恋人は副会長

福山ともゑ

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(41)マサ&テル※ソフトな描写あります

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目の前は宮田の本宅の正門が見える。
ここは、その本宅の正門の前にある木の上。
 「ねえ、マサ…。静かすぎて不気味なんだけど?」
 「でも、ここに居るんだろ?」
 「だと、思うよ…」
 「思うよって…。なに、ここに来るって言ってたんだろ?」
 「そう思ったんだけどな…」
うーん、読みが外れたかなあ……。

 「まさかテル、お前の考えか」
 「うん、そう思ったんだよ」

少し考えたのち、マサは言ってきた。
 「入るか」
 「不法侵入にならない?」
 「今更・・・」
 「だよね…」


テルは気になってた事を聞いた。
 「ねえ、マサ。」
くいくいっと、テルはマサの服を引っ張ってる。
 「なんだ?」
 「もしかして1人?」
 「そうだけど?」
 「えー…」
 「どうした?」

テルはブツブツ言ってる。
 「コウキは言わなかったの?あの連中の事…」
 「地味に行動してって言ってた」
 「うん、それっ」
 「でも、文雄も居るし、お前も居るから良いやと思ったんだけど」
それを聞いてテルは目を瞠った。
え!

そのテルに向かって、マサはきっぱりと言った。
 「文雄は、昨日は暴れなかったらしいよ。だから、今日は暴れるんじゃないか。」
 「え、暴れなかったの?」
 「らしい。本当は暴れたかった、と言ってた。」
 「珍しい…」
 「それに、テルも暴れたいだろ?」
え、暴れ馬君?と、微笑んで言ってくるマサに、テルは嬉しそうに微笑んだ。
えへっ、バレタ?と言いながら。

マサは、ふっ…と優しく微笑んで言ってきた。
 「俺も暴れたいから、2人で…いや、3人で十分さ。」
 「マサ…」
 「ん?」
 「もう、昨日みたいな意地悪しないでね。」
 「ああ、悪かったよ。」
なにしろ、俺の弱点は松井ではなく、お前だからな。

その呟きに、テルは嬉し恥かしの表情になった。
何を思ったのか、マサは言ってきた。
 「まあ、あいつが居ても居なくても良いや。遊びに来ましたって、言ってやるよ。」
 「あははっ。あのハゲ、どう返すんだろうね。」
 「さあな…」

ハゲと言えば、と思い出したテルは聞いてみた。
 「ねね、マサ。聞いていい?」
 「なに?」
 「ハゲといえば理事、が俺の脳内には直ぐに浮かんでくるんだけど、他にも居るの?」
 「居るよ。」
 「え…、それは誰?」
マサは、とんでもない人物の名前を挙げてきた。
 「あの女」
 「は?」
 
 「文雄の言うには、あの女はヅラだったってさ。」
 「はあ?」
 「ああ、そうだ。それに」


いきなり屋敷内からピー音が聞こえてきた。
マサとテルは顔を見合わせた。
 「もしかして…、これから?」
 「はぁ…。おっそ。今まで何してたんだ?俺が見かけたのは15時半だったんだぞ!」
あいつはー、何時間経ったと思ってる!
テルは、フミオに文句を言ってるみたいだ。

まあまあ…。テル、景気よくやるぞ。
ん…。

 「その前に、キス。」
2人の声が重なった。
ふふっ…。
お互いが微笑みあい、唇を重ねた。


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