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(100)理事長から処分申し渡す
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生徒会長は、俺を睨んで言ってくる。
「それと、校内放送では入らなかった言葉がある。
ベランダと新館屋上でのやり取りだ。そのやり取りが聞こえたのは、生徒会の人間だけだ。」
え、それはどういう意味なのだろう。
副会長2人は何かに気付いたのか、宮田副会長は俺の襟元についてる連絡バッジを引ったくると、じっ…と見て呟いた。
全部オープンになってる…。
俺は何のことか分からず、聞いた。
「オープンって何?」
「生徒会役員以外はクローズだよ。オープンになるのは、一つだけだ。」
向井先輩が答えてくれた。
「放送室でガタガタとしてたみたいだから、その時にスイッチが全部オープンに切り替わったんだろう。」
生徒会長は、俺に言ってきた。
「コウキ。お前は後でたっぷりと絞ってやる。先にあっちだ。」
あっちだ、と言われ示された方に目をやると、担任が居た。
おいでおいでと、手招きをされた。
「申し訳ありませんでした」
そう言って一礼しては、俺は担任の所へ走って行った。
担任は、呆れ顔だった。
「お前ねぇ…。まあ、無事で良かったよ」
「ごめんなさい…」
ぽんぽんと頭を叩かれ、言われた。
「これから理事長室だ。どんな処分を受けるのか分からんが、覚悟しろよ」
「はい…」
これだけしか言えなかった。
理事長室に行きながら、俺は考えていた。
(うーん…。自宅謹慎か、それとも停学か、もしくは退学になるのかなあ…)
重厚な扉の前に、二人一緒に並び担任がノックをした。
コンコン。
「はい」
「失礼します。連れて来ました。」
担任が、先に入れと言ってくるので、先に入って口を開いた。
「先程は、大変ご迷惑をかけ、申し訳ありませんでした。」
もっと近くへ、と言われたが、怖くて近寄れない。
そんな俺を、担任は引きずってくれる。
「松井弘毅君」
「はっ、はい。」
「君は、自分が何をしたのか分かってるのか?」
「はい。文化祭を楽しまれてる方の邪魔をしました…」
「文化祭は楽しくないか?」
「いえ、楽しいです。」
「なら、一つだけ聞こう。君は、なぜ放送室に居た?」
「居たのは、4階です。」
「4階?」
「はい。プラネタリウムを見ようと思って、時間があったので色々と見て回ってました。」
「放送室は4階にあったのかな?」
「いえ、もう一つ上の階です。」
じっ…と見据えてくる理事長に、俺は正直に話した。
4階に居て、色々と見て回って、買ったり楽しんでいた。軽音の先輩と会って、その先輩に手を摑まえられ連れて行かれた先が5階だった。
逃げようとしたら、階段ではなく部屋だった。そこが放送室だとは思っても無かった。
そんな俺をじっと見てくる理事長は、暫らくすると口を開いてきた。
「1年3組、松井弘毅君。」
「はいっ!」
「君の処分は決まった」
「はい…」
「明日、明後日とゆっくり休んで、来週の火曜から通学してくるように。」
「はいっ。申し訳ありませんでした。」
深々とお辞儀をして、言われた言葉を反芻していた。
(え…、なに、火曜から通学?)
下げてた頭を上げると、担任も驚いたみたいで聞いていた。
「理事…、どういう」
「ハゲの理事長が居たら、君は自宅謹慎になっていただろう。だが、あのハゲは今週の月曜から1ヶ月間休むと言って、理事は私だけだ。
その私が言ってるんだ。通常授業に、通常部活…、ああ、バイトもしてるか。
それに、病院に行って診て貰え。」
「病院、ですか?」
「その顔色の悪さは緊張とか恐怖等からくるものでは無い。
おそらく、どこか固い所に頭をぶつけたが為に、頭が重く感じ痛みがあるのだろう。ずっしりと重く感じてるのではないかな。脳外と整形に行って診てもらうんだな。」
誰にも気付かれずに、しかも誰にも言わなかった事を、すぐに見破られるとは…。
さすが理事長だな。そう思うと、さっきよりも深々とお辞儀をしては理事長室を出た。
「あ…、ありがとうございますっ!」
「それと、校内放送では入らなかった言葉がある。
ベランダと新館屋上でのやり取りだ。そのやり取りが聞こえたのは、生徒会の人間だけだ。」
え、それはどういう意味なのだろう。
副会長2人は何かに気付いたのか、宮田副会長は俺の襟元についてる連絡バッジを引ったくると、じっ…と見て呟いた。
全部オープンになってる…。
俺は何のことか分からず、聞いた。
「オープンって何?」
「生徒会役員以外はクローズだよ。オープンになるのは、一つだけだ。」
向井先輩が答えてくれた。
「放送室でガタガタとしてたみたいだから、その時にスイッチが全部オープンに切り替わったんだろう。」
生徒会長は、俺に言ってきた。
「コウキ。お前は後でたっぷりと絞ってやる。先にあっちだ。」
あっちだ、と言われ示された方に目をやると、担任が居た。
おいでおいでと、手招きをされた。
「申し訳ありませんでした」
そう言って一礼しては、俺は担任の所へ走って行った。
担任は、呆れ顔だった。
「お前ねぇ…。まあ、無事で良かったよ」
「ごめんなさい…」
ぽんぽんと頭を叩かれ、言われた。
「これから理事長室だ。どんな処分を受けるのか分からんが、覚悟しろよ」
「はい…」
これだけしか言えなかった。
理事長室に行きながら、俺は考えていた。
(うーん…。自宅謹慎か、それとも停学か、もしくは退学になるのかなあ…)
重厚な扉の前に、二人一緒に並び担任がノックをした。
コンコン。
「はい」
「失礼します。連れて来ました。」
担任が、先に入れと言ってくるので、先に入って口を開いた。
「先程は、大変ご迷惑をかけ、申し訳ありませんでした。」
もっと近くへ、と言われたが、怖くて近寄れない。
そんな俺を、担任は引きずってくれる。
「松井弘毅君」
「はっ、はい。」
「君は、自分が何をしたのか分かってるのか?」
「はい。文化祭を楽しまれてる方の邪魔をしました…」
「文化祭は楽しくないか?」
「いえ、楽しいです。」
「なら、一つだけ聞こう。君は、なぜ放送室に居た?」
「居たのは、4階です。」
「4階?」
「はい。プラネタリウムを見ようと思って、時間があったので色々と見て回ってました。」
「放送室は4階にあったのかな?」
「いえ、もう一つ上の階です。」
じっ…と見据えてくる理事長に、俺は正直に話した。
4階に居て、色々と見て回って、買ったり楽しんでいた。軽音の先輩と会って、その先輩に手を摑まえられ連れて行かれた先が5階だった。
逃げようとしたら、階段ではなく部屋だった。そこが放送室だとは思っても無かった。
そんな俺をじっと見てくる理事長は、暫らくすると口を開いてきた。
「1年3組、松井弘毅君。」
「はいっ!」
「君の処分は決まった」
「はい…」
「明日、明後日とゆっくり休んで、来週の火曜から通学してくるように。」
「はいっ。申し訳ありませんでした。」
深々とお辞儀をして、言われた言葉を反芻していた。
(え…、なに、火曜から通学?)
下げてた頭を上げると、担任も驚いたみたいで聞いていた。
「理事…、どういう」
「ハゲの理事長が居たら、君は自宅謹慎になっていただろう。だが、あのハゲは今週の月曜から1ヶ月間休むと言って、理事は私だけだ。
その私が言ってるんだ。通常授業に、通常部活…、ああ、バイトもしてるか。
それに、病院に行って診て貰え。」
「病院、ですか?」
「その顔色の悪さは緊張とか恐怖等からくるものでは無い。
おそらく、どこか固い所に頭をぶつけたが為に、頭が重く感じ痛みがあるのだろう。ずっしりと重く感じてるのではないかな。脳外と整形に行って診てもらうんだな。」
誰にも気付かれずに、しかも誰にも言わなかった事を、すぐに見破られるとは…。
さすが理事長だな。そう思うと、さっきよりも深々とお辞儀をしては理事長室を出た。
「あ…、ありがとうございますっ!」
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