恋人は副会長

福山ともゑ

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(96)文化祭最終日に襲われる

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ふふふ~んっ。

弘毅は鼻歌交じりに本館に移動していた。
あ、本館4階では、2年生によるプラネタリウムがあるみたいだ。行ってみようと思い、行くと15時の最終がある。15時までには、もう少し時間がある。
その待ち時間を利用して、4階を見て回っていた。

あ、バイクのストラップがある。それに、色々な楽器のストラップも売ってあるのを見ては嬉しくなり、思わず買っていた。
すると、声を掛けられた。
 「コウキ、楽しそうだな。」
振り向くと、松岡先輩が居た。
 「何か?」
 「ちょっと、こっち来い」
そう言って、俺の手を握って引っ張って行く。
 「どこに行くのですか?」
 「すぐ、そこだよ」
階段を上り、5階にある一室に入った。

 「ねえ、コウキ。この間は、よくも俺にあんなことをしてくれたよな。借りを返してもらう。」
そう言って、俺の腕を捩じり上げてこようとする。
すかさず蹴っていた。
ヒット!

松岡先輩は、股間に手を当てては怒り顔になった。
 「このやろー!」

俺は、その声を背に受けて、そこから出た。

 「待てっ!」
 「誰が待つかっ」
階段、階段はどこだっけ?
俺は、思い出しながら走っていた。
 『走ってる時は、後ろを振り向くな』
 『地上1階に近い所へ移動しろ。それが出来ない場合は、非常階段、もしくはスタッフ専用の所に行け』
ここは学校だから、非常階段だ。

 『追いつめられても、自分で逃げ道は確保しろ』
 『木があれば、窓から木に移れば良い』
木は、いっぱいある。
後ろからは、足音と息切れの音がする。

 (くっ…。一か八か)そういう思いで、目の中に飛び込んできた室に入った。
ここはっ!
失敗した。と思い振り向くと、目の前には息を切らした松岡先輩が。

パンッ!

頬を叩かれ、壁に押されてしまった。
 「や、め・・」
 「あの時は、まだ中学生だったから手加減してたけど。今度は激しくしてやる。」
 「やめろっ!」
いきなりキスされそうになったが、間一髪で避けた。
松岡先輩は、壁にキスをしていた。
だが、直ぐに腕を捩じられ俺の下半身を弄ってくる。
 「い、やだ…」
 「良い気持ちにさせてやる」
 「や・だ・・・」
 「下から攻めてやるよ」
 「嫌だっ!」(冗談じゃないっ!)
 「煩いっ!」

もう一度頬を叩かれて、俺は床に倒れてしまった。
すかさず圧し掛かってくる松岡先輩は、俺の動きを封じようとしてくる。
(嫌だ。嫌だ…。絶対に嫌だっ!)

俺は叫んでいた。
 「嫌だー!」

耳元だったのだろう。
腕が緩み、その腕からすり抜けようとした。
すり抜けて立ち上がると。


バンッ!!

と、机の上に押し倒された。

それと同時に、背中の下から、カチカチカチカチッと、何かの音がしたみたいだったが、それが何なのかは分からなかった。

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