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(127)卒業式 贈る言葉
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そして、3月1日。
今日は卒業式、俺は送る側代表で挨拶をする。
泣かない、泣かないんだ。晴れの日なんだからな。そうだよ、学校は卒業しても、これからは毎日一緒に居るんだから。
うん、そう思うと気が楽になった。
俺は、極々短めにした。
「3年生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
これからは色々な事があると思います。
私は、高校時代に培ったものは永遠ものだと思ってます。
皆さんが過ごされたこの年月は、無ではない、と確証しております。
人生に間違いというものはないと思っております。どの様に生きても、誰がそれは間違いだ、と言われるのでしょうか?そう思えるのは、未来に居るだろう皆さん自身だけだと思っております。
全ての行動には意味がある。私は、そう思っております。
これからの生活を楽しんでください。
保護者の皆様も、本日はおめでとうございます。
これからの皆々様の、ご健勝ならびに益々の御健闘とご活躍。心よりお祈り申し上げます。
在校生代表、松井弘毅。」
終わった・・・・・・。
やっと、一大イベントが1つ終わった。
次は入学式だ。
卒業式が終わった10日後。
荷物と共に恋人は来た。
家の鍵は、クリスマスプレゼントとして贈っていたから、それを使ったのだろう。
自転車で4往復したらしい。
車だと1回で済むのに。
そう言うと、「親には言ってあるけど、兄弟に色々と詮索されたくない」と返してきた。
それに暇だしと…。
気になってる事を、聞いた。
「で、大学は?」
「ん・・・」
「入学の合否は?」
ジャジャジャジャーン!と効果音を歌って、教えてくれた。
「通知は3日前に届いたんだ。合格だよ。」
「おめでとうございます!」
抱き付いたら、耳元で大学名を言ってくれる。
思わず言っていた。
「それって…、海の沖にある・・いてっ…」
「それは灯台。俺が言ってるのは国立東響大学だ。
お前、お父ちゃんと同じ事を言ってるぞ。もろ影響を受けてるじゃないかっ」
デコピンされたけど、さすがの頭の持ち主だな。
現役で灯台・・、いや東響大学だなんて、東京大学と同レベルの大学じゃないかっ。
東京大学は遠いので、昨年の9月に希望大学を変更したらしい。
ここからは、自転車で約10分。歩けば20分位の所にあるキャンパスだそうだ。
自分の家からだと自転車で50分は掛かるそうだ。
「歩けばどれぐらい?」
「1時間半位かな…」
遠いねえ…。
俺は、ずっと思ってるんだよ。
副会長呼びは止めた方が良いのは分かってる、という事をね。
でも、慣れしたんだ呼び方は、急には止められない。
エッチする時は、別に良いんだよな。
そして、学年末試験も終わり、春休み。
春休みの間は、定休日以外は毎日バイトに行ってる。
副会長だった恋人は、俺が春休みに入った翌週から、大学に通いだした。
なにやら、学部によって違うみたいだ。
4月3日の入学式が終わると、バイト斡旋掲示板を見て家庭教師のバイトをやり出した。
1人は小学生で、もう1人は高校生の、二人だ。週に4日は家庭教師をしている。
勉強を教えるのは上手だからな。
俺も教えて貰ってるから、よく分かる。
俺は、4月6日の入学式の挨拶も、無事に終えることが出来た。
部への勧誘パフォーマンスには出なかった。
なにしろ、生徒会長と並行しての部活は出来なさそうだったから、軽音部は退部したのだ。
文化祭の時、俺が名付けた『ブラック』は、少しメンバーが変わった。
ドラム 泰之(3年)
ギター 俊哉(2年)
ベース 透(2年)、大地(2年)
ボーカル 賢司(2年)
ダンサー 秋彦(2年)、達也(2年)、広志(3年)
以上8人に、もう2人増えたのだ。
一人は、暴走グループで先陣を取っていた人物。
3年生の高邑靖弘(タカムラ ヤスヒロ) ボーカル、ギター
松井グループの、高邑副総帥の一人息子だ。
ちなみに、ボーカルの賢司は、松井グループの胡桃沢副総帥の次男だ。
そして、弘毅と同級になった透は、松井グループの新見副総帥の長男だ。
そして、ダンサーの秋彦は、同じく松井グループの永谷副総帥の次男だ。
松井グループのトップである松井CEOの一人息子の弘毅を含めたこの5人は、松井グループを芸能面にも手を広げるきっかけを作る事となった。
5人居る副総帥の内の4人が宮田学園に集まったのは、4家共に財力が同じなのだろう。
そして、もう一人は、無気力グループに居た人物。
2年生の渡部琉(ワタベ リュウ) フルートやクラリネットの吹奏経験者
日中のハーフであり、母親は香港マフィアボスの末妹。
そう、ふさふさ髪の宮田理事は、この渡部琉をも気にかけていたのだ。
なにしろ、大学時代では一番仲が良かったワンの従弟だからだ。
ワンの父親が、琉の母親の長兄で仲良かったらしい。だからなのか、ワンと似ている感がある。
その琉が、自分から動いてくれた。
もう、心残りは無い。
松井君。
君は、本当にボスに似ている。
せめて、あと2年間は見守りたい。
今日は卒業式、俺は送る側代表で挨拶をする。
泣かない、泣かないんだ。晴れの日なんだからな。そうだよ、学校は卒業しても、これからは毎日一緒に居るんだから。
うん、そう思うと気が楽になった。
俺は、極々短めにした。
「3年生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
これからは色々な事があると思います。
私は、高校時代に培ったものは永遠ものだと思ってます。
皆さんが過ごされたこの年月は、無ではない、と確証しております。
人生に間違いというものはないと思っております。どの様に生きても、誰がそれは間違いだ、と言われるのでしょうか?そう思えるのは、未来に居るだろう皆さん自身だけだと思っております。
全ての行動には意味がある。私は、そう思っております。
これからの生活を楽しんでください。
保護者の皆様も、本日はおめでとうございます。
これからの皆々様の、ご健勝ならびに益々の御健闘とご活躍。心よりお祈り申し上げます。
在校生代表、松井弘毅。」
終わった・・・・・・。
やっと、一大イベントが1つ終わった。
次は入学式だ。
卒業式が終わった10日後。
荷物と共に恋人は来た。
家の鍵は、クリスマスプレゼントとして贈っていたから、それを使ったのだろう。
自転車で4往復したらしい。
車だと1回で済むのに。
そう言うと、「親には言ってあるけど、兄弟に色々と詮索されたくない」と返してきた。
それに暇だしと…。
気になってる事を、聞いた。
「で、大学は?」
「ん・・・」
「入学の合否は?」
ジャジャジャジャーン!と効果音を歌って、教えてくれた。
「通知は3日前に届いたんだ。合格だよ。」
「おめでとうございます!」
抱き付いたら、耳元で大学名を言ってくれる。
思わず言っていた。
「それって…、海の沖にある・・いてっ…」
「それは灯台。俺が言ってるのは国立東響大学だ。
お前、お父ちゃんと同じ事を言ってるぞ。もろ影響を受けてるじゃないかっ」
デコピンされたけど、さすがの頭の持ち主だな。
現役で灯台・・、いや東響大学だなんて、東京大学と同レベルの大学じゃないかっ。
東京大学は遠いので、昨年の9月に希望大学を変更したらしい。
ここからは、自転車で約10分。歩けば20分位の所にあるキャンパスだそうだ。
自分の家からだと自転車で50分は掛かるそうだ。
「歩けばどれぐらい?」
「1時間半位かな…」
遠いねえ…。
俺は、ずっと思ってるんだよ。
副会長呼びは止めた方が良いのは分かってる、という事をね。
でも、慣れしたんだ呼び方は、急には止められない。
エッチする時は、別に良いんだよな。
そして、学年末試験も終わり、春休み。
春休みの間は、定休日以外は毎日バイトに行ってる。
副会長だった恋人は、俺が春休みに入った翌週から、大学に通いだした。
なにやら、学部によって違うみたいだ。
4月3日の入学式が終わると、バイト斡旋掲示板を見て家庭教師のバイトをやり出した。
1人は小学生で、もう1人は高校生の、二人だ。週に4日は家庭教師をしている。
勉強を教えるのは上手だからな。
俺も教えて貰ってるから、よく分かる。
俺は、4月6日の入学式の挨拶も、無事に終えることが出来た。
部への勧誘パフォーマンスには出なかった。
なにしろ、生徒会長と並行しての部活は出来なさそうだったから、軽音部は退部したのだ。
文化祭の時、俺が名付けた『ブラック』は、少しメンバーが変わった。
ドラム 泰之(3年)
ギター 俊哉(2年)
ベース 透(2年)、大地(2年)
ボーカル 賢司(2年)
ダンサー 秋彦(2年)、達也(2年)、広志(3年)
以上8人に、もう2人増えたのだ。
一人は、暴走グループで先陣を取っていた人物。
3年生の高邑靖弘(タカムラ ヤスヒロ) ボーカル、ギター
松井グループの、高邑副総帥の一人息子だ。
ちなみに、ボーカルの賢司は、松井グループの胡桃沢副総帥の次男だ。
そして、弘毅と同級になった透は、松井グループの新見副総帥の長男だ。
そして、ダンサーの秋彦は、同じく松井グループの永谷副総帥の次男だ。
松井グループのトップである松井CEOの一人息子の弘毅を含めたこの5人は、松井グループを芸能面にも手を広げるきっかけを作る事となった。
5人居る副総帥の内の4人が宮田学園に集まったのは、4家共に財力が同じなのだろう。
そして、もう一人は、無気力グループに居た人物。
2年生の渡部琉(ワタベ リュウ) フルートやクラリネットの吹奏経験者
日中のハーフであり、母親は香港マフィアボスの末妹。
そう、ふさふさ髪の宮田理事は、この渡部琉をも気にかけていたのだ。
なにしろ、大学時代では一番仲が良かったワンの従弟だからだ。
ワンの父親が、琉の母親の長兄で仲良かったらしい。だからなのか、ワンと似ている感がある。
その琉が、自分から動いてくれた。
もう、心残りは無い。
松井君。
君は、本当にボスに似ている。
せめて、あと2年間は見守りたい。
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