の交流戦を始める!」

お相手は藤宮さんと言うらしい。どうでもいいけどこの人イケメンだな…腹立たしい!

龍馬「よろしくお願いします、先輩」
藤宮「あぁよろしく、一応聞くが棄権はしないのか?」

それを聞いた俺は思わず笑いそうになった

龍馬「面白いこと言いますね先輩」
藤宮「しないんだな?後悔しても遅いぞ」
龍馬「しないように頑張りま~す」
審判「勝利条件は相手の戦闘不能又は棄権です」
審判「始め!」

俺達が話しているにも関わらず始めの合図をだす審判に呆れつつも俺は目の前の敵を見る。まぁ当然突っ込んではこないわな

藤宮「顕現せよ…イフリート!」

藤宮先輩は召喚魔法を使ったようだ、しかもサラッとSランク魔獣のイフリートだしてるし…
召喚魔法では、Bランク魔獣、Aランク魔獣、Sランク魔獣と召喚する魔獣にランクがつけられている。一般人は大体Bランク魔獣、Aランクでもだせる人間は少ないがSランクはもっと少ない。それだけ強いし術式も複雑なのだ

藤宮「せめて楽に終わらせてやる。やれ!イフリート!」

先輩の命令で俺を殺そうと向かってくるイフリート

龍馬「よっと!」

俺目掛けて突っ込んで来るイフリートを最低限の動きで横に避けて眉間に回し蹴りを決める

イフリート「ヴォォォォォォオォオォぉ!!!!!!!!」

回し蹴りをモロに打ち込まれたイフリートは雄叫びをあげて消えていった

龍馬「ふぅ」

イフリートが消えたのを確認し主である藤宮に目を向けると

藤宮「な…な…どうなってる!」

有り得ないとイフリートを一撃で沈めた俺を化物を見るような目で見ている。そりゃあそうだSランク魔獣を一撃で沈めたんだその反応が普通だ

龍馬「さぁ今度はあんたが相手をしてくれよ」
藤宮「チッ!いいだろう」

俺が藤宮に近づこうとした瞬間俺の上から氷の刃が降ってきた。それをバックステップでギリギリ躱す。すると今度は目の前から尖った岩が飛んできたので蹴りで一蹴する。そこから相手の怒涛の攻めが始まる。攻撃自体は全て避けてはいるがどれも結構ギリギリで攻めに入りづらい

藤宮「どうした?その程度か?逃げてばかりでは勝てないぞ?」

防戦一方の俺を見て藤宮が挑発してくる
はぁ…だから魔法使う相手は嫌いなんだ、魔法を使うせいで自分が強いと思い込んでやがる。こんな奴に

龍馬「なんていらんだろ」

藤宮「?今なにか」

龍馬「ならお言葉に甘えて…」

そう言ったと同時に俺は地面を蹴る
一瞬にして藤宮との距離を詰めると藤宮の鳩尾目掛けてエルボーを決める

藤宮「な!?はyゴホォ!」

エルボーを鳩尾に決められた藤宮は苦しさのあまり前かがみになる

龍馬「あんまり舐めてると痛い目みますよ」

それだけ言って俺は藤宮の眉間を目掛けてイフリートにやったように回し蹴りを決めた

審判「勝者!新入生代表草薙龍馬!」

審判が俺の名前を叫ぶと観戦していた生徒達がうおー!を声をあげた。新入生が3年生に勝ったのだ、誰もが予想していなかっただろう故にその反応は当然とも言える

龍馬「にしても、弱すぎだろあの人…」

先程の先輩の弱さに呆れながら生徒達の興奮を背に俺は控え室へ戻るのであった



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