恋人は副会長

福山ともゑ

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(66)いよいよ本番

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生徒会とのコラボとは、七夕祭の最終イベントだ。
軽音部の3グループ目のライブが終わり、関会長が入る。
その関会長のエレキのソロで、コラボの時間は始まる。

リフが凄い。
カッコイイ~。
しかも、その後のドラムも。向井先輩もカッコイイ!

なんて余裕ぶっこいてる暇もなく、俺の番だ。
打ち合わせ通り、ノリノリの感じの曲をアドリブで弾く。
イントロの間、生徒会長である関会長の声が、マイクを通して話をしていく。
 「さあて、皆様。今回の七夕祭も、終わりに近づいています。」

ドドッドーン……、ドドッドーン…、ドドッドーン・・。

ドラムの音が激しくなる。
ドドドドーン……、ドドドドーン……、ドドドドーン…、ドドドドドドドドッ、ドドドドドドドドッ!

関会長もエレキを弾きながら、弾き語りよろしくMCをしている。
 「それでは、我が宮田学園、付属男子高校のボーカルの登場ですっ」

ドドッドーン…(シャラララッ)、ドドッドーン…(シャラララッ)……。

 「ボーカル、テルー!」
と叫ぶと同時に、この最後の曲の、本来のイントロが始まった。


オオオォォォー!!
 キャーーーッ!!


声援が凄いっ…。
まだ、さっきのライブの声援の方が可愛くて静かだった。
それに、これはカボチャとか庭の石とかの世界ではない。
どう思えばいいんだ…。

高田先輩は学ランを羽織っているみたいだ。
マントみたいに見えるが、俺はピアノにかじりついていて、他の事には目もくれず状態だった。
そりゃそうだよ、俺以外のメンバーは、何回も演ってるんだから余裕だよな。
副会長が、俺の後ろにいる事にも気付いてなかった。

いきなり高音が聞こえた、と思ったら自分とは違う手が鍵盤に触れていた。
後ろを振り向くと、副会長だった。
あれれ?
後ろから俺を包み込んでくる様な感じで、副会長はピアノを弾いてる。
優しい声が聞こえてくる。
 「コウキ、走り過ぎ…」
え?
 「タップだからって、さっきみたいなハードロックっぽいタップは、流石のテルも歌えないよ。」
ほら、落ち着いて…。

少し弾いて貰い、キリの良い所で交代して最後まで弾き終えた。

ソロのアドリブ歌の時は、副会長はリズムに合わせて歌い、最後の〆の部分も副会長だった。



そして、閉会式。
 「今年の七夕祭も、無事に終える事が出来ました。
皆さん、楽しんでもらえたでしょうか?」

キャーー!!
 オオオオォォォォォォ-!!


 「楽しんで頂けたようで、嬉しいです。
では、来年の七夕祭は、隣の西高校です。
西高校の皆さん。来年、よろしくお願い致します。

宮田学園付属男子高校 七夕祭担当の、生徒会副会長、宮田でした。」


一礼して、最後に、もう一言。
 「みんな、お疲れ様でしたー!」


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