131 / 136
(131)レパートリー増えた
しおりを挟む
弘毅は、セキュリティカメラを覗きながら門の様子を見ていた。
なんか、この2人って仲が良さそうな感じだな。
そう思ってると、カメラの視界に文雄さんの姿が見えた。
なんか、立ち止まってるみたいだ。
すると、メールが着た。
開くと、文雄さんからだ。
『今夜は、家に帰る。ユウも一緒に連れて帰るよ。』
仕方ないなと思い、OK!のメールを返した。
しばらく様子を見てると、ユウは兄である文雄さんの手を振り払い、松岡先輩の後を追ってるみたいだ。その後を、文雄さんが追いかけてる。
30分ほど経つと、文雄さんが戻ってきた。
「弘毅。ユウは、どうやらヤリチンと言い合う方を選んだみたいだ。もしかしたら、明日はここに来るかもしれないな…」
「あの2人って、仲が良さそうに見えるけど」
「止めてくれっ!もし、あの2人が…、そ、その・・そういう関係って、考えるだけでも嫌だっ。」
「自分は良くて、弟は嫌なの?」
「そうだっ」
即答だった。
でも、翌日になっても、翌週になってもユウは来ない。
だから、俺は安心して夏休みを過ごしていた。
そして、夏休みも終わろうとしていた、ある日。
買い物から帰ってくると、ユウは松岡先輩と一緒に俺の家の門の前に居た。
「お帰り、コウキ」
2人が仲良く、ハモッてくる。
思わず、くすっ…と笑って返してしまった。
「ただいま」
いきなりユウに聞かれた。
「コウキ。夕食は何?」
「え…、カレーかな」
カレーやシチューは焦がすことなく作ってくれる。
そう、今日は文雄さんが夕食を作ってくれる日だ。
洗濯も仕分けや洗剤の量も失敗することなく出来る様になってるので任せても大丈夫なので、俺は少しは気が楽になっている。
ユウの声が続いてる。
「カレーかあ。夏はカレーが一番だよね。一緒に食べたい!」
そう言っては、ユウはさっさと門の中をくぐり抜けて入っていく。
「え、一緒にって…」
「おばさん、不用心ですよー。鍵が開きっぱなしだ。お邪魔しまーす!」
「え…、う、うわっ。待って、ちょっと待って。ユウ、待って…」
いきなり大声が聞こえた。
「文兄?なんで、文兄がいるの?」
「え?ユウ…、なんで、ここに?」
あちゃー…。
俺は目を覆って下を向いた。
ユウと文雄さんの声がキッチンから聞こえてくる。
「しかも、文兄…、その恰好」
「ユウこそ、なんで、ここに居る?」
「コウキを待っていたんだ。ベル鳴らしても出てこないから。5分ほど門の前に居たら、買い物袋を持ったコウキが帰ってきたから…。
で、話逸らさないでくれる?なんで文兄は、ここに居るの?」
「その前に…。お前の後ろに居る奴は誰だ?」
その言葉に、ユウは後ろをチラッと振り返ると、顔を赤らめた。
「コウキにも、文兄にも言っとく。ヤスオさんは、俺の恋人だから。」
その言葉に、俺だけでなく文雄さんも驚いた。
「こっ・・、こいびとっ?」
「まっ、松岡先輩と?」
凄く衝撃を受けた。
松岡先輩は、俺に言ってくる。
「でもね、コウキ。俺に抱かれたいと思ってるのなら、すぐにでも抱くよ。」
「ちょっと、ヤスオさん。」
「ユウを怒らせると、凄く可愛くなるんだよな」
「俺は、コウキの事を諦めたわけではないからなっ」
「それは俺も同じだよ」
本当に、ショックな言葉だな。
キッチンシンクに凭れると、テーブルの上の皿に気が付いた。
俺は、副会長に聞いていた。
「ねえ、これって買ったの?」
「え…?いや、本を見て作った」
「カレーかと思って、野菜サラダにしようと買って帰ってきたんだけど」
「そろそろレパートリーを増やそうかな、と思ってな…」
ユウの驚いた声が聞こえてくる。
「ふ、文兄が、料理を…?」
ほら、と言われ、箸を差し出された弘毅は口に含む。
んっ…、とパクつき食べると、意外にも美味しい。
「うんっ。美味しい。」
キャベツの千切り、上手になりましたね。人参もピーラー使いが上手になってるし。
なんと言っても、あっさりの味付けは夏向きですよね。
そう言うと、文雄さんは嬉しそうな表情になった。
俺は買ってきた物を冷蔵庫に入れていった。
「で、文兄は、何でここに居るの?」
ユウのとげとげしい物言いの言葉が、聞こえてきた。
なんか、この2人って仲が良さそうな感じだな。
そう思ってると、カメラの視界に文雄さんの姿が見えた。
なんか、立ち止まってるみたいだ。
すると、メールが着た。
開くと、文雄さんからだ。
『今夜は、家に帰る。ユウも一緒に連れて帰るよ。』
仕方ないなと思い、OK!のメールを返した。
しばらく様子を見てると、ユウは兄である文雄さんの手を振り払い、松岡先輩の後を追ってるみたいだ。その後を、文雄さんが追いかけてる。
30分ほど経つと、文雄さんが戻ってきた。
「弘毅。ユウは、どうやらヤリチンと言い合う方を選んだみたいだ。もしかしたら、明日はここに来るかもしれないな…」
「あの2人って、仲が良さそうに見えるけど」
「止めてくれっ!もし、あの2人が…、そ、その・・そういう関係って、考えるだけでも嫌だっ。」
「自分は良くて、弟は嫌なの?」
「そうだっ」
即答だった。
でも、翌日になっても、翌週になってもユウは来ない。
だから、俺は安心して夏休みを過ごしていた。
そして、夏休みも終わろうとしていた、ある日。
買い物から帰ってくると、ユウは松岡先輩と一緒に俺の家の門の前に居た。
「お帰り、コウキ」
2人が仲良く、ハモッてくる。
思わず、くすっ…と笑って返してしまった。
「ただいま」
いきなりユウに聞かれた。
「コウキ。夕食は何?」
「え…、カレーかな」
カレーやシチューは焦がすことなく作ってくれる。
そう、今日は文雄さんが夕食を作ってくれる日だ。
洗濯も仕分けや洗剤の量も失敗することなく出来る様になってるので任せても大丈夫なので、俺は少しは気が楽になっている。
ユウの声が続いてる。
「カレーかあ。夏はカレーが一番だよね。一緒に食べたい!」
そう言っては、ユウはさっさと門の中をくぐり抜けて入っていく。
「え、一緒にって…」
「おばさん、不用心ですよー。鍵が開きっぱなしだ。お邪魔しまーす!」
「え…、う、うわっ。待って、ちょっと待って。ユウ、待って…」
いきなり大声が聞こえた。
「文兄?なんで、文兄がいるの?」
「え?ユウ…、なんで、ここに?」
あちゃー…。
俺は目を覆って下を向いた。
ユウと文雄さんの声がキッチンから聞こえてくる。
「しかも、文兄…、その恰好」
「ユウこそ、なんで、ここに居る?」
「コウキを待っていたんだ。ベル鳴らしても出てこないから。5分ほど門の前に居たら、買い物袋を持ったコウキが帰ってきたから…。
で、話逸らさないでくれる?なんで文兄は、ここに居るの?」
「その前に…。お前の後ろに居る奴は誰だ?」
その言葉に、ユウは後ろをチラッと振り返ると、顔を赤らめた。
「コウキにも、文兄にも言っとく。ヤスオさんは、俺の恋人だから。」
その言葉に、俺だけでなく文雄さんも驚いた。
「こっ・・、こいびとっ?」
「まっ、松岡先輩と?」
凄く衝撃を受けた。
松岡先輩は、俺に言ってくる。
「でもね、コウキ。俺に抱かれたいと思ってるのなら、すぐにでも抱くよ。」
「ちょっと、ヤスオさん。」
「ユウを怒らせると、凄く可愛くなるんだよな」
「俺は、コウキの事を諦めたわけではないからなっ」
「それは俺も同じだよ」
本当に、ショックな言葉だな。
キッチンシンクに凭れると、テーブルの上の皿に気が付いた。
俺は、副会長に聞いていた。
「ねえ、これって買ったの?」
「え…?いや、本を見て作った」
「カレーかと思って、野菜サラダにしようと買って帰ってきたんだけど」
「そろそろレパートリーを増やそうかな、と思ってな…」
ユウの驚いた声が聞こえてくる。
「ふ、文兄が、料理を…?」
ほら、と言われ、箸を差し出された弘毅は口に含む。
んっ…、とパクつき食べると、意外にも美味しい。
「うんっ。美味しい。」
キャベツの千切り、上手になりましたね。人参もピーラー使いが上手になってるし。
なんと言っても、あっさりの味付けは夏向きですよね。
そう言うと、文雄さんは嬉しそうな表情になった。
俺は買ってきた物を冷蔵庫に入れていった。
「で、文兄は、何でここに居るの?」
ユウのとげとげしい物言いの言葉が、聞こえてきた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
112
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる