恋人は副会長

福山ともゑ

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(67)さあ、夏休みだ

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七夕祭も終わった。
最後の最後でミスったけど、楽しかった。

副会長も、3校の実行委員会が集まっての打ち上げも、終わったみたいだ。
高田先輩の家での食事会は、打ち上げの為なくなった。
軽音部の打ち上げも終わり、明日からは夏休みだ!
俺は言っていた。
 「夏休みですね!」
副会長は即答だった。
 「俺は受験の夏だ。」
あ、頑張って下さい。そう言うと、俺は自分の部屋に戻ろうとした。
そんな俺に、ユウは文句を言ってくる。
 「コウキ、付き合い悪いよ。七夕祭の昼飯は、食べに行こうと誘ってくれたのに…。
家では、夕食後はさっさと自分の部屋に戻ろうとするし…。」
 「部屋で何をしてるんだ?」宮田も聞いてくる。
 「勉強だよ。」

そう返すと、1学期が終わったばかりなのに?
という言葉と表情が2人には張り付いていた。

 「あのねえ、ユウは頭良いから分からないだろうけど…。
俺の頭では、毎日していかないと蓄積されないんだよ。」
 「コウキって、そんなにも物覚え悪いの?」
 「ほっとけ!」
そう言って、今度こそ部屋に戻った。

これが自分の家だったらピアノ三昧だな。
それに、勉強はしても夏休みの宿題だけだ。
副会長と同じ部屋。
それが、俺に勉強させる気持ちを与えてくれるんだな。
そう思うと、夏休みが終わり家に帰ると、勉強する気持ちは無くなるのか?
試験勉強や宿題はしても、予習復習はしないだろうな。
こんなんだと駄目じゃん、俺。


あ、その前に家に電話しておこう。
iPhoneで家に電話をした。
お母ちゃんは風呂に入ってる時で、お父ちゃんと話をした。
 「七夕祭、楽しかったよ。ミスもしたけど、次は、同じミスをしないようにするつもり。
明日から夏休みなんだ。お母ちゃんとお父ちゃんも体調崩さないように、気を付けてね。」
 『楽しそうな声だな。夏休みは家族旅行した事なかったから、そっちで楽しんで来い。』
 「自転車も買ったし、明日でも顔を見に帰ろうかな。と、思ってるんだ。」
 『いや、夏休みが終わるのを楽しみに待ってるよ。』
 「え、どうして?」
 『ホームシックか?』
 「違うっ!」
 『兄弟の居ないお前にとっては、唯一の大切な時期だ。仲良く楽しく過ごせ。
ま、嫌な事もあるかと思うがな…。』
 「ありがとう。そうする。」


まったく、お母ちゃんもそうだったが…、お父ちゃんにまで同じことを言われるとは。



その夜、
俺は、副会長と、初めて最後までやった。
教訓なんてものではないが…。
お尻が痛い…。
動けないんだけど。
それでも、副会長は幸せそうな感じだ。
俺も、幸せを感じていた。
ずっと、続けばいい。
そう思っていた。


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