恋人は副会長

福山ともゑ

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(62)高校3年男子の、お喋り

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楽しい食事タイムに、食後はコレクションルームで本漁り。
ユウとの、お喋り。
夕方近くになると、副会長が帰ってきて弁当箱を出してきた。
 「ただいま。コウキ、今朝は、ありがとう。」
 「おかえりなさい。少し寝坊してしまい、ごめんなさい。」
弁当箱を持ってキッチンに向かった。
副会長と高田先輩の声が聞こえる。
 「なんだ。テル、まだ居たのか…」
 「なんだとは、なんだよ。まだ居ちゃ悪いかっ」
 「いい加減、帰れよ。」
 「別に良いだろ。コウキー、今夜の夕食は何?」

 「豚カツです。」

 「嬉しいっ!肉、大好きっ」
すかさず、俺は言ってやった。
 「でも、揚げるのではなく、炒め煮風の豚カツです。」
副会長と高田先輩の声が重なった。
 「こってりな豚カツか、良いねえー」
その二人の声に、俺は言ってやった。
 「受験には勝ってもらいたいですからね。」
副会長は「おまっ…」
高田先輩は笑ってる。
 「俺には関係ねぇっ。」


夕食タイム。
1人一枚の豚カツを作った。
ユウは、付け合せのサラダを。
先生は、こってりのメインには、あっさりした汁が一番、と言って、コンソメスープを。
え、先生って料理できるの?ユウだけかと思ってた。

そう言うと、軽くゲンコツを食らった。
俺は1人暮らししてたから、人並みの物は作れるんだよ、と。


宮田がキッチンに入ってきた。
 「おっ、豚カツはお代わりあるのか、嬉しいな。」
 「違うよ。それは明日の弁当に入れるんだからね。」
え…と驚いた表情をしてるが、そのつもりで作ったんだ。
 「つまみ食い、禁止だからねっ!!」


俺の声が聞こえたのだろう。
ダイニングから2人の声が聞こえてくる。
 「明日の弁当は豚カツが入るのか。嬉しいなー」
 「テル。お前は外食だろ。」と、副会長の声だ。
 「明日は、ここから行く。」
 「テル…」と、宮田が。
 「なーに?マサ」
 「晩飯食ったら、帰れっ。」
えー…、とブツブツ文句言ってる声が聞こえてくる。


夕食後、副会長は直ぐに部屋に引き籠った。
今日の復習と明日の予習をするらしい。
なんか副会長と一緒だと、俺も勉強したい気分になってくる。
うーん…、不思議だ。


皆に声を掛ける。
 「予習をするので、今日はお休みなさい。」
皆の声が重なって返ってくる。
 「おやすみー」

先生の声が聞こえる。
 「ユウの部屋だったら、お喋りタイムになってただろうな。文雄の部屋にして正解だったかも。」
ユウの声もする。
 「どう言う意味だよ…」
 「コウキは、はっきり言って成績は良いとは言えないからな。」
 「あ…。なるほど、そういうことね…」

ちなみに、副会長とユウの成績は上クラスだ。


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