俺様ボスと私の恋物語

福山ともゑ

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はあぁ…。

香織はこの1月に結婚し、優人も今年中に結婚して妊娠かぁ。
3人姉兄弟で、2人片付くのか。
私には付き合ってる人も居ないし、学生生活もまだ2年ほど残ってるし。
寂しいわ…。

ため息付きつつマンションに戻ろうとしてたらメールが着た。
ひろちゃんからだ。
夜勤明けでそのまま仕事してたけど、これから帰るらしい。
来るのなら来ても良いというメールだ。
どうしようかと、ちょっと考えて返信した。
 「呑みたい気分なので、今日は遠慮します。」と。
すると、すぐに返信が着た。
 「それなら、そっちに行く。美味い酒を貰ったから持って行く」
え、来るの?
徒歩でマンション帰りと、ひろちゃん家から車で私のマンション。
確実に、車の方が早いっ。
ど、どうしよ…。
その気があるなら、拾ってもらおうか。
その事をメールするとOKとの事。
やったね、美味い酒が呑める。

40数分後、1台のベンツがスーパーに入ってくる。
そこのスーパーで買い物をし終わった私を乗せて、友明マンションへと向かう。
昼飯のランチ代が痛かった…、と切に思えた日であった。


マンションに着くと、真っ先にスーツをハンガーに掛けて陰干しをする。
その後、ひろちゃんに飲み物を出す。
赤ワイン2本と白ワイン1本に、日本酒を1本持って来てくれた。
 「思いっきり呑めますね」
 「飲み過ぎるなよ」と言われてしまった。
ひろちゃんを先にシャワーを浴びさせ、私はキッチンに篭る。
夕食にパエリアとサラダを作って、ガーリックパンも焼く。
ひろちゃんがちょうど良い時間に出てきたので、食事できあがりましたよ、と声を掛ける。

この間も思ったのだけど、この人って…、
よく食べるよな、よく飲むし。
身体がデカイから、余計に食べ飲みするのかな?
医者の不養生と言われないようにしないとね。

弟の話題を振ると「兄としては嬉しいような寂しいような感じだろうな」と言われた。
 「付き合ってる人がいれば、また違うのだけど。こればかりはね…」
 「片思いの相手とかは?」
 「え・・・」
 「付き合ってる人がいなくても、好きな人はいないのか?」
 「好きな人もいないです。強いて言うなら・・・」
 「好きなモノは勉強です、っていう言葉ではないだろうな」
は・・・ははは。
 「そういう自分は、どうなんですか?」
腹立つな、まったく・・・。
 「付き合ってる人はいないが、好きな人はいるぞ。完全に片思いだけどな。」
え・・・。
ビックリして何も返事が出来なかった。
お陰で、程好く酔っ払っては気分の良かったのが、一気に酔いがさめたみたいだ。


嬉しそうに幸せそうな表情をしては目元まで優しくなってる。
そんな顔を見てたら、なんかイライラしてきた。
 「紅茶のお代わりいかがですか?」
 「ん。もらおう。」

この俺様野郎に、そういう表情をさせる相手がいるなんて。
ムカつくし、イライラさせられる。
なんか悔しいぞ。

ひろちゃんに紅茶のお代わりを出し、キッチンに戻っては後片付けをした。
そのうちにキッチンの床と壁磨きを黙々としていたが腹立ちは収まらず、リビングの床拭きまでやっていた。
 「大理石の床まで拭くのか?」と聞かれたが、
 「大理石とはいえ、汚れはつきますから。」
食べ終わったら磨くまでしないと、片付けた感が出ないんですよ。
だから、もう少し放っといてくださいね。

嫌味を言われても、今の私には効かない。
あなたをそんな表情にさせた、その人が憎たらしい。
 「ああ、そうだ。寝て帰られますか?」
 「そのつもりで、着替えを持ってきた。」
 「なんか着替えが多くないですか?」
 「数セットほどここに置かせてもらいたい」と言ってきた。
一々着替えに戻るよりも、ここから仕事に行きたいから。

現金な私は、その言葉で気分が浮上してきた。
 「いいですけど、寝室は一部屋しかないんですよ」
 「私の所にくると、一緒に寝てるだろ。」
そうですね、なんででしょうかね?

ちょっと待て、数セットって言った?
数セットって、どういう意味?


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