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(58)コウキからの初キッス
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「ほら、寝るぞ。」
副会長が俺を引っ張って行くのだが、本当に良いのか?
「コウキ?」
「あ、はい。荷物、持って行きます」
それもそうか…と呟いて副会長は、俺のスーツケースを持って下りて行く。
俺はボストンバッグを肩に担いで、その場に居る皆に挨拶をした。
「お、おやすみなさい…」
3人の声が重なる。
「おやすみ。」
地階に下りると、副会長がドアを開けてくれてるので、部屋に入り、俺がドアを閉める。
「ここが俺の部屋。で、お前はどっちが良い?」
「どっちって…」
「ベッドのある部屋。ここと、もう一部屋ある。」
「もう一部屋の方が良いです。」
即答かよ…、と副会長の呟きが聞こえる。
副会長の後を付いて行き、もう一部屋のベッドルームへ。
あまり使ってないから掃除しないと、と声が聞こえるので、俺は言った。
「自分で掃除します。」
「自分の部屋は壊さんぞ。」
「そう言う意味ではないですよ。ただ、1ヶ月半暮らすのなら当てがわれた部屋は自分でしようと、そう思っただけです。」
「それなら…」と言って、掃除用具一式あるから、と場所を教えてくれた。
そして、ついでに…と前置きして言ってくれた。
「このドアは風呂で、その隣はトイレだ。」
え、地下に風呂とトイレ?
思わず聞いていた。
「もしかして、部屋ごとに付いてる?」
とんでもない言葉が返ってきた。
「1階は風呂とトイレは付いてるけど、2階には付いてない。3階はマサの部屋で、風呂とトイレは付いてるよ。」
「3階?」
俺の顔を見て、思ったことが分かったのだろう。副会長は言ってくる。
「地下は、スタジオ作りの為に作られたスペースだ。その時に、シャワーとトイレが付いてあると便利だと思ったのだろう。その時に作られたんだよ。だから、使ってない部屋が3部屋ある。」
「広っ!」
「3階はベランダ付きだから、マサだけの部屋なんだ。俺のと同じ位の部屋数だ。」
「ちなみに、2階は?」
「ユウの部屋とお父ちゃんの部屋と書斎と、コレクションルーム。コレクションルームと言っても、図書館並みの量の本を置いてるだけだ。」
「学校の先生だから、本は必要ですよね。」
「絵本とか童話とか…。楽譜も置いてる。」
楽譜、という言葉に惹かれた。
「見てみたい。あ、見せて頂けるのなら、ですけど…。」
「行って見るか?」
「あ、でも掃除を先にします。」
「手つ」
「結構です。」
あっ、やばっ…。
「掃除は自分でします。その代り、新しいシーツとかカバー等を一式、持って来てもらえますか?どこにあるのか分からないので…。」
「分かった…。」
「副会長、あの…きつい言い方してごめんなさい。」
ポンポンと頭を優しく叩いてくれる。
やっぱり弟の様に見られてる。そう思うと悲しくて悔しくて、俺は背伸びして副会長の…、恋人の頬に唇を当てた。
副会長はビックリしたみたいだ。
一瞬、目を瞠って、その後、俺を抱きしめてくれた。
「初めてだね。コウキからしてくれるのは…」
「だって、さっきの様な言い方して、嫌な気持ちにさせたくない」
それに、俺だってキスしたい時もある。
その呟きが聞こえたのか、副会長は優しく言ってくる。
「そうだね。俺としては嬉しいよ。でも、言わせてもらうけど、唇の方が良かったな。」
(くっ…、唇って…)
でも、俺は返していた。
「っ、次は・・そっちの方に、します…」
「よろしく」
「あの、さっきは…きつい言い方して、ごめんなさい。」
「ユウも、コウキみたいに素直なら良かったのにな…」
そう言って、副会長は俺の顎に手を掛け、少し上向かせてくれる。
キスされる。
そう思ったので、俺は目を閉じた。
すぐに、副会長の唇が重なってきた。
副会長が俺を引っ張って行くのだが、本当に良いのか?
「コウキ?」
「あ、はい。荷物、持って行きます」
それもそうか…と呟いて副会長は、俺のスーツケースを持って下りて行く。
俺はボストンバッグを肩に担いで、その場に居る皆に挨拶をした。
「お、おやすみなさい…」
3人の声が重なる。
「おやすみ。」
地階に下りると、副会長がドアを開けてくれてるので、部屋に入り、俺がドアを閉める。
「ここが俺の部屋。で、お前はどっちが良い?」
「どっちって…」
「ベッドのある部屋。ここと、もう一部屋ある。」
「もう一部屋の方が良いです。」
即答かよ…、と副会長の呟きが聞こえる。
副会長の後を付いて行き、もう一部屋のベッドルームへ。
あまり使ってないから掃除しないと、と声が聞こえるので、俺は言った。
「自分で掃除します。」
「自分の部屋は壊さんぞ。」
「そう言う意味ではないですよ。ただ、1ヶ月半暮らすのなら当てがわれた部屋は自分でしようと、そう思っただけです。」
「それなら…」と言って、掃除用具一式あるから、と場所を教えてくれた。
そして、ついでに…と前置きして言ってくれた。
「このドアは風呂で、その隣はトイレだ。」
え、地下に風呂とトイレ?
思わず聞いていた。
「もしかして、部屋ごとに付いてる?」
とんでもない言葉が返ってきた。
「1階は風呂とトイレは付いてるけど、2階には付いてない。3階はマサの部屋で、風呂とトイレは付いてるよ。」
「3階?」
俺の顔を見て、思ったことが分かったのだろう。副会長は言ってくる。
「地下は、スタジオ作りの為に作られたスペースだ。その時に、シャワーとトイレが付いてあると便利だと思ったのだろう。その時に作られたんだよ。だから、使ってない部屋が3部屋ある。」
「広っ!」
「3階はベランダ付きだから、マサだけの部屋なんだ。俺のと同じ位の部屋数だ。」
「ちなみに、2階は?」
「ユウの部屋とお父ちゃんの部屋と書斎と、コレクションルーム。コレクションルームと言っても、図書館並みの量の本を置いてるだけだ。」
「学校の先生だから、本は必要ですよね。」
「絵本とか童話とか…。楽譜も置いてる。」
楽譜、という言葉に惹かれた。
「見てみたい。あ、見せて頂けるのなら、ですけど…。」
「行って見るか?」
「あ、でも掃除を先にします。」
「手つ」
「結構です。」
あっ、やばっ…。
「掃除は自分でします。その代り、新しいシーツとかカバー等を一式、持って来てもらえますか?どこにあるのか分からないので…。」
「分かった…。」
「副会長、あの…きつい言い方してごめんなさい。」
ポンポンと頭を優しく叩いてくれる。
やっぱり弟の様に見られてる。そう思うと悲しくて悔しくて、俺は背伸びして副会長の…、恋人の頬に唇を当てた。
副会長はビックリしたみたいだ。
一瞬、目を瞠って、その後、俺を抱きしめてくれた。
「初めてだね。コウキからしてくれるのは…」
「だって、さっきの様な言い方して、嫌な気持ちにさせたくない」
それに、俺だってキスしたい時もある。
その呟きが聞こえたのか、副会長は優しく言ってくる。
「そうだね。俺としては嬉しいよ。でも、言わせてもらうけど、唇の方が良かったな。」
(くっ…、唇って…)
でも、俺は返していた。
「っ、次は・・そっちの方に、します…」
「よろしく」
「あの、さっきは…きつい言い方して、ごめんなさい。」
「ユウも、コウキみたいに素直なら良かったのにな…」
そう言って、副会長は俺の顎に手を掛け、少し上向かせてくれる。
キスされる。
そう思ったので、俺は目を閉じた。
すぐに、副会長の唇が重なってきた。
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