99 / 136
(99)飛び降りはパフォーマンス
しおりを挟む
もう少しで弘毅の立っている所に着く。
そういう時に、弘毅は突き飛ばされ蹴り落とされた。
文雄は叫んでいた。
「シュータ、いくぞっ!」
「K 」
「テル、ヤリチンッ」
「OK」
「関、頼んだっ」
「K」
文雄とシュータは弘毅を目指し飛び降りた。
5階の放送室のベランダではなく、新館の屋上、7階からだ。
文雄の視線の先には、弘毅が落ちていってる。
その下には、あの連中が5人…。
少ない、せめて10人は欲しい。
「弘毅、手を伸ばせっ」
すると、顔が上を向いた。
「あ…」
「手を」
弘毅の両腕が伸びてきた。
その腕を掴み腰を支える様に抱いた文雄は、シュータが足場を作ってる所を目指して下りた。
ボンッ!
………。
「弘毅。生徒会室で、たっぷりと絞ってやる」
弘毅は頭の痛さを我慢して、無理にとぼけていた。
「副会長、その顔怖いです」
シュータも口を挟んでくる。
「コウキは肝が据わってるんだねぇ…」
「向井先輩って、カッコいいですね」
「ありがとう」
宮田が言ってくる。
「松井・・、お前ね、飛び降りるのなら、飛び降りるって言えよな…」
ったく、人間トランポリンにもならん人数で足場を作る羽目になったし…。
文雄が言ってくる。
「何言ってるんだマサ?あれだけデカい声で『ここから下りようよ』って言ってたのに」
「そうなのか?」
皆、聞こえたか…?というマサの問いに、その場に居た5人は応えてる。
いや、全然。全く…。と。
聞こえてきたのは、喘ぎ声とコウキという名前と、二人の男の声だけだ。
それを聞いてビックリしたのは弘毅だ。
「はあ?なにそれっ…」
「知らなかったのか?いきなりデカい声が校内放送で流れてきたんだぞ」
その場に居る5人が5人とも、次々と口にしてくれる。
「『手こずりさせやがって。コウキ、お前は俺に抱かれて、俺のモノになるんだ』」
「『誰がなるか』、と言ってたな」
「んでもって、『先ずは、その煩い口を静かにさせてやる』」
「それで叫び声だな。『俺は静かにならんぞっ』、てな」
「『キスすると、誰でも静かになるもんだ。』まあ、誰でもならぁな」
「『嘘だと思うのなら、自分の身で確かめるんだな。』確かめられたんだろ?」
「喘ぎ声聞こえたよな」
「その前に、一声あったな…」
「…ああ、思い出した。『今度は、その口の中を味わわせて貰う』、だな」
「そうそう。そんで『いやぁー!』だな」
「時々、デカくなったり小さくなったりしてたけどな」
「しかも、コウキ、コウキって何度も名前出てたし」
「それに、あの一言だよな」
「なんだっけ…」
「んーと…、『俺は好きな人がいる。それは、あんたではない!』っていう言葉」
それを聞いては、弘毅は顔を両手で隠した。
それって、それって……。
「でも、そこで校内放送はストップしたぞ」
その言葉に、文雄は応えた。
「でも、しっかりと聞こえたぞ」
「なんて?」
今度は、2人の副会長が口にした。
今度こそ逃がさん、とか…。
一度抱いたら二度目はない、とか…。
ヤリチン、とか…。
プレイボーイ、とか…。
しかも、フェンスの向こうに立って一緒に下りよう、とか…。
人間は簡単には死なない、とか…。
で、そのヤリチンに弘毅は突き飛ばされ蹴られて落とされたんだ。
高田先輩が声を掛けてきた。
「終わったぜ。あのヤリチン野郎は、コウキを突き飛ばしたくせに、やってないの一点張りだ。
今は理事長室に居る。」
生徒会長も、声を掛けてきた。
「あの場に居た皆には、簡単に説明をした。
『生徒会の余興はどうでしたか?飛び降りた3人は迫真の演技でしたね。
人間マットになってくれた人達もありがとう。』って。
最終のコラボ宣伝もしといた。」
生徒会長だけでなく、高田先輩の目も怖かった。
そういう時に、弘毅は突き飛ばされ蹴り落とされた。
文雄は叫んでいた。
「シュータ、いくぞっ!」
「K 」
「テル、ヤリチンッ」
「OK」
「関、頼んだっ」
「K」
文雄とシュータは弘毅を目指し飛び降りた。
5階の放送室のベランダではなく、新館の屋上、7階からだ。
文雄の視線の先には、弘毅が落ちていってる。
その下には、あの連中が5人…。
少ない、せめて10人は欲しい。
「弘毅、手を伸ばせっ」
すると、顔が上を向いた。
「あ…」
「手を」
弘毅の両腕が伸びてきた。
その腕を掴み腰を支える様に抱いた文雄は、シュータが足場を作ってる所を目指して下りた。
ボンッ!
………。
「弘毅。生徒会室で、たっぷりと絞ってやる」
弘毅は頭の痛さを我慢して、無理にとぼけていた。
「副会長、その顔怖いです」
シュータも口を挟んでくる。
「コウキは肝が据わってるんだねぇ…」
「向井先輩って、カッコいいですね」
「ありがとう」
宮田が言ってくる。
「松井・・、お前ね、飛び降りるのなら、飛び降りるって言えよな…」
ったく、人間トランポリンにもならん人数で足場を作る羽目になったし…。
文雄が言ってくる。
「何言ってるんだマサ?あれだけデカい声で『ここから下りようよ』って言ってたのに」
「そうなのか?」
皆、聞こえたか…?というマサの問いに、その場に居た5人は応えてる。
いや、全然。全く…。と。
聞こえてきたのは、喘ぎ声とコウキという名前と、二人の男の声だけだ。
それを聞いてビックリしたのは弘毅だ。
「はあ?なにそれっ…」
「知らなかったのか?いきなりデカい声が校内放送で流れてきたんだぞ」
その場に居る5人が5人とも、次々と口にしてくれる。
「『手こずりさせやがって。コウキ、お前は俺に抱かれて、俺のモノになるんだ』」
「『誰がなるか』、と言ってたな」
「んでもって、『先ずは、その煩い口を静かにさせてやる』」
「それで叫び声だな。『俺は静かにならんぞっ』、てな」
「『キスすると、誰でも静かになるもんだ。』まあ、誰でもならぁな」
「『嘘だと思うのなら、自分の身で確かめるんだな。』確かめられたんだろ?」
「喘ぎ声聞こえたよな」
「その前に、一声あったな…」
「…ああ、思い出した。『今度は、その口の中を味わわせて貰う』、だな」
「そうそう。そんで『いやぁー!』だな」
「時々、デカくなったり小さくなったりしてたけどな」
「しかも、コウキ、コウキって何度も名前出てたし」
「それに、あの一言だよな」
「なんだっけ…」
「んーと…、『俺は好きな人がいる。それは、あんたではない!』っていう言葉」
それを聞いては、弘毅は顔を両手で隠した。
それって、それって……。
「でも、そこで校内放送はストップしたぞ」
その言葉に、文雄は応えた。
「でも、しっかりと聞こえたぞ」
「なんて?」
今度は、2人の副会長が口にした。
今度こそ逃がさん、とか…。
一度抱いたら二度目はない、とか…。
ヤリチン、とか…。
プレイボーイ、とか…。
しかも、フェンスの向こうに立って一緒に下りよう、とか…。
人間は簡単には死なない、とか…。
で、そのヤリチンに弘毅は突き飛ばされ蹴られて落とされたんだ。
高田先輩が声を掛けてきた。
「終わったぜ。あのヤリチン野郎は、コウキを突き飛ばしたくせに、やってないの一点張りだ。
今は理事長室に居る。」
生徒会長も、声を掛けてきた。
「あの場に居た皆には、簡単に説明をした。
『生徒会の余興はどうでしたか?飛び降りた3人は迫真の演技でしたね。
人間マットになってくれた人達もありがとう。』って。
最終のコラボ宣伝もしといた。」
生徒会長だけでなく、高田先輩の目も怖かった。
0
お気に入りに追加
111
あなたにおすすめの小説
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ずっと女の子になりたかった 男の娘の私
ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。
ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。
そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。
開発されに通院中
浅上秀
BL
医者×サラリーマン
体の不調を訴えて病院を訪れたサラリーマンの近藤猛。
そこで医者の真壁健太に患部を触られ感じてしまう。
さらなる快楽を求めて通院する近藤は日に日に真壁に調教されていく…。
開発し開発される二人の変化する関係の行く末はいかに?
本編完結
番外編あり
…
連載 BL
なお作者には専門知識等はございません。全てフィクションです。
※入院編に関して。
大腸検査は消化器科ですがフィクション上のご都合主義ということで大目に見ながらご覧ください。
…………
俺の小学生時代に童貞を奪ったえっちなお兄さんに再会してしまいました
湊戸アサギリ
BL
今年の一月にピクシブにアップしたものを。
男子小学生×隣のエロお兄さんで直接的ではありませんが性描写があります。念の為R15になります。成長してから小学生時代に出会ったお兄さんと再会してしまうところで幕な内容になっています
※成人男性が小学生に手を出しています
2023.6.18
表紙をAIイラストに変更しました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる