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(111)鬼ごっこ
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理事長室から出ると、俺は逃げる様に教室へ戻った。
その俺を摑まえようとする3人が追いかけてくる。
「待てっ、弘毅っ!」と、副会長が。
「分かるように説明してっ」と、高田先輩が。
「なにがどうなってるんだ?」と、生徒会長が。
3人が一斉に俺を摑まえてこようと走ってくる。
俺は中央階段を一気に3階分ジャンプして教室に。
高田先輩の声が聞こえる。
「フミオ、お前も飛ぶんだっ!」
「俺は、下へと飛び降りるのは7階でも10階でも飛び降りれる。
だが、上へと飛ぶのは2mが限界なんだっ。お前も知ってるだろっ」
「この役立たずっ」
階段を2段飛ばしで上がってきてる音を聞きながら、自分の教室より一つ上の階に行って、そこから西廊下を利用して本館まで行き、地階1階まで下りきった所にある自転車置き場に向かい、自転車に乗って帰った。
帰宅後、俺は宮田にメールした。
さて、夕食を食べたら寝るか。
文化祭が終わってから、お母ちゃんはお父ちゃんと一緒に向こうに行ったし。
一人分の食事なんて作る気は起きない。
あ、いや違った…。
今日は振替でピアノのレッスンが入ってるんだ。
タイミング良く、ピンポーンと鳴った。
俺は一人になるのでセキュリティカメラを付けて貰ったのだ。
もちろん、お父ちゃんに頼んで。
まさか、お父ちゃんと店長が知り合いだなんて思いもしなかった。
その店長作のカメラを取り付けて、我が家のセキュリティも強化された。
なにやら、店長は嬉しそうに取り付けてくれていた。
よくよく聞くと、同期で卒業したらしい。
店長は医学だから24歳だけど、お父ちゃんは経営で22歳。
お父ちゃんの方が2歳年下なんだ。
そのセキュリティカメラを覗きこみ、そして玄関に行き玄関ミラーも覗くと同一人物だと分かった。
そこで、俺は玄関を開けた。
「いらっしゃい、直行君。」
「こんにちはー。コウキ先生。」
50分後にはレッスンも終わり、いつも通りに玄関まで見送った。
「それじゃ、次は来週の火曜日だね。気を付けて帰ってね。」
「ありがとうございました。」
すると、声が聞こえてきた。
「ピアノのレッスンか。それなら、俺も受けたいな。」
思わず、声のした方を振り向いてしまった。
げっ…、なんでここに?
「さ、さようならっ」
「なにが、さようならだっ」
ドアを閉めようとしたら、副会長の手と足が邪魔してくる。
「弘毅っ!さっきの事を話してもらうぞっ」
ドアを内側に閉めようとする俺の力と、外側に開こうとする副会長の力。
うう…、もう駄目だ。
そう思うと、ドアが開いてしまった。
すかさず、俺はどこかに身を潜めた。
バタンとドアは閉まり、副会長はご丁寧にも鍵まで掛けてくれたみたいだ。
カチッと、鍵の閉まる音が聞こえる。
さあ、どうしよう。
暫らくすると、耳元で声がする。
「見つけた」
「うわっ」
抱きかかえられてしまった。
「ちょっ…」
副会長は俺を抱きかかえたまま2階に上がっていく。
まるで俺の部屋を知ってるようだ。
そして副会長は、ある部屋のドアの前で立ち止まった。
うん、俺の部屋はそこだよ。
ドアを開けた副会長は、迷わずベッドに向かってる。
そのベッドに押し倒され、俺の上に乗っかってくる。
まさか、抱かれるのか?
そう思うと、俺は言っていた。
「お…」
「下りない」
「違うっ」
「なにが?」
「重いっ」
「下りる気は全く無い!」
言い切られてしまった。
「それに、お前は抱かれないと素直に言わないからな。久しぶりに抱かせて貰う。」
そう言いながら、副会長は自分の服を脱ぎ出した。
上半身が裸になり、ペンダントが首に掛かってるのが見える。
俺が副会長の誕生日にプレゼントした物だ。
その俺を摑まえようとする3人が追いかけてくる。
「待てっ、弘毅っ!」と、副会長が。
「分かるように説明してっ」と、高田先輩が。
「なにがどうなってるんだ?」と、生徒会長が。
3人が一斉に俺を摑まえてこようと走ってくる。
俺は中央階段を一気に3階分ジャンプして教室に。
高田先輩の声が聞こえる。
「フミオ、お前も飛ぶんだっ!」
「俺は、下へと飛び降りるのは7階でも10階でも飛び降りれる。
だが、上へと飛ぶのは2mが限界なんだっ。お前も知ってるだろっ」
「この役立たずっ」
階段を2段飛ばしで上がってきてる音を聞きながら、自分の教室より一つ上の階に行って、そこから西廊下を利用して本館まで行き、地階1階まで下りきった所にある自転車置き場に向かい、自転車に乗って帰った。
帰宅後、俺は宮田にメールした。
さて、夕食を食べたら寝るか。
文化祭が終わってから、お母ちゃんはお父ちゃんと一緒に向こうに行ったし。
一人分の食事なんて作る気は起きない。
あ、いや違った…。
今日は振替でピアノのレッスンが入ってるんだ。
タイミング良く、ピンポーンと鳴った。
俺は一人になるのでセキュリティカメラを付けて貰ったのだ。
もちろん、お父ちゃんに頼んで。
まさか、お父ちゃんと店長が知り合いだなんて思いもしなかった。
その店長作のカメラを取り付けて、我が家のセキュリティも強化された。
なにやら、店長は嬉しそうに取り付けてくれていた。
よくよく聞くと、同期で卒業したらしい。
店長は医学だから24歳だけど、お父ちゃんは経営で22歳。
お父ちゃんの方が2歳年下なんだ。
そのセキュリティカメラを覗きこみ、そして玄関に行き玄関ミラーも覗くと同一人物だと分かった。
そこで、俺は玄関を開けた。
「いらっしゃい、直行君。」
「こんにちはー。コウキ先生。」
50分後にはレッスンも終わり、いつも通りに玄関まで見送った。
「それじゃ、次は来週の火曜日だね。気を付けて帰ってね。」
「ありがとうございました。」
すると、声が聞こえてきた。
「ピアノのレッスンか。それなら、俺も受けたいな。」
思わず、声のした方を振り向いてしまった。
げっ…、なんでここに?
「さ、さようならっ」
「なにが、さようならだっ」
ドアを閉めようとしたら、副会長の手と足が邪魔してくる。
「弘毅っ!さっきの事を話してもらうぞっ」
ドアを内側に閉めようとする俺の力と、外側に開こうとする副会長の力。
うう…、もう駄目だ。
そう思うと、ドアが開いてしまった。
すかさず、俺はどこかに身を潜めた。
バタンとドアは閉まり、副会長はご丁寧にも鍵まで掛けてくれたみたいだ。
カチッと、鍵の閉まる音が聞こえる。
さあ、どうしよう。
暫らくすると、耳元で声がする。
「見つけた」
「うわっ」
抱きかかえられてしまった。
「ちょっ…」
副会長は俺を抱きかかえたまま2階に上がっていく。
まるで俺の部屋を知ってるようだ。
そして副会長は、ある部屋のドアの前で立ち止まった。
うん、俺の部屋はそこだよ。
ドアを開けた副会長は、迷わずベッドに向かってる。
そのベッドに押し倒され、俺の上に乗っかってくる。
まさか、抱かれるのか?
そう思うと、俺は言っていた。
「お…」
「下りない」
「違うっ」
「なにが?」
「重いっ」
「下りる気は全く無い!」
言い切られてしまった。
「それに、お前は抱かれないと素直に言わないからな。久しぶりに抱かせて貰う。」
そう言いながら、副会長は自分の服を脱ぎ出した。
上半身が裸になり、ペンダントが首に掛かってるのが見える。
俺が副会長の誕生日にプレゼントした物だ。
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