恋人は副会長

福山ともゑ

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(23)学校で、メールのやり取り

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その日の昼休み。俺はiPhoneを起動してみた。
もしかしたら、と思ったからだ。
着信通知がある。副会長からだ。
 『土曜日なら空いてる』
一行レスだったが、それでも俺には嬉しかった。
なので、返信した。

ブー…、ブー…。
iPhoneが振動している。
メールの着信だ。コウキからだ。
 『土曜日、何時に来られますか?』
そういえば、場所を知らないな。

ブー…、ブー…。
はいはい、副会長からかな。
そう思い、iPhoneのロックを外した。
 『10時に。場所を教えて欲しい。』

ブー…、ブー…。
ロックは外したままにしている。たぶん返信は直ぐに来るだろうと思ったからだ。
コウキからのメールには住所が書かれてあった。
それと、もう一つ。
 『添付しても良いですか?』
その問いに返信した。

ブー…、ブー…。
あ、着た。副会長からのメールは、簡単に予想がついてた。
予想通りの『OK!』との文字だ。


ブー…、ブー…。
そんなに待たないうちに返信が着た。
 『添付有り』とタイトルに書かれてあり、クリックした。
すると、コウキの手書きで、学校からの道順の地図だった。
高校からのと、なぜか中学からの道順もあった。

その時、ふと気が付いた。
この地図って…。
あいつ、昨日はどうやって帰ったんだ?
帰り道、分かったのだろうか…。

その時、昼休み終了の予鈴が鳴った。
 『ありがとう』
それだけ打って、送った。




放課後。
いつも通りに生徒会室に行く。
俺の頭の中には、一つの事しかなかった。
 「コウキの家に行く」
そう思うと、口元が自然とニヤつくのが、自分でも分かった。


 「失礼しまーす。」
ドアが開き、声が聞こえた。
 「あれ…なんか機嫌良さそうだね。今朝は、珍しく走って来るし…。
なにか、あったの?」
テルだ。
 「ああ。」

 「え…、なに、それだけ?」
 「別に言う必要ないだろう。」

まあ良いけどね…、と呟きながらテルは、封を渡してくれる。
 「これね、言われてた松岡靖男の資料。それを見て、俺は驚いたよ。
あいつはヤリマンなんだね。
1人の人間に固執しない。抱いたら、すぐ次のを見つけるらしい。」

テルの言葉を聞きながら、封を開けて資料を取り出し読んでいった。



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