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叔父VS甥っ子

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マルクは起き上がると、頭を横に振る。
うぅ……と呻くと、目の前に居るヒロトに気が付いた。
 「ヒロト。そいつを、こっちに寄越せ」

ヒロトは、マルクを睨んでいる。
 「マルク。お前は、こいつに何をした?」
 「最初は、あの人に会わせようと思ったが……。どうやら、そいつは何かを知ってる様だ。聞きたい事が、いくつかある」
 「こいつに何を聞きたいんだ?」
 「……まあ、いい。お前も、エドも一緒にドイツに連れて行く。一石三鳥だ」

ヒロトは憮然として言った。
 「ドイツに連れて行ってどうするつもりだ? 爺さんは棺桶に入ったのか?」
 「縁起でもない事を言うなっ」
 「私は言ったんだ。『今度呼ぶ時は、棺桶に入った時にしろ』と」

エドは笑ってるが、マルクは渋い顔になってる。
 「私は聞いてない。ある書類に、お前がサインすれば済む。それだけの話しだ。それに、お前のデータにアクセス出来ないから、色々な場所へ足を運んでいたんだ。エドの所に居るとは思ってもなかったよ。データぐらい開示しろ、……ったく」

マルクは呟いているが、ヒロトは一言だけだった。
 「腕の良いプログラマーが居るからな。そいつに任せてる。それじゃ、帰らせてもらう」

マルクは譲らない。 
 「待て。そいつを置いて行け」

ヒロトも譲らない。
 「諒一は置いてってやるよ」

お前もしつこいな……と呟いたマルクは、もう一度言い放つ。
 「その男もだ」

ヒロトは即答だった。
 「断る!」





ジェットのクルーは悩んだが、ドイツに連絡を入れて指示を仰いだ。
ドイツからの指示は一言だけだった。
 「そのまま、こっちに戻ってこい」

今度は、エドワード様のヘリがある。
だから、そのままドイツに戻ったのだ。
ワープをかけて、最速スピードで。

10分足らずで、ジェットはオーストラリアからドイツの屋敷にあるヘリポートに着いた。

エドワードのヘリはジェットの格納庫から出ると、ヘリポートで給油と点検を済ませた。
これで、帰りのエネルギーは十分にある。
パイロットは、それだけではなく飲食類も運んだ。

勝手知ったる管轄塔に入って行くと、今までに起きた事をリーダーに話したからだ。
その結果での、行動だった。
その時、リーダーの判断で、ある特別な物を付けてくれた。

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