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(13)生徒会メンバーに…
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そして、いよいよ来週は期末試験週間だ。
あの日を機に、俺は部活のない日は生徒会室に行くようになった。
そこに行けば、宮田副会長と会えるからだ。
い、いや違う…。勉強を教えて貰うだけなんだけどね。
ノボルとカナタとシンスケも同様に思ったのだろう、彼等もまた生徒会室に来てるのだ。
その代り、17時から18時までと時間を決められた。
まあ、彼等も生徒会の仕事があるからな。
なので、部室で少しやってから行く事にした。
その日は、金曜日。
いつもと同じ様に部室で待機していた。
17時にはならない、まだ早い時間に宮田副会長は部室に顔を出しに来た。
「うん。揃ってるな。」
「はい?」
「それでは、こちらに各自クラスと名前を書いて。」
と言って、何かの用紙を置いてくれる。
「え…」
「ほら、書くの。」
俺は宮田副会長に頭を小突かれて、言われた通りに書いた。
その紙を回収して、副会長は出ようとする。
でも、ドアの所で立ち止まって部室内を振り向くと、にっこりと微笑んでくる。
(うわっ…。その笑顔、反則だ。素敵だな…)
と思いながら、ウットリ気味になっていた。
だが、副会長はとんでもない事を言ってきた。
「お前等は、3学期からは生徒会メンバーだからな。」
「え、なにそれっ!」
「生徒会室に入り浸ってるんだ。お前等の顔は教師たちも知っている。
じゃあな、新メンバーさん。」
それじゃ後で、と言い残しては宮田副会長は出て行った。
「えー・・・」
と、机に突っ伏してるのはシンスケだ。
「でも、ものは考えようだよ。」
と、言ってきたのはカナタだ。
「なにが?」
カナタは、こう言ってくる。
「生徒会長は3年生だろ。俺達はよくても副会長どまりだ。それに、軽音には向井先輩がいる。」
カナタが言うと、ノボルが自分の考えを言ってきた。
「それにさ、生徒会メンバーになると、内申が良くなるかも、よ?」
それを聞いて、俺も言った。
「そうか…、そう考えると、生徒会メンバーになるのは良いかもね。」
シンスケが言ってくる。
「最初は迷ったんだよ。軽音に入りたい、でも生徒会役員にならないとダメなのか、って。
総会の時は生徒会役員居なくて、問い合わせしたんだよ。
そしたら、人数が居なくて生徒会役員の有志が助っ人参加してくれた、と教えてくれたんだ。
だから、入部を決めたんだよ。」
俺は素直に言った。
「あー…。俺も、それ思った。」
すると、「俺も、俺も」とカナタとノボルも言ってきた。
「動機は不純だけど、生徒会メンバーも良いかもな。」
俺が、そう言うと…。
シンスケは、こう返してきた。
「生徒会と繋がってると予算アップになったりとか、色々と良い事あるかもな。」
その言葉にチャチャを入れたのはノボルだ。
「あ、それ良い!さすがシンスケ!」
廊下に出て、壁に背をもたらせ腕組みをして聞いていた宮田副会長は小声で呟いていた。
「うん…、たしか俺達も最初はそうだったな。」
頑張れよ、新メンバー。
そう呟くと、生徒会室へと歩いて行った。
あの日を機に、俺は部活のない日は生徒会室に行くようになった。
そこに行けば、宮田副会長と会えるからだ。
い、いや違う…。勉強を教えて貰うだけなんだけどね。
ノボルとカナタとシンスケも同様に思ったのだろう、彼等もまた生徒会室に来てるのだ。
その代り、17時から18時までと時間を決められた。
まあ、彼等も生徒会の仕事があるからな。
なので、部室で少しやってから行く事にした。
その日は、金曜日。
いつもと同じ様に部室で待機していた。
17時にはならない、まだ早い時間に宮田副会長は部室に顔を出しに来た。
「うん。揃ってるな。」
「はい?」
「それでは、こちらに各自クラスと名前を書いて。」
と言って、何かの用紙を置いてくれる。
「え…」
「ほら、書くの。」
俺は宮田副会長に頭を小突かれて、言われた通りに書いた。
その紙を回収して、副会長は出ようとする。
でも、ドアの所で立ち止まって部室内を振り向くと、にっこりと微笑んでくる。
(うわっ…。その笑顔、反則だ。素敵だな…)
と思いながら、ウットリ気味になっていた。
だが、副会長はとんでもない事を言ってきた。
「お前等は、3学期からは生徒会メンバーだからな。」
「え、なにそれっ!」
「生徒会室に入り浸ってるんだ。お前等の顔は教師たちも知っている。
じゃあな、新メンバーさん。」
それじゃ後で、と言い残しては宮田副会長は出て行った。
「えー・・・」
と、机に突っ伏してるのはシンスケだ。
「でも、ものは考えようだよ。」
と、言ってきたのはカナタだ。
「なにが?」
カナタは、こう言ってくる。
「生徒会長は3年生だろ。俺達はよくても副会長どまりだ。それに、軽音には向井先輩がいる。」
カナタが言うと、ノボルが自分の考えを言ってきた。
「それにさ、生徒会メンバーになると、内申が良くなるかも、よ?」
それを聞いて、俺も言った。
「そうか…、そう考えると、生徒会メンバーになるのは良いかもね。」
シンスケが言ってくる。
「最初は迷ったんだよ。軽音に入りたい、でも生徒会役員にならないとダメなのか、って。
総会の時は生徒会役員居なくて、問い合わせしたんだよ。
そしたら、人数が居なくて生徒会役員の有志が助っ人参加してくれた、と教えてくれたんだ。
だから、入部を決めたんだよ。」
俺は素直に言った。
「あー…。俺も、それ思った。」
すると、「俺も、俺も」とカナタとノボルも言ってきた。
「動機は不純だけど、生徒会メンバーも良いかもな。」
俺が、そう言うと…。
シンスケは、こう返してきた。
「生徒会と繋がってると予算アップになったりとか、色々と良い事あるかもな。」
その言葉にチャチャを入れたのはノボルだ。
「あ、それ良い!さすがシンスケ!」
廊下に出て、壁に背をもたらせ腕組みをして聞いていた宮田副会長は小声で呟いていた。
「うん…、たしか俺達も最初はそうだったな。」
頑張れよ、新メンバー。
そう呟くと、生徒会室へと歩いて行った。
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