45 / 45
第45話 ラビアンと同じものを一つ
しおりを挟む
あの後、ナータたちは神兵を破壊つくし、ついでに都市の外壁も一部壊してから、撤退していった。
俺を目撃した神兵は、すべて破壊しているので、しばらくは邪神たちが暴れたとして調査が進められるだろう。
しばらくは時間を稼げるとは思うが、俺は地下でコソコソと生きていくつもりはないので、いつかはシェルターにたどり着くはず。その前に戦力を整えておく必要があるな。
邪神と呼ばれている、上級機械ゴーレムと手を組むのも良いかも。
やつらの行動原理次第ではあるが囮としては使えるはず。
早めに調査をして利用方法を考えたいのだが……今は、別の都市を見学する準備を進めていた。
「再会できて嬉しいです!」
宿の一階、酒場になっている室内で、ラビアンが両手を広げて歓迎してくれた。
騒動から一週間が経ったので迎えに来たのである。
「元気そうだな」
「体が資本ですから」
力こぶを作るようなポーズで自慢してきたが、残念ながらラビアンの体は細いので、たくましさは感じない。むしろ、大丈夫か? と心配になるほどである。
行商を続けられるのだから体力はあると思うが、もう少し筋肉を付けた方が良いぞ。
「その言葉、俺との腕力勝負で勝てるようになってから言えよ」
「あはは、それは厳しそうですね」
笑いながらラビアンはカンターの席に座った。
木製のテーブルの上に酒がある。朝っぱらからアルコールを摂取しているようだ。
奥にいるマスターらしき中年の男性が俺を見ていた。赤い髪をオールバックにしていて、髭は整っており男らしさと清潔感を両立している。犬耳に違和感は残るが、体格は良いので女性にモテるだろう風貌をしているのだが、管理の首輪が全てを台無しにしていた。
マスターやラビアンも、所詮は機械ゴーレムに管理されている人だ。自由の喜びと幸福そして恐怖、辛さをしらない子供なのだ。
「ラビアンと同じものを一つ」
無言の圧力を感じたので適当に注文すると、マスターは笑顔になった。
それを見てラビアンが見蕩れる。
俺はモテないとわかっているから、嫉妬なんてしない。ただ面白くはないと感じたが。
ラビアンの隣に座ると、ドンッと木製のジョッキが置かれた。中には濁った液体が入っている。
「注文の品だ」
「どうも」
簡単な言葉だけを交わしてから、ジョッキを持って口を付ける。香りは悪くない。きっと良い酒なんだろう。
喉が渇いていたこともあって、ごくごくと喉をならしながら、酒を流し込む。
なんだこれは!?
口内を蹂躙する苦みが広がった。うまみなんてなく、純粋に苦いのだ。口の中に雑草のエキスを突っ込まれたんじゃないかって思うほどで、思わず吐き出しそうになってしまう。
とはいえ、店内を汚すわけにはいかない。男は気合いだ! と思って、一気に飲み込む。
胃の熱くなるような感覚があった。アルコールが強すぎる。俺は酒に強い方だと思っていたんだが、頭がクラクラしてきた。
「え、すぐに顔が赤くなったけど、ゴンダレヌさんは、お酒弱いんですか?」
逆に何でお前たちは大丈夫なんだ。そう問いただしたい。
こんなアルコールの強い酒を真っ昼間から飲みやがって。
現代人、おかしいだろ。
「たまに、神様の解毒作用が効きにくいタイプはいる。コイツは、それだろ」
マスターが気になることを言った。
神の解毒だと? 上級機械ゴーレムが何かしたのか?
質問したいのだが、視界がぐわんぐわんと回って、それどころではない。感覚が鈍くなっているのを自覚しているが、全身にアルコールが回ってしまったので、抵抗なんて無理だ。
「水……をくれ」
気力を振り絞って出せた言葉だ。
体から力が抜けてテーブルに頭をのせてしまう。ここまで酔ったのは始めてだ。
もうこれはアルコールじゃないぞ。毒だ。毒。
「大丈夫ですか? 今日の昼には、都市の外にでたいんですけど……」
俺の体じゃなく、自分の計画が狂わないか心配しているところが、商人らしくてよい。このぐらい強かな考えを持っているほうが、俺の好みだ。前の時代だったら口説いていたかもしれん。
いや、今からでもいいか?
管理の首輪を外して自由というものを教え込み、俺好みに変えていく。
案外悪くないと思える。ついでに、腕や足ぐらいは機械ゴーレム化させてもいいかもな。キメラの森を、一人で歩けるぐらいの強さは手に入るだろう。
「ご所望の水だ」
水らしき液体の入ったジョッキが置かれたが、取っ手を握ろうとしても体が動かない。なでるようにして、触っているだけだ。
「あー。これはダメだな。目がイってる」
「そんなぁ。最強の護衛が、お酒に弱いなんて聞いてないよ!」
丁寧な態度も良かったが、こういった気軽な感じもいいな。俺の中でラビアンの好感度が上がっていく。シェルターに持ち帰って、洗脳させてやろうか。
「こいつ、そんなに強いのか?」
「そうだよ。フォレストゴリラを瞬殺したし、スパイクタイガーの群れも一人で追い払ったんだ。キメラハンター二級以上は確定だね!」
マスターの見る目は変わった気がする。
俺は男に興味ないから諦めろ。
「人は見た目にはよらん、ということか」
「そういうこと」
俺を置いて二人は意気投合しているようである。仲が良さそうでムカつく。とりあえず一発マスターを殴っておくか。
立ち上がろうとしたら、バランスを崩してラビアンに寄りかかってしまった。
「ねえ、大丈夫!?」
心配する声が聞こえた。
当然無視だ。側頭部に当たっている、胸の柔らかさを全力で感じなければいけないのだから。
***
ゴトゴトと音が聞こえ、上下に振動している。背中からは固い感触が返ってきている。緑の匂いがすることから、外にいることが分かった。
酒を飲んで不覚にも意識を失ってしまったことまでは覚えているが、そのあとの記憶がない。どうやら寝ている間に、どこかに移動させられたようだ。
体を起こして周囲を見る。
積み上げられた木箱しかない。床には俺の使っていた剣が置かれていた。
武器を手に持ちつつ立ち上がると、ようやくここがどこなのかわかった。荷馬車の中だ。
木箱の間を縫って御者台に向かうと、ラビアンの後ろ姿が見えた。
「お前が運んだのか?」
「そうですよ。ゴンダレヌさん」
隣の席に座れと言いたかったようで、ラビアンは御者台を叩いていた。
拒否する必要はないので、指定された場所に腰を下ろす。
今は草原に作られた街道を進んでいるようだ。見渡しは良く、周囲に動物はいない。もちろんキメラもだ。
「俺が目覚めるまで、待てなかったのか?」
「簡易宿に間に合わなくなっちゃいますから。夜は絶対に寝なきゃいけないし、時間がなかったんです」
ああ、なるほど。管理の首輪によって睡眠時間が決められているから、急いでいたのか。夜番なんてできない仕組みになっているので、行商人は簡易宿というところで安全を確保しているのだろう。
自由を知っている俺からすれば、なんとも不便な生活だとは思うが、ラビアンたちにとっては普通なんだろう。疑問すら抱いていない。
「明日には出来なかったのか?」
「納期の都合がありまして。今日中に出ないとマズかったんです」
一日でも遅れたらダメ、なんてことも仕事ならあるか。
そういえば何を運んでいるのか聞いてなかったな。商業の都市で何を買ったのか気になったが、ラビアンが先に質問をしてきた。
「そういえば、少し前に大きな事件があったの知ってます?」
「神兵……様が戦った話だよな」
「そうです! 犯人は捕まってないみたいなんです。ゴンダレヌさん、何か知ってます?」
商業の都市に向かう途中に語った仕事と、関連付けているかもしれない。
勘が良いな。知ってるも何も犯人は俺なんだ、なんて言うわけにはいかないので、首を横に振って否定した。
「上位のキメラハンターならと思ったんですが、あの噂は間違いなのかもしれませんね」
「噂だと?」
「邪神が商業の都市に乗り込んで、神兵様を襲ったって話です。もしかしたら本格的な戦争になるかもと、みんなピリピリしているんです」
ナータが自由の神の手先と名乗っていたが、噂がねじ曲がって邪神――上級機械ゴーレムが乗り込んだとなっているようだな。大きくは間違ってないから、噂というのもバカにはならない。
「戦争になったらどうなるんだ?」
「神兵様と上位のキメラハンターの共同作戦が展開される、というのが通常の流れです」
だから、俺が何かを知っているかもと思って聞いてきたのか。
俺が殺して証明書を奪い取ったキメラハンターは、上位どころか下位だったから、仮に戦争になったとしても声はかけられなかっただろう。
「私が住んでいる都市は、混沌の神様が治めているんですけど、最近になって自由の神と仲が急速に良くなっているという噂があるんです」
自由の神は邪神という扱いをされていた。管理を強めたい機械ゴーレムからすると、当然の対応だ。
混沌だって傾向としては自由とにている。そういった意味では、いつ邪神認定されてもおかしくはない。ラビアンの噂が本当であれば、認定されるまで秒読みの段階だろう。
「しばらくは、別の都市で過ごした方が良いのかなぁ」
俺に言うわけではなく、ラビアンはぼそりと呟いた。
「できるなら、そうした方が良いだろうな」
「まーー、無理なんですけどねーーーー!」
管理の首輪がある限り、生まれ育った都市からは逃げられない。
戦争が起こったても避難はできないだろう。
管理されているかこそ、都市と運命をともしなければならないとは、やはり生きにくい世の中である。
上級機械ゴーレムの支配する世界。
平和であれば放置していたが、戦乱の世が来るのであれば、考えを変える必要があるかもしれない。
道具ごときが、人の命を弄ぶなんて許せないからな。
======
完結となります。
最後までお付き合頂きありがとうございました。
俺を目撃した神兵は、すべて破壊しているので、しばらくは邪神たちが暴れたとして調査が進められるだろう。
しばらくは時間を稼げるとは思うが、俺は地下でコソコソと生きていくつもりはないので、いつかはシェルターにたどり着くはず。その前に戦力を整えておく必要があるな。
邪神と呼ばれている、上級機械ゴーレムと手を組むのも良いかも。
やつらの行動原理次第ではあるが囮としては使えるはず。
早めに調査をして利用方法を考えたいのだが……今は、別の都市を見学する準備を進めていた。
「再会できて嬉しいです!」
宿の一階、酒場になっている室内で、ラビアンが両手を広げて歓迎してくれた。
騒動から一週間が経ったので迎えに来たのである。
「元気そうだな」
「体が資本ですから」
力こぶを作るようなポーズで自慢してきたが、残念ながらラビアンの体は細いので、たくましさは感じない。むしろ、大丈夫か? と心配になるほどである。
行商を続けられるのだから体力はあると思うが、もう少し筋肉を付けた方が良いぞ。
「その言葉、俺との腕力勝負で勝てるようになってから言えよ」
「あはは、それは厳しそうですね」
笑いながらラビアンはカンターの席に座った。
木製のテーブルの上に酒がある。朝っぱらからアルコールを摂取しているようだ。
奥にいるマスターらしき中年の男性が俺を見ていた。赤い髪をオールバックにしていて、髭は整っており男らしさと清潔感を両立している。犬耳に違和感は残るが、体格は良いので女性にモテるだろう風貌をしているのだが、管理の首輪が全てを台無しにしていた。
マスターやラビアンも、所詮は機械ゴーレムに管理されている人だ。自由の喜びと幸福そして恐怖、辛さをしらない子供なのだ。
「ラビアンと同じものを一つ」
無言の圧力を感じたので適当に注文すると、マスターは笑顔になった。
それを見てラビアンが見蕩れる。
俺はモテないとわかっているから、嫉妬なんてしない。ただ面白くはないと感じたが。
ラビアンの隣に座ると、ドンッと木製のジョッキが置かれた。中には濁った液体が入っている。
「注文の品だ」
「どうも」
簡単な言葉だけを交わしてから、ジョッキを持って口を付ける。香りは悪くない。きっと良い酒なんだろう。
喉が渇いていたこともあって、ごくごくと喉をならしながら、酒を流し込む。
なんだこれは!?
口内を蹂躙する苦みが広がった。うまみなんてなく、純粋に苦いのだ。口の中に雑草のエキスを突っ込まれたんじゃないかって思うほどで、思わず吐き出しそうになってしまう。
とはいえ、店内を汚すわけにはいかない。男は気合いだ! と思って、一気に飲み込む。
胃の熱くなるような感覚があった。アルコールが強すぎる。俺は酒に強い方だと思っていたんだが、頭がクラクラしてきた。
「え、すぐに顔が赤くなったけど、ゴンダレヌさんは、お酒弱いんですか?」
逆に何でお前たちは大丈夫なんだ。そう問いただしたい。
こんなアルコールの強い酒を真っ昼間から飲みやがって。
現代人、おかしいだろ。
「たまに、神様の解毒作用が効きにくいタイプはいる。コイツは、それだろ」
マスターが気になることを言った。
神の解毒だと? 上級機械ゴーレムが何かしたのか?
質問したいのだが、視界がぐわんぐわんと回って、それどころではない。感覚が鈍くなっているのを自覚しているが、全身にアルコールが回ってしまったので、抵抗なんて無理だ。
「水……をくれ」
気力を振り絞って出せた言葉だ。
体から力が抜けてテーブルに頭をのせてしまう。ここまで酔ったのは始めてだ。
もうこれはアルコールじゃないぞ。毒だ。毒。
「大丈夫ですか? 今日の昼には、都市の外にでたいんですけど……」
俺の体じゃなく、自分の計画が狂わないか心配しているところが、商人らしくてよい。このぐらい強かな考えを持っているほうが、俺の好みだ。前の時代だったら口説いていたかもしれん。
いや、今からでもいいか?
管理の首輪を外して自由というものを教え込み、俺好みに変えていく。
案外悪くないと思える。ついでに、腕や足ぐらいは機械ゴーレム化させてもいいかもな。キメラの森を、一人で歩けるぐらいの強さは手に入るだろう。
「ご所望の水だ」
水らしき液体の入ったジョッキが置かれたが、取っ手を握ろうとしても体が動かない。なでるようにして、触っているだけだ。
「あー。これはダメだな。目がイってる」
「そんなぁ。最強の護衛が、お酒に弱いなんて聞いてないよ!」
丁寧な態度も良かったが、こういった気軽な感じもいいな。俺の中でラビアンの好感度が上がっていく。シェルターに持ち帰って、洗脳させてやろうか。
「こいつ、そんなに強いのか?」
「そうだよ。フォレストゴリラを瞬殺したし、スパイクタイガーの群れも一人で追い払ったんだ。キメラハンター二級以上は確定だね!」
マスターの見る目は変わった気がする。
俺は男に興味ないから諦めろ。
「人は見た目にはよらん、ということか」
「そういうこと」
俺を置いて二人は意気投合しているようである。仲が良さそうでムカつく。とりあえず一発マスターを殴っておくか。
立ち上がろうとしたら、バランスを崩してラビアンに寄りかかってしまった。
「ねえ、大丈夫!?」
心配する声が聞こえた。
当然無視だ。側頭部に当たっている、胸の柔らかさを全力で感じなければいけないのだから。
***
ゴトゴトと音が聞こえ、上下に振動している。背中からは固い感触が返ってきている。緑の匂いがすることから、外にいることが分かった。
酒を飲んで不覚にも意識を失ってしまったことまでは覚えているが、そのあとの記憶がない。どうやら寝ている間に、どこかに移動させられたようだ。
体を起こして周囲を見る。
積み上げられた木箱しかない。床には俺の使っていた剣が置かれていた。
武器を手に持ちつつ立ち上がると、ようやくここがどこなのかわかった。荷馬車の中だ。
木箱の間を縫って御者台に向かうと、ラビアンの後ろ姿が見えた。
「お前が運んだのか?」
「そうですよ。ゴンダレヌさん」
隣の席に座れと言いたかったようで、ラビアンは御者台を叩いていた。
拒否する必要はないので、指定された場所に腰を下ろす。
今は草原に作られた街道を進んでいるようだ。見渡しは良く、周囲に動物はいない。もちろんキメラもだ。
「俺が目覚めるまで、待てなかったのか?」
「簡易宿に間に合わなくなっちゃいますから。夜は絶対に寝なきゃいけないし、時間がなかったんです」
ああ、なるほど。管理の首輪によって睡眠時間が決められているから、急いでいたのか。夜番なんてできない仕組みになっているので、行商人は簡易宿というところで安全を確保しているのだろう。
自由を知っている俺からすれば、なんとも不便な生活だとは思うが、ラビアンたちにとっては普通なんだろう。疑問すら抱いていない。
「明日には出来なかったのか?」
「納期の都合がありまして。今日中に出ないとマズかったんです」
一日でも遅れたらダメ、なんてことも仕事ならあるか。
そういえば何を運んでいるのか聞いてなかったな。商業の都市で何を買ったのか気になったが、ラビアンが先に質問をしてきた。
「そういえば、少し前に大きな事件があったの知ってます?」
「神兵……様が戦った話だよな」
「そうです! 犯人は捕まってないみたいなんです。ゴンダレヌさん、何か知ってます?」
商業の都市に向かう途中に語った仕事と、関連付けているかもしれない。
勘が良いな。知ってるも何も犯人は俺なんだ、なんて言うわけにはいかないので、首を横に振って否定した。
「上位のキメラハンターならと思ったんですが、あの噂は間違いなのかもしれませんね」
「噂だと?」
「邪神が商業の都市に乗り込んで、神兵様を襲ったって話です。もしかしたら本格的な戦争になるかもと、みんなピリピリしているんです」
ナータが自由の神の手先と名乗っていたが、噂がねじ曲がって邪神――上級機械ゴーレムが乗り込んだとなっているようだな。大きくは間違ってないから、噂というのもバカにはならない。
「戦争になったらどうなるんだ?」
「神兵様と上位のキメラハンターの共同作戦が展開される、というのが通常の流れです」
だから、俺が何かを知っているかもと思って聞いてきたのか。
俺が殺して証明書を奪い取ったキメラハンターは、上位どころか下位だったから、仮に戦争になったとしても声はかけられなかっただろう。
「私が住んでいる都市は、混沌の神様が治めているんですけど、最近になって自由の神と仲が急速に良くなっているという噂があるんです」
自由の神は邪神という扱いをされていた。管理を強めたい機械ゴーレムからすると、当然の対応だ。
混沌だって傾向としては自由とにている。そういった意味では、いつ邪神認定されてもおかしくはない。ラビアンの噂が本当であれば、認定されるまで秒読みの段階だろう。
「しばらくは、別の都市で過ごした方が良いのかなぁ」
俺に言うわけではなく、ラビアンはぼそりと呟いた。
「できるなら、そうした方が良いだろうな」
「まーー、無理なんですけどねーーーー!」
管理の首輪がある限り、生まれ育った都市からは逃げられない。
戦争が起こったても避難はできないだろう。
管理されているかこそ、都市と運命をともしなければならないとは、やはり生きにくい世の中である。
上級機械ゴーレムの支配する世界。
平和であれば放置していたが、戦乱の世が来るのであれば、考えを変える必要があるかもしれない。
道具ごときが、人の命を弄ぶなんて許せないからな。
======
完結となります。
最後までお付き合頂きありがとうございました。
0
お気に入りに追加
17
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
亡霊剣士の肉体強奪リベンジ!~倒した敵の身体を乗っ取って、最強へと到る物語。
円城寺正市
ファンタジー
勇者が行方不明になって数年。
魔物が勢力圏を拡大し、滅亡の危機に瀕する国、ソルブルグ王国。
洞窟の中で目覚めた主人公は、自分が亡霊になっていることに気が付いた。
身動きもとれず、記憶も無い。
ある日、身動きできない彼の前に、ゴブリンの群れに追いかけられてエルフの少女が転がり込んできた。
亡霊を見つけたエルフの少女ミーシャは、死体に乗り移る方法を教え、身体を得た彼は、圧倒的な剣技を披露して、ゴブリンの群れを撃退した。
そして、「旅の目的は言えない」というミーシャに同行することになった亡霊は、次々に倒した敵の身体に乗り換えながら、復讐すべき相手へと辿り着く。
※この作品は「小説家になろう」からの転載です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
蓮華
釜瑪 秋摩
ファンタジー
小さな島国。 荒廃した大陸の四国はその豊かさを欲して幾度となく侵略を試みて来る。 国の平和を守るために戦う戦士たち、その一人は古より語られている伝承の血筋を受け継いだ一人だった。 守る思いの強さと迷い、悩み。揺れる感情の向かう先に待っていたのは――
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
異世界起動兵器ゴーレム
ヒカリ
ファンタジー
高校生鬼島良太郎はある日トラックに
撥ねられてしまった。そして良太郎
が目覚めると、そこは異世界だった。
さらに良太郎の肉体は鋼の兵器、
ゴーレムと化していたのだ。良太郎が
目覚めた時、彼の目の前にいたのは
魔術師で2級冒険者のマリーネ。彼女は
未知の世界で右も左も分からない状態
の良太郎と共に冒険者生活を営んで
いく事を決めた。だがこの世界の裏
では凶悪な影が……良太郎の異世界
でのゴーレムライフが始まる……。
ファンタジーバトル作品、開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる