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(55)夫婦の会話?
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ぷぷっ…、あははっ。
「もう我慢できないっ!!腹痛ーい!」
と、腹を抱えて笑い転げてる友明を見てたら、なんか自分まで一緒に笑ってしまいそうだ。
見れば、看護婦まで笑いを堪えてるのが分かる。
笑いたきゃ、笑え。
そう思いながら部屋から出ると、事務室の室長と出会い、室長は私を見て目を瞠っていた。
「院長。ソレ、どうされたのですか?」
ソレってなんだ?
トイレに連れて行かれて、鏡の中を覗き込んだ。
「げ・・・」
思わず、口から出ていた。
だから、友明はあんな笑い方をしてたんだな。
室長も、なぜか笑いを堪えてるような感じだし。
「…室長。」
「はい、なんでしょう。」
やはり、室長の声も震えてる。
「今日は部屋で食べる。」
やっぱり、そうなりますよね…と、室長が小声で呟くのが聞こえてきた。
あれから数日後。
今日は、友明の半日外出日だ。
朝食後の診察が終わると、夕食の時間までに帰ってくる。
夜勤明けの私にとっては、またともないチャンスだ。
会いたい、そして抱きしめたい。
友明は10時前に出るので、それに合わせて私も出る。
表玄関から出る友明に対して、私は裏口だ。
どうやって接触を図ろう?
路地からこっそり覗き込んで見てたら、1人で歩いてるのが見える。
このまま、後ろを歩いていくか。
徒歩ということは、マンションか。
ということに気づき、車を置いていくことにした。
そうしてたら、スーパーに入って行くのを見かけて、先にマンションの入り口に行っとくかどうか考えてると声が掛かった。
「ったくもう、尾行なら気配ぐらい消してくださいね。あなたなら簡単に出来るでしょ。」
友明だった。
「悪い、悪い。私は夜勤明けでね…」
「なるほど、夜勤明けだから、そこまで気が回らなかった。という事ですか。」
その言葉を無視して、言葉を続ける。
「夜勤明けで、明日は昼出勤なんだ。だから、一緒に居れるかなと思ってね。」
「誰と?」
「友明と。」
「誰が?」
「私が。」
ん?
今、私はなんて言ったんだ?
友明は、と横目で見ると、目を合わさないようにして顔を背けてるが、耳が赤くなってる。
「まったく…あらかじめ、言っておいてもらいたいもんだね。」
と、呟きながらスーパーに向かって数歩歩いていく。
ぴたっと、その足が止まり私の方に振り向いた。
「どうするんですか?買い物しないといけないんですけどね…。
一緒に買い物しますか?それとも・・・」
「私のマンションに行かないか?」
「え?」
「あ、でも買い物はしないと冷蔵庫の中身は無いな。」
しばらく無言だった友明が口を開いた。
「メニューは何でもいいですか?」
「ああ。」
「分かりました。それなら買い物します。」
はい、と手を出してくる。
なんの疑問を持たずに、その手を握る。
すると、即座に払われてしまう。
「違うでしょ。お金ください。食料費のお金です。」
ああ、そうか。
「それもそうだな。気が付かなかった。」
財布の中から万札を1枚渡す。
その万札にキスしながら、友明は付け加えてきた。
「私が買い物してる間に、車をここまで持ってきて下さい。」
「お安い御用。」
それでは後程。
「もう我慢できないっ!!腹痛ーい!」
と、腹を抱えて笑い転げてる友明を見てたら、なんか自分まで一緒に笑ってしまいそうだ。
見れば、看護婦まで笑いを堪えてるのが分かる。
笑いたきゃ、笑え。
そう思いながら部屋から出ると、事務室の室長と出会い、室長は私を見て目を瞠っていた。
「院長。ソレ、どうされたのですか?」
ソレってなんだ?
トイレに連れて行かれて、鏡の中を覗き込んだ。
「げ・・・」
思わず、口から出ていた。
だから、友明はあんな笑い方をしてたんだな。
室長も、なぜか笑いを堪えてるような感じだし。
「…室長。」
「はい、なんでしょう。」
やはり、室長の声も震えてる。
「今日は部屋で食べる。」
やっぱり、そうなりますよね…と、室長が小声で呟くのが聞こえてきた。
あれから数日後。
今日は、友明の半日外出日だ。
朝食後の診察が終わると、夕食の時間までに帰ってくる。
夜勤明けの私にとっては、またともないチャンスだ。
会いたい、そして抱きしめたい。
友明は10時前に出るので、それに合わせて私も出る。
表玄関から出る友明に対して、私は裏口だ。
どうやって接触を図ろう?
路地からこっそり覗き込んで見てたら、1人で歩いてるのが見える。
このまま、後ろを歩いていくか。
徒歩ということは、マンションか。
ということに気づき、車を置いていくことにした。
そうしてたら、スーパーに入って行くのを見かけて、先にマンションの入り口に行っとくかどうか考えてると声が掛かった。
「ったくもう、尾行なら気配ぐらい消してくださいね。あなたなら簡単に出来るでしょ。」
友明だった。
「悪い、悪い。私は夜勤明けでね…」
「なるほど、夜勤明けだから、そこまで気が回らなかった。という事ですか。」
その言葉を無視して、言葉を続ける。
「夜勤明けで、明日は昼出勤なんだ。だから、一緒に居れるかなと思ってね。」
「誰と?」
「友明と。」
「誰が?」
「私が。」
ん?
今、私はなんて言ったんだ?
友明は、と横目で見ると、目を合わさないようにして顔を背けてるが、耳が赤くなってる。
「まったく…あらかじめ、言っておいてもらいたいもんだね。」
と、呟きながらスーパーに向かって数歩歩いていく。
ぴたっと、その足が止まり私の方に振り向いた。
「どうするんですか?買い物しないといけないんですけどね…。
一緒に買い物しますか?それとも・・・」
「私のマンションに行かないか?」
「え?」
「あ、でも買い物はしないと冷蔵庫の中身は無いな。」
しばらく無言だった友明が口を開いた。
「メニューは何でもいいですか?」
「ああ。」
「分かりました。それなら買い物します。」
はい、と手を出してくる。
なんの疑問を持たずに、その手を握る。
すると、即座に払われてしまう。
「違うでしょ。お金ください。食料費のお金です。」
ああ、そうか。
「それもそうだな。気が付かなかった。」
財布の中から万札を1枚渡す。
その万札にキスしながら、友明は付け加えてきた。
「私が買い物してる間に、車をここまで持ってきて下さい。」
「お安い御用。」
それでは後程。
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