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(115)至る所で、カミングアウト
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3階の談話室に行き、声を掛ける。
「おはようございます。」
「おはよー」 「おはようっ」…と、声が返ってくる。
昌平さんも、声を掛ける。
「おっはよー」
「あー、昌平さんだっ」 「昌平、生きてたか」 「今度は、どこ行ってたんだ?」とか、返ってくる。
俺は店長の姿を見つけ、副会長の手を引っ張って行った。
「店長、おはようございます。こちらが、先程電話で話した人です。」
「おはよう、弘毅君。そう、名前を教えてもらえるかな?」
「宮田文雄です。」
「宮田君ね。今日は見学、体験どちらでも良いよ。」
すると、違う声が割って入って来た。
「店長、おはようございます。ねえ、見学でなく、俺と一勝負してよ。俺、君に1回も勝った試しがないんだよ。でも、今はあの頃とは違う。体力も腕力も付いた。どう?文雄君。」
(え、誰?)
先に店長が返した。
「知り合いか?」
「はい。小学生の時、少年剣士でした。何回か試合で当たったのですが…。恥ずかしながら一度も勝ったことが無かったんです。それとも、俺の事忘れた?チビ剣士…」
(チビ剣士?)
副会長は、と見ると…。
目を瞠ってる。
「もう剣道はしてないから…」
「それは残念。」
俺は、店長に言っていた。
「あ、そうだ。店長と同じ大学だったんですね、あの理事長。昨日、聞いて驚きました。」
「理事…、ああ、基典か。あいつも災難だよな。私たち10人の代わりに目を付けられて…。
弘毅、今日はスリー・ポイントの復習からだ。」
「はい、分かりました。」
「君は…」
「弘毅のを見てみたいです。」
「どうぞ。」
胴着の必要なのは剣道だけで、他は私服でやっている。
弘毅は、荷物を持ったまま4階に向かってる。
コンコンッとノックをして「おはようございます」と挨拶しながら入って行く。
弘毅の後を付いて、俺も入った。
・・・・・!
横に跳んでかわした。
かわさなかったら、俺は縄で張り倒されていただろう。
「へえ…。運動神経良いねえ。ルックスは今一だけど…」
その声に、弘毅が応じてる。
「いきなりは止めてっ。見学者なんだからっ。」
「弘毅を目掛けていたんだけどねー」
「おや、そう?残念だったね、ドモン君。」
「ツチカドだって、言ってるだろっ!わざと間違えるなっ。」
「おい、健(タケル)。高校生相手に本気出すなよな」
「ツチカド、タケル?ツチカドって…、あの健かっ?」
「うん…。あんた誰?」
「ふみ・・、宮田文雄」
「えっ…。二刀・・」
シーシー・・・。
「なるほど、運動神経が良いのは納得した。で、片割れは?」
「居ない。今日は、弘毅のを見に来ただけだ。」
「弘毅と、どういう関係?」
「恋人だ。」
「こっ・・・」
「副会長ーーーーーーー!!!
まったく、この人は…。学習能力無いんですかっ?人前で、そういう事は言わないで下さいっ。
人前での言動は控えて、謹んでっ!と、あれほど言ってるのに…。」
なのに、副会長はズケズケと言ってくる。
「言わないと、虫が寄ってくる。」
「はあ?意味、分からないんですけど…」
違う声が割り込んできた。
「なるほどね。だから、あの時、助けに入ったのか…」
昌平さんだ。
「昌平さん、お帰りなさい。何か知ってるの?」
と、健は知りたがってるみたいだ。
昌平さんは、俺に伺いを立ててくる。
「言っても良い?」
「はい」と返すと、昌平さんは文化祭での事を話した。
健なんて、これだった。
「まあ、文ちゃんって男らしーっ」
文ちゃんって…。
でも、副会長は言い張っていた。
「目の前で、自分の恋人を7階の上から突き落とされるのを見てみろ。どう思う?」
健は、即答していた。
「まあ、知らされていなかったらパニクるよな」
だけど、他の皆も同じことを言っていた。
「いや、知らされていてもパニクるだろう。」
はいはい、どうせ俺のせいですよ…。
「おはようございます。」
「おはよー」 「おはようっ」…と、声が返ってくる。
昌平さんも、声を掛ける。
「おっはよー」
「あー、昌平さんだっ」 「昌平、生きてたか」 「今度は、どこ行ってたんだ?」とか、返ってくる。
俺は店長の姿を見つけ、副会長の手を引っ張って行った。
「店長、おはようございます。こちらが、先程電話で話した人です。」
「おはよう、弘毅君。そう、名前を教えてもらえるかな?」
「宮田文雄です。」
「宮田君ね。今日は見学、体験どちらでも良いよ。」
すると、違う声が割って入って来た。
「店長、おはようございます。ねえ、見学でなく、俺と一勝負してよ。俺、君に1回も勝った試しがないんだよ。でも、今はあの頃とは違う。体力も腕力も付いた。どう?文雄君。」
(え、誰?)
先に店長が返した。
「知り合いか?」
「はい。小学生の時、少年剣士でした。何回か試合で当たったのですが…。恥ずかしながら一度も勝ったことが無かったんです。それとも、俺の事忘れた?チビ剣士…」
(チビ剣士?)
副会長は、と見ると…。
目を瞠ってる。
「もう剣道はしてないから…」
「それは残念。」
俺は、店長に言っていた。
「あ、そうだ。店長と同じ大学だったんですね、あの理事長。昨日、聞いて驚きました。」
「理事…、ああ、基典か。あいつも災難だよな。私たち10人の代わりに目を付けられて…。
弘毅、今日はスリー・ポイントの復習からだ。」
「はい、分かりました。」
「君は…」
「弘毅のを見てみたいです。」
「どうぞ。」
胴着の必要なのは剣道だけで、他は私服でやっている。
弘毅は、荷物を持ったまま4階に向かってる。
コンコンッとノックをして「おはようございます」と挨拶しながら入って行く。
弘毅の後を付いて、俺も入った。
・・・・・!
横に跳んでかわした。
かわさなかったら、俺は縄で張り倒されていただろう。
「へえ…。運動神経良いねえ。ルックスは今一だけど…」
その声に、弘毅が応じてる。
「いきなりは止めてっ。見学者なんだからっ。」
「弘毅を目掛けていたんだけどねー」
「おや、そう?残念だったね、ドモン君。」
「ツチカドだって、言ってるだろっ!わざと間違えるなっ。」
「おい、健(タケル)。高校生相手に本気出すなよな」
「ツチカド、タケル?ツチカドって…、あの健かっ?」
「うん…。あんた誰?」
「ふみ・・、宮田文雄」
「えっ…。二刀・・」
シーシー・・・。
「なるほど、運動神経が良いのは納得した。で、片割れは?」
「居ない。今日は、弘毅のを見に来ただけだ。」
「弘毅と、どういう関係?」
「恋人だ。」
「こっ・・・」
「副会長ーーーーーーー!!!
まったく、この人は…。学習能力無いんですかっ?人前で、そういう事は言わないで下さいっ。
人前での言動は控えて、謹んでっ!と、あれほど言ってるのに…。」
なのに、副会長はズケズケと言ってくる。
「言わないと、虫が寄ってくる。」
「はあ?意味、分からないんですけど…」
違う声が割り込んできた。
「なるほどね。だから、あの時、助けに入ったのか…」
昌平さんだ。
「昌平さん、お帰りなさい。何か知ってるの?」
と、健は知りたがってるみたいだ。
昌平さんは、俺に伺いを立ててくる。
「言っても良い?」
「はい」と返すと、昌平さんは文化祭での事を話した。
健なんて、これだった。
「まあ、文ちゃんって男らしーっ」
文ちゃんって…。
でも、副会長は言い張っていた。
「目の前で、自分の恋人を7階の上から突き落とされるのを見てみろ。どう思う?」
健は、即答していた。
「まあ、知らされていなかったらパニクるよな」
だけど、他の皆も同じことを言っていた。
「いや、知らされていてもパニクるだろう。」
はいはい、どうせ俺のせいですよ…。
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