俺様ボスと私の恋物語 ～男の花園～

倒れて敵の手の中に……

くそっ……。
こうなったら腹でも頭でも、どこでも構わんっ。

ッ……！

カランッと、麻酔銃が落ちた。
横目で見ると、誰かが銃を向けている。
今のは、コイツが撃ったのか。
……私に？

邪魔する奴は、誰だろうと撃つ！
リョウイチは叫んでる。
　「マルク、やめろっ！マサッ、逃げろ！」

リョウイチの叫び声はイライラする。
すると、クリニックボスは、この邪魔者に言い放った。
　「マサッ！ジェットを押さえろっ」

ジェットだと？
冗談じゃない、ジェットを押さえられてたまるもんか。
くそっ……。

カチッ、とスイッチを入れてジェットのコクピットに告げる。
　「クルー。ジェットを空に上げろ。今すぐだっ！」

そう言うと、リョウイチに向かって言った。
　「リョウイチ。日本に帰りたければ、ソイツをジェットに乗せろ」

バラバラバラッ……。
ジェットは、空に上がっていく。
ジェットの窓から、誰かがこっちを見ている？
　「来いっ！」

銃を放ち、ボスは倒れた。
　「ボスッ！」と、邪魔者が……。
　「マルク！なにを……」と、リョウイチが叫ぶ。
　「安心しろ。麻酔銃の方だ」

ジェットは、空中をホバリングしている。
　「あのジェットを撃ってみろ。ここに居る奴らを全員、撃ち殺してやる」

カチッ、とスイッチを入れてマルクは告げる。
　「タラップを降ろせ！」
タラップは、するすると降りてくる。
ボスを担いだマルクと、リョウイチがタラップに乗り、ジェットに入っていく。


くっ……。
自分の、目の前で……。
マサは叫んだ。
　「ボースッ！」

ボスを担いでるマルクの声が聞こえる。
　「安心しろ。コイツは生きてる。それにドイツに連れて行くだけだ」


機内では、リョウイチが心配そうにマルクに言う。　
　「マルク。ボスは……」
　「煩い。ボス、ボスと。名前で言えないのかっ」
　「昔から、ボスと呼んでたからな……」
苦笑しながらリョウイチが言ってくる。

ったく。

私室に戻り、ふぅ……と、一息ついた。
何かが首に当たってる感触がある。
振り返ると、見知らぬ奴が居る。
　「貴様、どこから……」
　「私は、ずっとジェットの中に居たよ。急に空に上がったから驚いたけどね」
　「そのワルサーは……」
　「これは私のだ。ところで、ボスをどうするつもりだ？」
　「ふっ。さて、どうしてやろうかな」


違う声が聞こえてきた。
　「タカ。このジェット飛んでるぞ！タカ？どこだっ」
　「ユウマ、落ち着け」

シャッ……、とカーテンが開く。
　「ここか、一体何が……、コイツは」
　「ユウマ。コイツはボスを撃って、これに乗せてる」
　「え……、ボスを？」

マルクは口を挟んできた。
　「ふっ。ネズミは二匹か」

ユウマは、タカに言った。
　「ボスを捜しに行ってくる」
　「ああ、ボスの側に居てくれ」
　「分かった」

数分後。
ユウマはボスと、心配そうにボスを見ている学長を見つけた。
そして、ボスの身体チェックをして、ボスの側に付いた。